イアン・マクレガンの
リアル・ロックンロール・ライフ!
インタビューの原文は雑誌「 Discoveries」第135号(1999年8月号)に掲載されたものです。
翻訳:むさしさん(夜明けの口笛吹き)、編集:Hazex
@【再評価だよマクレガン】
時代がめぐり、別に古いロックすべてがゴミじゃないと理解されるようになりました。数年前は、「ペット・サウンズ」ボックスのおかげでビーチボーイズが再評価され、そして今年はスモール・フェイセズです。イギリスではキャッスル・コミュニケーションズがイミーディエットの音源を再発し始め、後のロックに強い影響を残した「オグデンス・ナット・ゴーン・フレイク/Ogden's
Nut Gone Flake*1」 と 「オータム・ストーン/Autumn
Stone*2」 のほか、スモール・フェイセズのイミーディエット時代のシングルを集めたボックスまで、いずれもこぎれいなパッケージでリリースされています。*3
もちろんこの再発の問題はといえば、当時あのアンドリュー・ルーグ・オールダムが主宰していたイミーディエットから、スモール・フェイセズは一銭も支払われていないということです。ただ、彼らはこの手の問題には慣れっこになっています。というのもイミーディエットの前に所属していたレコード会社のデッカから印税の支払いを受けるのに、実に長い年月待たされたからです。当時の他の若手のバンドと同じく、彼らもいい様に巻き上げられていたのです。いずれにせよ、バンドの2人のメンバー、スティーヴ・マリオットとロニー・レインにとっては、今となっては遅すぎた話ではありますが。
しかしイアン・マクレガン(以下マック)の場合は遅くはありません。マックはまだ現役でばりばりで(スモール・フェイセズのドラマーだったケニー・ジョーンズも現役で、現在は「オグデン・・」のアニメ映画の制作に携わっています。*4)、最新アルバム「ベスト・オブ・ブリティッシュ/Best
of British*5」リリースと自伝「オール・ザ・レイジ/All
the Rage*6」を出版し、まさに絶好調。それに加えてビリー・ブラッグのサポートメンバーとして、世界中を回っています。
今50代半ばになったマックは、気さくで魅力的、そして気の効いた笑いを絶やさない実に活動的な男です。ここで、マックの自伝と同じ内容を扱って、同じエピソードを焼き直し、同じ人物のことを語れば楽でしょうが、それはやめておきます。なぜかって?彼のホームページ(http://www.macspages.com)に行けば、自伝の抜粋を読んで、さらには彼から直接購入することができるからです。郵便ポストに投函する前に、彼はサインまで付けてくれるのです。そしてまもなく内容を一部書き足したペーパーバック版も発売になる予定で、こちらが売れるのもマックはお望みのはず。ただ、地元の本屋で探すのはやめた方がいいでしょう。この自伝はアメリカでは発売されていないからです―少なくとも、今のところは。閉鎖的な出版界ではイアンマクレガンの存在が知られていないようです。もちろん彼らが損しているに違いないのですが。 |
*1Small Faces, Ogden's Nut Gone Flake (Remastered)
Castle ESMCD477 1998年10月15日イギリス発売
*2Small Faces, Autumn Stone (Remastered)
Castle ESMCD478 1998年10月30日イギリス発売
*3Small Faces, The Singles Collection (6-CD
box set) Castle ESBCD725 1998年3月19日イギリス発売
*4現在進行中の映画の計画では、ピート・タウンゼントが新たに作曲で協力するほか、ハッピー・スタンの声優としてコックニー訛りのフィル・コリンズが出演するとの話。
*5Ian McLagan & Bump Band, Best of British
Maniac 1999年6月1日アメリカ発売
*6Ian McLagan, All the Rage Sidgwick
& Jackson 1998年11月20日イギリス発売
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