01.09.13
反則の解説
小説に新作をアップした。
「鏡よ鏡よ鏡さんの気持ち」という、短いお話。
ということで、珍しく、作者自ら解説なんかしちゃったりするぞ。
これは、白雪姫のサイドストーリーという位置付けで、
お后様と鏡さんの話。
鏡さんも、お后様も、非常に純粋かつ愛すべき存在に立たせた。
鏡さんの愛は、少々倒錯しているものの、理屈は合っている。
白雪姫なるどこぞの小娘をダシに使って、愛するお后様に自信を取り戻させたかった。
鏡さんが白雪姫の名を告げることで、お后様はまんまと鏡さんの作戦に落ちてしまう。
でも、鏡さんは、あくまでもお后様の勝利という作戦を思い描いているのであって、
まさかその後、白雪姫一派のテロリズムがまかり通ろうなどとは夢にも描いていない。
白雪姫の物語に、悪者はいない。
いや、すべての物語において、悪者はいない。
ニュースに出てくる凶悪犯だって、サイドストーリーを見つめてみれば、
きっと同感できるものが多々あるはず。
「だから、右の頬を打った隣人に、左の頬を差し出しつつ愛しなさい」なんて
キリスト的なことは、ちっとも思わないぞ。
では、なにか。
「運が無かったね〜」と言いたい。それだけ。
普通に考えれば、すべてうまくいきそうなことでも、
運の無さの積み重ねで、最悪な方向に向かっていってしまう。
鏡さんの作戦も裏目に出ておしまいだし、お后様のその後の行動は、
目も当てられない結果に終わる。なんともかわいそうな話だ。
それもこれも、運不足の賜物。
さらに言えば、この作品のテーマはズバリ、
「満足感」なわけ。行動を伴った満足感は、
たとえ結果が思わしくなくても、それは尊重すべきものなのだ、と思ったの。
要するに、今の自分への鎮魂歌。
と、気取ってみたところで、更なるサイドストーリーの可能性。
1:鏡さんが女性という設定で。
2:鏡さんが複数という設定で。
3:鏡さんテロリズム。
って、テロテロ言ってるのは、やはりNYのせいだな。
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