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【五倫】
 現実は小説より奇なり、と思わせるような忌まわしいニュースが、連日報道されています。親が子を殺したり、子が親を殺したり、夫が妻を殺したり、妻が夫を殺したり、兄が妹を殺したり等々・・・、現実とは思えないような事件が頻発しています。
 物質的な豊かさや、責任なき自由主義・個人主義的な風潮が、人間関係をつなぐ精神力の脆弱化を招いているのでしょうか・・・。
 中国の古典、孟子の言葉に「父子親あり、君臣義あり、夫婦別あり、長幼序あり、朋友信あり」という教えがあります。「親子の間には親愛、上司部下の間には義理、男女の間には区別、年配弱年の間には順序、朋友の間には信頼という、それぞれの道徳がある」という意味で、五倫と呼ばれて、人間関係を築くための徳目として受け継がれています。
 人は人との関わりの中でしか生きていけないにもかかわらず、人間関係を築くための知恵を学ぶ機会が減っているような気がしてなりません。
 幾多の時代を乗り越え受け継がれてきた先人の不朽の知恵から、人として生きていくための道理を学べるような環境を、教育の場にも、実社会の場にも作ることで、モラルの向上が少しでも図れるのではないかと思う今日この頃です。

(2007.06.01)

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