昨年11月に公開された対話型生成ＡＩの”チャットＧＰＴ”が世界的なブームになっています。チャットＧＰＴはアクティブユーザー数が1億人に到達するのにかかった時間が、ティックトックとインスタグラムがそれぞれ9カ月と2年半であったのに対して2カ月と史上最速であったとの分析もあります。社会に大きな影響を及ぼす可能性から、ニュースにならない日がないほどの大きな話題を呼んでいます。

  対話型生成ＡＩは、ユーザーからの問合せに対して、ビッグデータを利用して、人間に近い自然な応答を生成することができるため、ビジネスや教育の現場においても、情報収集、情報分析、メール文章・案内文書・提案書・契約書・議事録等の文書作成、書類の翻訳、申請書の審査、カスタマーサポート、教育支援、サービスのロボット化などなど、様々な業務での活用が期待されています。

　一方で、個人情報の保護などの倫理的な問題、誤情報の拡散の危険性、正確性や信頼性の確保などなど、トラブルが発生しないために解決すべき課題も多々あると思われます。

　人類の歴史の中で革新的技術は、いつも両刃の剣となって、大きな恩恵と裏腹に大きな弊害も生んできました。ＡＩが人間から仕事を奪ったり、人間の知能を超えて人間を支配したりすることを危惧する声もあります。

　しかし、人類の進化と社会の発展のためにも、とめることのできない科学技術の進歩の中核となる情報インフラとしてのＡＩが人間と共存していけるよう、世界中の人々が叡知を結集させていく必要があるのではないでしょうか。

２０２３.０５.０１