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【韓非子に学ぶ組織運営術 その九】

1.ルールをわきまえた部下

『それ有術者の人臣たるや、度数の言をいたし、上は主の法を明らかにし、下は姦臣(かんしん)をくるしめ、もって主を尊くし国を安んずる者なり。これをもって度数の言、前にいたすを得ば、すなわち賞罰必ず後に用いられる。人主まことに聖人の術に明らかにして、世俗の言にいやしくもせず、名実にしたがいて是非を定め、参験によりて言辞(げんじ)を審(つまび)らかにす。』

 

(訳) そもそも法術をわきまえた者が臣下になると、にかなった確かな言葉を進言して、上の者は主君の定めた法を明らかにし、下の者は邪悪な臣下を責めたて、それによって君主の地位を尊厳にして、国家を安泰にするものである。そこで、まず、法にかなった言葉を進言することが許されれば、その後では必ず賞罰が行われることになる。かくて、君主ははたして聖人の定めた法術をよく理解し、世俗の意見に振り回されることもなくなり、名目実際とをつき合わせてことの是非を決して、事例を比べ合わせて臣下の言葉を見分けるのである。

 

 部下組織ルールをわきまえて規律ある言動をするならば、上の者は、権限悪用することができなくなります。そのためには、部下が、ルールを守る限り自由発言できる環境を作る必要があるでしょう。

 そうすれば、上司は、世俗的な欲に振り回されて、権力を乱用することもなくなり、組織のルールを、実際の現場において規定通り運用できるようになるでしょう。

 組織を安定させるために、経営者は、ルール作成見直しと正しい運用を心がけ、全ての社員が規律ある行動をとれるよう組織作りをしていく必要があるのでしょう。

 

2.最高の功績

『その国を治るや、明法を正し、厳刑をつらね、まさにもって群生の乱を救い、天下の禍を去らんとす。強をして弱をしのがず、衆をして寡を暴せず、耆老(きろう)をして遂ぐるを得、幼孤をして長ずるを得、辺境をして侵されず、君臣をして相い親しみ、父子をして相い保ち、死亡係虜の患い無からしむ。これまた功の至厚なるものなり。』

 

(訳) 聖人が国を治めるときは、明確なを定めて厳しい刑罰を設け、それによって万民の混乱を救って天下の災いを除こうとする。強い者が弱い者をいじめず、大勢が小勢に乱暴せず、老人は安楽に生き長らえ、幼い孤児は無事に成長し、辺境は侵害されず、君主と臣下が親しみ合い、親子が支え合って、争いごとで命を落としたり捕らわれたりする心配もなくなる。これこそが、最高の功績である。

 

 経営者が様々なルール明確にし組織マネジメントする目的はなにか。それは、仲間同士で争わず、上の者が下の者を虐げず、大勢の者が少数の者を疎外せず、先輩を尊敬し、後輩を成長させ、上司と部下が信頼し支え合って、安心して仕事を続けられる組織にして、事業を通じて社会貢献することでしょう。

 このことが実現できれば、経営者にとって最高の功績といえるのでしょう。

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