「雲は龍に従い、風は虎に従う」ということわざがあります。「徳のある君主には必ず賢明な臣下がつき従う」ということのたとえに使われます。
三国志の中で、漢の再興のために立ち上がった人望厚き劉備玄徳に才知ある諸葛孔明がつき従ったように、人徳あるリーダーのもとには才能ある者が集まり、そのリーダーを支えるのでしょう。
また、菜根譚にも「徳は才の主、才は徳の奴なり」とあります。「人格は才能の主人で才能は人格の召使いに過ぎない」という意味です。
リーダーにいくら才能があっても人格が伴っていなければ、その才能は正しく用いられず、社会に害悪を及ぼすことすらあります。一方、リーダーに才能がなくても人徳が備わっていれば、才能ある多くの人々を従えて立派な事業を成し遂げることもできるのです。
リーダーは、才能は他人の代替(だいがえ)が利いても人格は他人の代替が利かないことを強く自覚して、自らの人格的成長を最優先課題とすべきではないでしょうか。
辰年の新年にあたり、天高く登る龍のように高い志をもって人々を引っ張っていける人格のあるリーダーが増えることを願ってやみません。
2024.01.01
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