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【晴耕雨読】

 

 「晴耕雨読」という言葉があります。「晴れた日は、田畑を耕作し、雨の日は、家で読書にいそしむ」という意味で、田舎での悠々自適の隠居生活を指す意味でよく用いられます。

 雨の日に耕作をしても効率が悪く、畝が崩れる恐れもあり、泥はねで作物を傷めたりしてしまいます。そんな雨の日に、生産性を高めるために、あるいは自己を磨くために、学問にいそしめば、晴れの日の耕作もより充実したものになるでしょう。晴耕雨読は本来、合理的な生活スタイルのように思えます。

 現代社会は、天候に関係なく一律に社会を回していく必要があるため、人々は半ば強制的に社会構造に組込まれて、毎日、同じ活動を強いられているかのようです。その結果、仕事や人間関係のストレスに煩わされる窮屈な生き方になってしまっているのでしょうか。

 だから、人は、自然に逆らわず、自然に身を任せてゆったり暮らす晴耕雨読な生活を理想として見るのかもしれません。コロナ禍でテレワークが普及し、在宅勤務・ノマドワーク・ワーケーション・地方移住など新たな生活スタイルが出てきているのも、その現れなのでしょうか。

 長雨の季節にあたり、人が真に豊かになるために、生活の中で、いかに自然と向き合うべきかに思いをいたらせる今日この頃です。

2023.06.01

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