business forum kobe 21
トップページ >月刊コラム 【日経平均最高値】

【日経平均最高値】

 

 先日2月22日の東京株式市場で日経平均株価が34年ぶりに史上最高値を更新しました。終値は前日比836円高の3万9098円でした。バブル期の1989年12月29日につけたこれまでの最高値3万8915円を上回りました。日本の脱デフレが注目され、海外投資家が日本株を積極的に投資する動きが広がっています。米国と対立する中国を避け、日本に投資マネーが向かう流れもあります。1月からスタートした新NISAが株価底上げにつながるとの期待感も株高を後押ししているとも言われています。

 マスメディアの論調は楽観論が大勢を占めているようです。確かに34年前とは、状況が全く違うので、バブル期の高値を超えたからといって単純に今の株価が高すぎると断ずることはできないでしょう。しかし、株高=善、株安=悪を前提として、後づけの理屈で株高を正当化する情報が喧伝されているようにも思え、違和感を感じるところもあります。

 相場の世界では、一部の力ある者たちがその他大勢の人々からパイを奪うのが常です。現在の日本の株式市場では、海外投資家が約3割の株式を保有し、売買代金の約7割を占めていると言われています。また、日本銀行が時価総額の約7%を保有し日本企業の最大の株主と言われています。マスメディアに流れる情報が誰を益するための情報であるのか、冷静に見極める必要があるでしょう。

 「人の行く裏に道あり花の山」という格言があります。皆が買うから買う皆が売るから売るといった人と同じ行動をとっていたのでは、本当のチャンスをつかむことはできません。人の行かない道を主体的に歩んでこそ成功の道がひらけることに気づいて、国民一人一人が、熱狂する株式市場に踊らされることなく、自らとるべき行動を自らの意志で正しく決断することが、日本経済を支えるになるのではないでしょうか。

2024.03.01

月刊コラムのトップページへ
トップページへ
copyright (c) 2006 business forum kobe21 all rights reserved.