「自然海岸」の旅メインページへ / スペイン「自然海岸」の旅トップページへ / リンクPart 2へ/

ガタ岬:スペイン最南東端をめざして・・・

Cabo de Gata (Part 1)

 

 

gata01
サンホセ


gata02
サンホセ
観光案内所(兼売店)

おことわり
 03年2月にこの地を訪れられた河合大輔さんによると、以下の文章の中でCALATOが推測しているビーチの名前には若干取り違えがあるようです。何しろ目印になる建物も看板も何もない所なので・・・。私の当初の印象を生かすためあえて本文は訂正してませんので、これを参考に現地に行かれる方はご注意下さい。

 

 

 

端っこ、隅っこが好きな体質の私は、スペイン地図の右下隅を目指すべくスペイン最南東の都市アルメリアにたどり着き、観光案内所で「ガタ岬・ニハール自然公園」の観光地図を入手して、その地域へのアクセスには日に2、3便のバスを利用してサンホセという町まで行くのが最適だということがわかりました。

 バスがアルメリアの市街地を出てしばらくすると、何にもない荒野のまっただ中。このあたりはスペイン国中で最も雨量の少ない地域で、わずかばかりの緑の潅木のほかは、赤茶けた岩と土の丘と起伏のある大地がどこまでも広がっています。その異様な風景を見るのは心臓の鼓動が早まってくるほどの感動なのですが、初めて見た、というよりそれが何か既視感のようなものであるわけは、後でガイドブックを読んでわかりました。この地方ではかつてイタリアやアメリカの数々の古典的西部劇映画のロケが行われていたのです。

 1時間ほどバスに揺られた後到着したサンホセの町は地中海に面した町というより小さな村、リゾートタウンとしての発展の端緒についたばかり、といった感じで、建築中のリゾートアパートをそこかしこに見かけます。

 リゾートホテルは高そうだから安宿を探そうと思い、立ち寄ったカフェで教えてくれた所へ行ってみると、「今は2月でシーズンオフだから営業していない」とのこと、結局バス停の前あった小ぎれいなオスタルに戻って値段を聞いてみたら、海に面して静かな冷暖房完備のツインの部屋を、一泊たったの約2500円で借りることが出来ました。夏場のシーズンにはこれより数千円高くなるということですが。

 

gata03サンホセ
こんな出会いも・・・

 

さて、縮尺率の高い地図ではスペイン最南東端は一ヶ所しかないように見えますが、実際には小さな岬がたくさん入り組んでいて、どこが最南東であるかは一概に特定できません。厳密に言えばガタ岬(Cabo de Gata=猫岬)とい名の地点そのものはここから南東にかなり遠く、歩いて日帰りはほぼ不可能な場所ですのでそこまで行くのはあきらめて、このサンホセから海沿いに南へ行けばいくつも続いている南東に突き出た岬のうちの2つ3つを目指すことにしました。そしてそれらの岬に挟まれた入り江にはいくつか公式にNaturistビーチとされているところがあるはずなのです。

 困ったことには手元にある地図がどれもあいまいで、アルメリアの観光案内所、ここサンホセの観光案内所、インターネット上から入手した地図それぞれで地名の位置や表記が、ときには道の位置さえ少しづつ異なっているのです。

 

 

 

gata04モンスル・ビーチ

 

gata05
メディアルナ・ビーチ近くの荒野

 

gata06
メディアルナ・ビーチ(?)

 

とにかく出発、サンホセ唯一のメインストリートはすぐに海に突き当たりますが、ここを右に曲がり、青い海をバックにした白い別荘が建ち並ぶ地区を過ぎるとその先は潅木とわずかな草やサボテンが生えているのみの赤茶けた大地が広がっています。とにかく今日はできる限り南を目指そう、ということで左手にいくつもの岬や入り江を見て通り過ぎ、この辺りで唯一車の通行可能な道幅の、気の遠くなるほどずっと先まで続く石ころだらけの一本道をひたすら進みました。

 360°見渡すかぎり人っ子一人見当たらない荒野ですが、ごくたまに車や、ジョギングする人(ジョギングというより、その体格とスピードからするとたぶんマラソンランナーのトレーニングです。この練習環境からしてスペインのマラソンのレベルが高いことに納得)が走り過ぎていきます。静寂の中を鈍い鈴のような音の重なりがかすかに聞こえてきました。響きが徐々に徐々に大きくなってくるのに目をこらしてみると、羊飼いの老人が七、八十匹の山羊や羊を従えてゆっくりと歩いて来ます。

一時間半ほど歩き続けた所で、左手に「モンスル・ビーチ」と書かれた立て札があり、やっと現在地が特定できました。ヌーディストビーチとされているところですが、立て札にはなんらそのような表記はありません。キャンプ可能な駐車スペースと水場があり、6、7台のキャンピングカーが停まっています。そこをぬけるとすぐにビーチ。砂浜の真ん中に大きな岩の突き出た静かな海岸には数人の人影が見えますが、もう夕方近く少し肌寒くなってきているからでしょうか、みんな服を着ています。

 このビーチで一休みした後、さらに南を目指して40分ほど歩くと、一本道は車止めに突き当たります。ここから海に向かって山道を下っていくと小さな美しいビーチに出ることができました。たぶんここがメディアルナ(半月)ビーチという名の、ヌーディストビーチでもある所だと思われます。砂浜にはいくつもの足跡はあるものの、だれ一人いません。海に突き出た大きな岩が西に傾いた日の光をさながら月光のような色に照り返し、寄せては返す波の音だけが静かに繰り返されます。少し肌寒いのも忘れて、私は自然と服を脱ぎ、私の体も同じ色に染められてゆくのを感じていました。

 あまり時を忘れているわけにもいきません。宿に戻るには今来た道を引き返さなければならないのですから。だんだんと薄暗くなっていく大気に包まれながら、服を着た私は帰途を急ぎました。

Part 2 へ続く>

このページのトップへ]

to SPAIN TOPto MAIN

Viaje por las Playas Naturistas

to SPAIN TOPto SPAIN TOPto SPAIN TOPto MAINto MAINto MAIN