06.05.27
紙ヒコーキ
ドラマ「弁護士のクズ」で、こんな物語があった。
金持ちのおじさんが「愛人に500万円相続するように」と遺言を残して死んだ。
おじさんの遺族は当然大反対。愛人に向かって「金の亡者め」と怒り心頭。
が、愛人には小さな息子がいて、その子が折った紙ヒコーキにビックリ。
金持ちのおじさんオリジナルの折り方だったのだ。
このヒコーキを教えたということは、愛人との付き合いは遊びじゃなかったのか…。
そう気が付いた遺族は、遺産相続を認めるのだった…。みたいなお話。
確かに。紙ヒコーキって、各家庭ごとにオリジナリティに溢れている。
それは大抵、お父さん直伝で教わったもの。
自分も、直伝で覚えた折り方がある。
「このヒコーキが、他のどれよりも一番よく飛ぶんだぞ」
そんな風にお父さんが自慢げに言いながら、ギシギシと折られてゆく紙ヒコーキを見ながら、
自分はすさまじく最高な気分に浸っていった。
「学校に持って行って、みんなに見せびらかしてやろう。でも、折り方は誰にも教えてやんないもんね、絶対!」
久々にそんなことを思い出して、
だいぶ歳食った今、改めてそのヒコーキを折ってみた。
実にシンプルで、かつ仕上がりも格好いい。
飛ばしてみた。
一直線にスイーと飛んで、壁にぶつかって落ちた。
相変わらず良く飛ぶ。
前略オヤジ様、やっぱ最高だよこのヒコーキ。
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