RAN春の宴2014

RAN春の宴2014 4/20 Special Report


トップページに書いたように今年の春の宴は大成功だったわけですが、具体的にどこが?どのように?という詳細について触れたいと思います。


1.コンセプト

「持ち込みのみ!」「火器厳禁!」「会費レス!」を掲げてアナウンスした本イベントは、主催する側にしてみたらリスクの固まりのようなものでした。
本当にみんな必要十分な量持ち込んでくれるのか?
持ち込んでくれたとして、飲み物いっぱいとか逆に食べ物ばっかいとか片寄るんでは?
料理出来ないイヴェントだとガッカリして来ない人もいるんじゃないの?(これについては後述)
会費レスで本当に成り立つのかこれ?

いや、机上の計算で言えば成り立つに決まってるんですよこれ。
だって考えてみて下さい。持ち込みの目安金額は1,000~2,000円です。
皆様普段のご飯食べるとき、そんだけ食べたらお腹いっぱいになりませんか?
だったらそれが人数分集まるんだから、足りなくなるわけないんですよ。

でもそれは机上の空論。何が起こるのか分からないのがイヴェントです。
実際打ち合わせの中で「食べ物と飲み物の比率くらい指定した方が良くない?」という議論もありました。
が、結果的には「成り行きに任せよう」「もし足りなかったらそんときはカンパしてもらって買い出し行こう」と決めました。
そうなると会費レスじゃなくなっちゃうんですけれどもね…。

結果は大成功。
これは運も味方したと言うべきでしょう。見事なまでにみんなの持ってきたものが被ってない!!
ご飯や炭水化物系メインで揃えてきた方、おかずメインできた方、おつまみ系重視できた方といった具合にバラけているではありませんか。




また驚いたのがドリンクで、今回はソフトドリンクをはじめ、発泡酒、チューハイ、焼酎、紹興酒、マッコリ、ワイン、日本酒と、殆んどオールジャンルじゃないかというラインナップの揃いっぷり。
麻雀で言えば配牌直後にいきなり役満張ってるみたいな勢いです。
かくして「持ち込みのみ」で「会費レス」は見事達成できたのです。
でもここまで見事な偶然はそうそうないかもなぁ。

あとね、これポイント。
「火気厳禁」とは書きましたが「料理するな」とはひと言も書いてないんですね。
これを言っちゃうと料理合戦になると思ったから、あえて案内にそこまでは書かなかったけれども。
たぶんたくみ氏はこれに気付いたんでしょう。
現地で切る刻むはOKだということに。
彼が現地で即席で作った大根の明太子載せは好評でした。




2.場所の勝利

「戦の勝敗は、どこで戦うかを選ぶ時点で大方決している」とは、どっかの偉い武将だか軍人だかが言った内容だっけか。『孫子』だったかなぁと思ったけれども、どうもそうではないらしい。それはともかく。

東京(府中)競馬場内。
まみやん旦那が陣を張ったその場所は、RAN屋外イヴェント史上でも最強クラスと言っても過言ではない立地でした。
真ん中にどっしりとテーブルが置かれ、その周囲を参加人数分がほぼピタリと収納可能なベンチで囲んだ理想的な宴会空間。
しかも屋根付きで多少の雨にも耐える環境(結果的に雨は降らなかったが)。
当日朝早めに動いてこの場所を“獲った”。
これが今回の宴を成功に導いた決定的な要因のひとつでした。
桜の時期が過ぎていたとはいえ、これはまみやん夫妻の大金星です。



とはいえ、これは当日偶然見つけたというものでは決してありません。
代表はまみやん夫妻より会場の件で何度か報告を受けているのですが、

「雨が降ったらここが良いのでは」
「晴れていても風が強ければここも候補に」
「天気が良ければここが」
「子供が遊びたいとき遊具はここに」

etc・・・様々なケースを想定して入念に何度も下調べをして頂きました。

さらにまみやん夫妻は、食料が尽きた時にどこに行けばどのようなメシが調達可能かまで事細かに調べておられました。
今回陣を張った場所は、徒歩10分圏内でいくつかのフードチェーンにアクセス可能な場所でもあったのです。

「戦の勝敗は兵站補給の是非によって半ば決せられる」ことは、多くの戦史が証明する通り。
イヴェントは戦ではないけれども、「常に想定外のケースを考えて次の手を打てる状況を確保しておく」は、いろんなことにおいて大事だと再認識させられました。
まみやん夫妻、本当にありがとうございました。お二人は立派な幹事です!

