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【韓非子に学ぶ組織運営術 その十】

1.滅亡への道(1)

『およそ人主の、国は小にして家は大、権は軽くして臣の重き者は、亡ぶべきなり。法禁をゆるがせにして謀慮を務め、封内を荒らして交援を恃(たの)む者は、亡ぶべきなり。群臣は学をおさめ門子(もんし)は弁を好み、商賈(しょうこ)は外に積みて小民は仗(じょう)をとうとぶ者は、亡ぶべきなり。』

 

(訳) およそ人の君主として、その国が小さいのに大臣の家は大きく、権力は弱いのに臣下が力を持っているのなら、その国は滅びるであろう。法律による禁制をゆるがせにして謀略につとめ、国内の政治が乱れたままで外国の援助を頼るのなら、その国は滅びるであろう。臣下たちが無用の学問を修め一族子弟が弁説を好み、商人が脱税で蓄財し、庶民が私闘を重んじるのなら、その国は滅びるであろう。

 

 組織財政が貧弱であるのに、幹部個人財産を大きくしたり、経営者権限が不安定な状況で部下権限を強めていけば、組織は滅びていくでしょう。

 組織ルールをないがしろにして、謀略をめぐらし、組織が統治されない状況で取引先や銀行の支援を求めるなら、組織は滅びていくでしょう。

 部下が不毛な議論に明け暮れ、末端の者たちの争いが絶えず、経営者が不正に蓄財するようなら、組織は滅びていくでしょう。

 

2.滅亡への道(2)

『宮室台陂池(たいしゃひち)を好み、車服器玩好(がんごう)を事とし、百姓を罷露(ひろ)せしめ貨財を煎靡(せんび)する者は、亡ぶべきなり。聴くに爵(しゃく)をもってして、参験を待たず、一人を用いて門戸となす者は、亡ぶべきなり。官職は重によりて求むべく、爵禄(しゃくろく)は貨によりて得べき者は、亡ぶべきなり。』

 

(訳) 君主が宮殿や高台や庭の池を好み、車馬・服飾・器物・愛玩物にこって、民衆を疲弊させ、財貨を使いはたすのなら、その国は滅びるであろう。君主が意見を聞くのに相手の地位によったり、事実の裏付けをとらずに、一人の臣下の意見だけを採用するのなら、その国は滅びるであろう。官職が重臣の口添えで得られ、地位や報酬が賄賂によって得られるのなら、その国は滅びるであろう。

 

 不必要に社屋を立派にし、不必要に高価な車や服装や調度品にこだわり、組織財政を悪化させ、従業員疲弊させるなら、組織は滅びていくでしょう。

 経営者が部下意見を聞く場合に、その部下の役職によって聞いたり聞かなかったりしたり、事実の裏付けをとらずに、特定の親しい部下の意見だけを採用するのなら、組織は滅びていくでしょう。

 役職が特定の権限者に取り入らないと得られず、出世報酬賄賂によって得られるようなら、組織は滅びていくでしょう。

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