2014/8/10更新
・ペダル・チェンバロの披露演奏会は全て終了しました。 チラシpdfはこちら
5月6日ギャラリーかぐやでの演奏会はおかげさまで満席になりました。
5月9日市ヶ谷ルーテルホールでの演奏会も満席ご好評のうちに終了しました。
5月11日の聖グレゴリオの家での催しも終了しました。ご来場ありがとうございました。
「ペダル・チェンバロ」とは、足で演奏するペダル鍵盤がついたチェンバロ。オルガンのために書かれた曲を弾く可能性が広がります。普通は、床に置いた大きな足鍵盤式低音チェンバロの上にもう一台の普通のチェンバロを載せる、巨大な複合楽器になります。調律もたいへん。一方、手鍵盤の低音域を紐で引き下ろす簡易な「プルダウン・ペダル」方式があります。こちらは練習用に作られたもので、楽器としてのおもしろさを期待できるものではありません。
このたび完成した楽器は、全く新しい形のもので、ひとつのチェンバロのなかに16フィートのペダル音域まですべてを組み込み、オクターブカプラー内蔵のプッシュアップ式トラッカーを備えたスマートなペダル・チェンバロです。コンパクトながら、プレーノ(総奏)でペダルから鳴り響くのは16フィート×2、8フィート×3、4フィート×1の圧倒的なサウンドです。
新型ペダル・チェンバロ製作記念・披露演奏会
ペダル・チェンバロで聴くオルガン音楽
演奏
大塚直哉 菅 哲也
演奏曲目
J.S,バッハ 前奏曲 ト長調
前奏曲とフーガ イ短調 幻想曲 ハ短調
トリオ・ソナタ ニ短調 トッカータとフーガ ニ短調
”目覚めよと呼ぶ声あり” ”主イエス・キリストよ、われ汝を呼ぶ”
D.ブクステフーデ 前奏曲 ハ長調
パッサカリア ニ短調
ほか予定
日時:5月9日 金曜日 午後7時開演
場所: ルーテル市ヶ谷ホール
入場料 前売り1000円 当日2000円
お問合わせ: お申し込み 横田 e-mail
オッタヴィーノ・アルピコルド
ルネッサンス〜初期バロックのアンサンブルに気軽に使える鍵盤楽器が欲しい方へ…。担いで持っていける、使えるオッタヴィーノ・アルピコルド、貸出可能です。
どこの楽器博物館に行っても、たいてい見られる、小型のかわいいスピネットは、普通より1オクターヴ高く調律され、オッタヴィーノあるいは4フィートヴァージナル、スピネッティーノなどと呼ばれています。かわいらしい甲高い音色でソロ曲を演奏すると、面白いのですが、おもちゃじみていて、従来はあまり真面目には考えられてきませんでした。鍵盤音域はショートオクターヴでCからc3の45鍵が圧倒的多数です。
製作した楽器は、ショートオクターヴではなくクロマティックで、実音cからa3までの46鍵という他に例を見ない音域です。(415と440シフト可能です。) 低音部をクロマティックにした理由は、オクターヴ下げた運指での8フィートの通奏低音がやりやすいことを重視したからです。アンサンブルで低音弦楽器などが加われば、運搬簡単な小さな楽器にもかかわらず、普通の響きの通奏低音が可能です。もちろん4フィートで演奏すればカリッとした明るい、マンドリン的な伴奏がルネッサンスから初期バロックの音楽に新鮮な響きをもたらすでしょう。
貸出可能です。楽しい企画をお待ちしています。
エンハーモニックチェンバロ
エンハーモニック鍵盤とは…
鍵盤の黒鍵の音で、例えばミ♭とレ♯、ソ♯とラ♭等は「エンハーモニック」といって、普通は(12平均律や不等分調律法では)、ひとつの音で「異名同音」として兼用しているのですが、バロック時代前半に一般的であった「中全音調律」(=ミーントーン)ではそれぞれ高さの異なる♯と♭の音が必要になります。ですから、オクターブに12音の普通の鍵盤では、黒鍵をそれぞれ、♯か♭か、どちらかひとつだけを選んで調律するしかありません。この時代の普通の曲ではそれで充分間にあうのです。
