大王製紙の井川意高前会長が会社法違反(特別背任)容疑で逮捕されました。子会社から100億円超の借入をして、マカオとシンガポールのカジノで使ったそうです。巨大企業を私物化した、常識ではとても考えられない話です。
大王製紙はエリエール・ティッシュで馴染み深い上場企業ですが、創業家の井川家が支配する同族企業であり、井川親子に絶対服従の企業風土が前会長の暴走を許した背景になっていると指摘されています。
「会社は誰のものか」というテーマを改めて突きつけられたような気がします。会社は株主が所有するものであると同時に、社会的には様々な利害関係者のものであります。人々に必要なモノ・サービスを提供し続けるという意味では、お客様のものであり、働く者の生活の安定を支えるという意味では、従業員のものであり、活動により地域に影響を与え、納税等を通じて相互扶助をするという意味では、社会のものであり、その他様々な利害関係者に様々な存在意義を与えられて、初めて存在できるのではないでしょうか。
日本の全企業の約95%が同族企業といわれていますが、経営者が会社を私物と見るのではなく、公器として社会的使命を自覚して経営できる企業風土が広く広がることを、切に願う今日この頃です。