01.08.16
戦争を語り継がれる者として
戦争体験をしている人たちの嘆き。
「戦争の記憶が、世代がかわり、薄れてきている」
「あの悪夢を語り継いで欲しいのだが、若い世代は平和への意識が薄すぎる」
それなら、「若い世代」からも一言。
だってさ、戦争体験してない人が戦争のむごたらしさを語ると、
「そんなもんじゃない」とか
「想像でえらそうな事言うな」みたいな話になるでしょ。
戦争を扱った物語にしたって、
体験者と、非体験者を、
あからさまに区別して評価しているし。
(もちろん、体験者の作品は「重厚だ」みたいな話になるわけで)
要するに、経験至上主義な世界。
そんなことじゃ、語り継ぎようもございませんです。
もっと言えば、戦争世代が、そんなに重々しげに、自分だけの体験みたいに話すから、
若い世代は、むしろ争いの世の中に憧れてしまうのでは、と。
「いいなあ、そういう自己表現できる経験ができて」みたいな。
それは、決して戦争をなめているわけではなく、
もっと根本の、本能的な心の叫びなのかもしれないな、と。
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