Venezia−タイトル
 


サンマルコ寺院のクーポラより町を 憧れのヴェニスへ。
幾度となく、テレビや写真で見ていた水の都“Venezia ヴェネツィア”。アドリア海に面して浮かぶ、水路と細い路地で迷路のような町です。イタリアの北の果ての果てにあるのだ、と勝手に思いこんでいたのですが、フィレンツェからだと、列車で約2時間。ローマからフィレンツェまで、約2時間。以外と近くてびっくり。えっ!?4時間だと、近くないですか?。私たちは、ナポリから夜行列車でやって来たので、「着いたぁーーっ!!」っていう充実感でいっぱいでしたが。ホテルのシニョールが親切に、窓から運河の見える部屋を使わせてくれました。他の部屋より高いけど、私たちが予約していた値段で構わないって。私たちってツイてるぅ。
ヴェネツィアは文字通りの水上都市。車は走っていません。移動手段は、ボート。車が走られないのだから当たり前なんですけど、救急車も消防車もボートだったのは、びっくりしてしまいました。私たち観光客も、島から島へ、またまた駅から広場へなんかは、“Vaporetto ヴァポレット”と呼ばれる船で移動です。
住んでいる人たちは、マイ・ボートを持っている様子。玄関の門を開けるとすぐ水路で、ホントにボートがなかったら生活できないよねぇ。まわりをぐる〜りと壁で、囲まれている島。どう見ても海抜5cmのところに家があるような・・・。この家(ホントにただの「家」なんでしょうか。ものすごく大きかったんですが)も、中から門を開けると、そこは水。ボートに乗るスペースくらい確保しておけばいいのに・・・。陸地が全く見えないので、いきなり水上に壁が浮かんでいるように見えます。どんな人が住んでるんでしょうか。一度、ご招待されてみたいものです。
町の中央にあるのは、絢爛豪華な“Basilica San Marco サン・マルコ寺院”。その隣には、“Palazzo Ducale ドゥカーレ宮殿”。ヴェネツィア共和国総督の政庁であります。う〜ん、さすがは、大海運国ヴェネツィア共和国。あまりの豪華さと観光客の多さに、田舎からやって来た私たちは、ちょっとおされ気味。
サンマルコ寺院、クーポラより
サンマルコ寺院、クーポラより
サンマルコ広場
Piazza San Marcoと
Palazzo Ducale
雑踏から避難すべく、町の中へ。迷路のような細い細い路地を気の向くままに曲がっていると、カーニバルのマスクが並ぶお店や、アメ細工のようなヴェネツィアンガラスのお店。とにかく、地図を見ていても今自分たちがどこにいるのか、すぐに分からなくなっちゃう町なので、気に入ったお店があったら、すぐに買っておくのが鉄則だとか。また、来よ〜うっと!!、って思っても二度と来ることが出来ない・・・。私、とっても素敵なヴェネツィアンガラスのお店を見つけました。でも、二度と行くことが出来ない・・・。お店の人に、地図に○を付けてもらっておけば良かった・・・と、気付いたときはあとの祭りでした。日本の雑誌に載ったことがあるとかで、その雑誌を見せてくれました。日本人が来ると見せているらしくよれよれになった雑誌(何の雑誌だったかは忘れちゃいました)の『レオナルド』と、カタカナで書かれたところに印しがしてあって、それが彼の名前。息子さんが“Murano ムラーノ島”の工房で働いているとか。この店には、いいものしか置いてないからね、なんて言いながら、作り方とか、いろいろ親切に教えてくれました。ヴェネツィアに着いたばかりで、値段の相場も全く分からない私たちでありましたが、もう1度このお店にたどり着く保証は全くなかったので、友人のお土産に香水瓶をひとつ買うことに。その後、町をフラフラしていろんなお店を覗きましたが、レオナルドさんのお店のが1番よかった、ような気がします。
彼の言ったとおり、細工もきれいだったし、なにより安かった。私の買ったのと同じ値段を出しても、他のお店だとちょっぴり安っぽい感じのしか買うことが出来ないの。自分の分にももうひとつ・・・と思っても、お店の場所が分からないし・・・。日本の雑誌に載ったことのあるレオナルドさんのお店。知っている方がいたら、ぜひぜひ教えて下さい。たぶん、日本人にはみんな、あの雑誌を見せているはず。
路地散策に疲れたら、ピポッドに乗って島巡りを。高級リゾート地、映画『ベニスに死す』の舞台となったリド島や、ヴェネツィア発祥の地“Torcello トルチェッロ島にヴェネツィアンガラスの島“Murano ムラーノ島”。 “Burano ブラーノ島”は、なぜだか知りませんが、家がとてもカラフル。家の壁がパステルカラー。ピンクやら淡いグリーンやら。島巡りをしていると、サンマルコ寺院の喧噪が夢のよう。まるで違う町に来てしまったような気がします。 ブラーノ島ブラーノ島
Burano
ブラーノ島
溜め息の橋
Ponte dei Sospiri
溜め息の橋
サンマルコ広場といえば、冬になると浸水してしまうことがあるとか。日本のニュースでも見たことがあります。住んでいる方にとっては、とんでもない!ことなんでしょうが、絵はがきで見た水に濡れるサンマルコ広場はとても神秘的。冬に一度来てみたいものです。冬には、何といってもカーニバルがありますし。
“Ponte di Rialto リアルト橋”で記念撮影して、迷路を彷徨いながらお昼ご飯。グッゲンハイム美術館には、マグリットとミロにジャコメッティ、カンデンスキーにキリコも。どれだけ歩いても地図を握りしめていても、やっぱり道に迷ってしまうんです。絶対こっちの方向だ!と確信して歩いていっても、たどり着くのはなぜかいつも同じ広場。とりあえずこの広場に到着すればホテルへは帰れる、という何だか分からない状態になってしまいました。この迷路の町をすっかり覚えてしまえるまで、滞在できたら幸せだろうな。
夕食は、名物料理だというレバーの煮込みFegato alla Venezianaと、スカンピ(えび)のグリルを。ピザ職人の親父さんがとっても陽気な人で、目が合う度に投げKISSと笑顔。特製ピザだよ、って10cmくらいのミニミニピザをプレゼントしてくれました。ホテルの部屋の窓を開けていると、目の前の運河をわたるゴンドラから歌声が。運河が見えるといったって、決して決してそんなに上等なお部屋じゃなかったですが、それでも情緒は満点。“フニクリ・フニクラ”の歌声を聞きながら、眠りに落ちると気分はすっかり・・・!?

1995.07


 

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