ところが、オペラなどの合奏曲の演奏では、一続きの曲の中でどうしても両方の音が必要な場合がでてきます。そこで、黒鍵を前後に2分割して、それぞれをミ♭とレ♯、ソ♯とラ♭に調律する「エンハーモニック鍵盤」(=分割鍵盤)が必要になるのです。
ではオクターブにいったいいくつの鍵盤があればいいのでしょうか。原理的には、それぞれ高さの異なる♯♭、ダブル♯やダブル♭、さらには3重の♯♭…というのも必要になりえます。とはいえ調号が3重につくと音高の逆転が起きてしまい鍵盤が成立しません。ボローニャの博物館に現存するトラズンティーノ作(1606年ヴェネチア製)の「クラヴェムジクム・オムニトヌム」という名前のチェンバロは実にオクターブに31音の鍵盤を持っていて、これはソ♭♭から(5度上行を重ねて)ラ♯♯までの、すべての♯、♭、ダブル♯、ダブル♭に対応しているのです。黒鍵はすべて4分割、さらにミとファ、シとドの間にも2つずつの黒鍵があり、ほとんどタイプライター状態です。
普通の♯♭の範囲では、ファ♭からシ♯まで21の音があるのですが、黒鍵はすべて2分割、さらにミとファ、シとドの間にも2つずつの黒鍵が必要です。実際にはソ♭からシ♯までの19音(ミとファ、シとドの間に1つずつの黒鍵。)という「チェンバロ・クロマティコ」の実例があります。
今回作った鍵盤は、演奏現場でしばしば必要にせまられるラ♭からレ♯までの14音で、ミ♭とレ♯、ソ♯とラ♭の部分のみが分割されたものです。また低音部はショートオクターブで分割オクターブになっています。実際の演奏に使いやすいように、この手の楽器としては異例なことですが、8フィート2列を持ち、ピッチも415、440にシフト可能です。
こちらも貸出可能、楽しい企画をお待ちしています。
バグパイプ最高!= 持続低音の魅力
子供の時にスコットランドのバグパイプ隊を生で聴いて以来あこがれていたバグパイプ…。
2004年6月、近藤治夫氏製作の「中世バグパイプ」を入手しました。 デパートのイベントを手始めに、小学校、幼稚園、10万人が参加する東松山のスリーデー・マーチ。3日間で40キロ以上、時々演奏しながら歩きました。静かな郊外の自然の中では100メートル離れても聴こえる快感の大音量が魅力です。童謡唱歌にはじまり中世ルネッサンスやハイランドパイプの曲も練習中。演奏可能曲目リストは現在なんと300曲を越えました!
2007年5月、2本目の近藤パイプ、「ブリューゲルパイプ」が完成。音量はすこし抑えられた美しい音色、ハーフクローズドフィンガリングによるデリケートなテクニックにも答えてくれる。そのうえ中世タイプでは出せなかった半音も3つ付け加わったので、短調系の曲も可能になるなど、いちランク上の音楽性が魅力です。こちらも07年7月8日大好評のうちにデビューをはたしました。絶好調です。
2009年7月、ドイツの薗田徹工房製の「ガイタ・ガレガ」、つまりスペインガリシア風バグパイプを入手しました。最近人気が高いらしいガイタ・ガレガは、合理的な設計により現代的な要求によくこたえたバグパイプでとにかく使いやすい。最近はデイサービスでのミニ演奏会が大好評、大活躍です。
バグパイプ演奏ボランティアができます。唱歌、童謡のメドレーは幼稚園、福祉施設、公園などの催しに最適。合唱愛好家の皆さんドローンで歌ってみませんか。お問い合わせはこちらのページからどうぞ。