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「書くこと」と「書かないこと」の選択
 ここでは、ビジネス文書の要となる「説明」部分の作成方法について解説していきます。ビジネス文書は、できる限りシンプルに仕上げることが肝要。「説明」の作成では、書くべき要素を取りこぼさないことと同じくらい、趣旨から外れた事柄を省略することが重要になってきます。
具体的なケース 〜 販売促進部・○山さんの場合
 下記のような、具体的ケースを想定してみましょう。

 「取り引き先A社・□川部長に商品宣伝の件で相談したところ、イベント企業・B社を紹介してもらった。後日、B社主催の展示会へ出展した。来場者も多く商品への反響も大きかった。」

 ○山さんは、以下の事柄を書き出し、□川部長宛ての礼状を作成しようとしています。

  1. 展示会への参加が成功であったこと
  2. B社の×川課長に、様々なアドバイスをもらった
  3. 会期は3日間で、全て雨が降った
  4. パンフレット5千部を配布した
  5. 商品Aについて20件、商品Bについて5件問い合わせがあった
  6. 商品Aは、今後定番にしていくものだ
  7. 展示会に掛ける予算が増額されることになった
  8. できれば、他のイベント会社も紹介してほしい
  9. その件も含め、来週直接訪問したい

 ……○山さんは、考えているうちに何を伝えたいのか混乱してきてしまいました。
迷ったときは、「タイトル」と「用件」に戻って
 ○山さんは、「タイトル」と「用件」の部分を読み返し、この文書が礼状であることを今一度思い返し、「感謝する理由の説明」という観点から事柄のチェックを始めました。

  1. 一番大切な報告なので、残しました
  2. B社紹介に対する感謝なので、残しました
  5. 参加成功の証左として、形を変えて残しました
  8. 訪問時に打診することにしました
  7. 5の補足として、形を変えて残しました
  9. 結びに入れることにしました

  3. 不必要な情報なので、消しました
  4. 5の説明を複雑にする要素なので、消しました
  6. 内容が複雑になりそうなので、消しました

 そして、以下のような「説明」が出来上がりました。

 
「×川様には的確なアドバイスをいただき、成功裡に会期を終えることができました。また、商品について予想を上回る反響があり、部内では今後積極的に展示会等へ参加していく旨決定した次第です。」

 また、結びには
「後日、あらためましてご挨拶に伺いたく存じます。まずは取り急ぎ御礼申し上げます。」という文を挿入しました。
◇ 文書の「説得力」を高める
 文書が「説得力」を発揮するには、効果的な「説明」が不可欠です。報告書や稟議書では、具体的なデータが要るでしょう。礼状や詫び状では、情が伝わる文が効果的かもしれません。
 上の例では、「礼状」でしたが、これが別会社紹介の「依頼状」であれば、どのような「説明」が考えられるでしょうか。いずれにしても、この部分が文書の要であるといえるでしょう。
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