01.07.14
鳥類分布調査
川沿いに住む鳥を調査する。
鳥の種類、個体数、繁殖の有無などを記録してゆく。
観察は、二人ペアで行う。
一人は鳥の専門家で、もう一人は筆記役。
私はもちろん筆記役のほう。
そんなバイトを三日間やってきた。
鳥ってのは、陽が昇って暑くなると、木陰から出てこなくなるそうで。
調査は早朝にやらなければならない。
始発電車に乗って現地で待ち合わせ。
午前の六時から十時くらいまで、ひたすら歩く。
一日目は隅田川。越中島から八丁堀まで。
二日目は二区間。旧中川を平井から船島までと、新川を船堀から葛西まで。
三日目は神田川で、高井戸から吉祥寺まで。
一番大変だった二日目は、八キロ、三万歩を四時間強で歩ききった。
ちなみに日給八千円。
得るものが多かった。自分の無知を思い知らされた。
都内には、カワウ、コシラサギ、メジロなど、意外にもたくさんの種類の鳥がいた。
セイタカシギが、忍び寄る野良猫から卵を守るためにキョーキョーと声を張り上げていた。
神田川で、野生化したアメリカザリガニを食って生き延びている野良猫を見た。
ツバメが減っていることを知った。
メダカが絶滅寸前と聞いて驚いた。
近距離にかけられた巨大な橋三つ、しかも使用者ほとんどなし、税金の無駄遣いを肌で感じた。
川や池に放たれたブラックバスやミドリガメが生態系を荒らしているのをこの目で見た。
まだまだ他にもたくさんのものを見てきた。
そして痛感した。
見なきゃ、いかんな、と。
ニュースや資料から知識を増やすのと、実際見るのは大違い。
感動も、伝えたいメッセージも、理屈ではなく素直に感じることが出来る。
ま、あたりまえといえばあたりまえだけど。
今一番思うことは、「子供に確かな自然の知識を」ってことかな。
宮崎映画みたいにぼかして伝える必要もないかと。
「ブラックバスを池や湖に流すと、他の魚を食い荒らしたあげく、
餌がなくなって共食いまでしているんだよ。キャッチアンドリリースなんて言ってられないよ」
と声を大にして言いたい。
私は今回それをはじめて知ってかなりショックだった。
なんにせよ、無事帰ってこれてよかった。
眠くて眠くて、堤防を歩いているときに何度ふらりと川に身投げしそうになったことか。
とりあえず、寝ます。明日はおもいきり寝坊します。
ああ、自宅って幸せ。
外出してわかる、我がヒキコモリ根性の強さよ。
しばらく家から出たくないわん。暑いし。
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