日産自動車の無資格検査、神戸製鋼所の品質データ改ざんと日本を代表する大企業の不正が立て続けに発覚しました。二社とも、その発覚後も不正が続けられたことが判明し、不正が常態化していた実態が明るみに出ました。日産自動車のリコールは約120万台にも膨れあがり、神戸製鋼所は一部製品のJIS認定が取り消されるなど、あまりにも大きな代償を払わされることになりました。
過去においても、数々の大企業が不祥事を起こし、その度に存亡の危機に立たされてきたにもかかわらず、なぜこうも繰り返されるのでしょうか。
企業にコンプライアンスが強く要求されるようになって久しくなりますが、形式的には要求レベルに達しているように見えても馴れ合い文化から脱却できない日本企業の現実があったのではないでしょうか。
ドラッカーの言葉に「社会や経済は、いかなる企業をも一夜にして消滅させる力を持つ。企業は、社会や経済の許しがあって存在しているのである。」とあります。
企業が社会に与える影響が大きくなればなるほど、企業はその影響に対してより大きな社会的責任を背負っていかなければ、社会は企業の存在意義を奪ってしまいかねないことを、経営者は強く自覚しなければならないのではないでしょうか。
2017.11.01
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