01.08.22
文集モザイク
特異な犯罪が起きて、犯人が若者だったりすると、
ニュースで必ず扱われるものがある。
犯人の、卒業文集等のコメントである。
今、世間を騒がせている誘拐犯の文集のコメント。
「将来の夢:悪魔に魂を売り渡して、面白おかしくやってます」
……いかにも、屈折した人物って感じだ。
ただ、気になった。
犯人以外のクラスメート達のコメントは、モザイク処理で隠してあるのだ。
一見、極普通の「プライバシーの保護」としてのモザイクに見えるが、
ふと、それは違うぞ、と気が付いた。
自分が、文集で何を書いたかを思い出したのだ。
小学生時代の文集「ビッグバンベイダーって、ビッグ・バンベイダーじゃなかったのね」
中学生時代は「けれど夕日はお前と仲間のドクロを映す」
ってなかんじ。
私が犯人で、コレがニュースに流れたら、いかにもまずいぞ。
でも、文集の中で、私のコメントは決して特異ではない。
特に中学生時代のそれは、
左の奴が「真心なんてクソくらえブリッ!」だし、
下の奴は「腕が注射の跡だらけ……いや、BCG! BCG!」だし。
みんなばかげた事を書いているのだ。
ニュースでやってる「犯人の文集の、極悪コメント」は、
まわりのモザイク処理をはずしたとたんに、
極悪でもなんでもなくなること間違いなし、だと思った。
それにしても、文集って、その存在価値を疑うな。
過去の汚点としか扱われないのだもの。
私は、文集否定論者。
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