余談ですがこの場所、桜の時期としては時期外れでしたが、モミジがすぐそばにあり、紅葉の時期に来たらさぞ美しかろうと思われます。
秋もここでやるかは未定ですが、リクエスト多ければ考えるかも知れません(ただ東京の紅葉はここ近年遅いからなぁ・・・)。


3.実際の展開

今回春の宴を始めるにあたって、まずすべてのリソース(資源)を可視化することから始めました。
すなわち、持ち寄ったものすべてをテーブルの上に一度並べて頂きました。
これは前回の宴で「食材を持ってきたのに結局調理もされず最後には捨てられてしまった」ケースがあったことに対する反省から、その二の舞を防ぐためです。



これにより、例えば「その場で食べないとヤヴァいもの」(寿司とか生ものとか)と、「今日食べず持ち帰っても構わないもの」とがひと目で分かり、「これを優先して食べてください!」みたいな誘導が容易にできました。
これまでだとどうしても「誰が何をどれだけ持ってきたのか」が不明確で、結果的に無駄になってしまっていたものが結構あったんじゃないかと思います。
これは今後のイヴェントにも活かせることでしょう。

また今回は会場の性質上、全員が可視範囲におり、これがメンバー個々人の暴走や飲み過ぎなどを防ぐことに繋がっていたと思います。
忘年会の時にも意識的にやったことだけど、「範囲を広げすぎない」ということ。
これが決定的に大事!
範囲を広げすぎると、どんな幹事がいても端から端まで行われていることに目を届かせるなんて不可能です。
そして事件は大体、目の届かないところで起こるものです。
実際、今回はみんながテーブルを囲んで飲み食い出来、参加者満足度は高かったと思われます。

そして撤収。確か17時までに出なきゃいけなかったので、16時半前くらいからボチボチ始めた記憶がありますが、残り物がすべて明確だったため、プレゼント大会でスムーズに処理し、かつてないくらいスムーズに撤収することができました。
開始から撤収まですべてがスムーズに進んだのは、幹事や代表だけでなく参加者の皆様が協力して事に当たって下さったからだと思っています。
この場を借りて皆様に御礼申し上げます。本当にありがとうございました。




4.今後への教訓

ところで、今回のイヴェントは「持ち込みのみ!」「火器厳禁!」「会費レス!」のコンセプトを掲げてこれを敢行したわけですが、それはこれまでたくみ氏が貫いてきた「野外調理系イヴェント」のスタンスにある意味で反旗を翻すものでもありました。
それゆえ、代表としては今回の宴をやるにあたって非常に大きな葛藤があったことをここで告白しておきます。
正直、まみやん夫妻が声をあげてくれなかったら、春の宴は開催しなかったかもしれません。

今回、このコンセプトで成功したから、もう野外料理系はやらないのか?

そんな風に思う方もおられるかも知れません。
何よりこれまで春の宴を行なってきたたくみ氏が最も戦々恐々としていることでしょう。

なので、ハッキリとここで明文化しておきます。
たくみ氏の野外料理系は、それはそれで行なうべき価値のあるイヴェントの形です。
いつかまた彼には幹事をやってもらい、最も彼らしい形でたくみズム(いま命名)全開のイヴェントを展開してほしいと本気で思っています。
名指しで言っちゃってるけど、代表の偽らざる本音として。

ただ、闇鍋探見隊の頃から鑑みると、我々を取り巻く状況は大きく変わっているのも事実。
みんな社会人として忙しくなり、準備にそこまで時間を避けません。
そして東京都はバーベキューできる場所の使用時間を16時完全撤収にて制度化し、イヴェントする場所も追われています。
このような状況下で主催者側に求められる負担は会を重ねる毎に大きくなり(金銭的にも運営的にも)、参加者各位に対するルールの適正化もままならず、宴はどこまでも混沌化する。
我々が求めてきたイヴェントの方法論がどこかで制度疲労を起こしていたことは認めざるを得ない事実だと思います。

だから今回、一度ゼロリセットする必要がありました。
敢えて言うけど、確信犯的に推進しました。
それによって、我々が見落としていたものが見えてくる可能性に賭けていたのです。

今回、イヴェントの方向性は違えども、数々の教訓が得られたと思います。
そしてそれらの多くは、野外料理系にステージを移したとしても活かすことができるのではないでしょうか?

次回いつやるのか、どうなるのか、誰が幹事をやるのかはまだ分かりませんが、どうせやるなら前を向いて進みましょう!
大切なのはこれからです。良い経験も悪い経験も、活かして次に役立てましょう。
あぁ何か会社の朝礼みたいな文章だ!(笑)

(了)

2014.4/29 RAN代表 久保田裕之