Taormina−タイトル
 


あこがれのグラン・ブルー
ホテルより
まさしく、グランブルー
今回の旅のテーマは、南に行ってリゾートをしよう!!。小汚い格好をして、でっかい荷物担いでタクシーにも乗らず歩いていたのも仮の姿。1泊2,000円弱のホテルを探し、リストランテ(レストラン)に入るお金をケチり、ホテルの部屋で買ってきたパンをささやかなおかずとかじっていたのも、ただ1つ、“Taormina タオルミーナ”でリゾートをするぞ!!という目標(?)のためだったのです。テーブルに座ると高くなるから、そこらの石段に座ってかじるパニーノ(サンドイッチのようなもの)もおいしかった。どれくらいの値段までなら、シャワーのお湯もちゃんと出て、清潔で快適な宿が確保できるのか。なんていうホテル探しも楽しかった。しかぁしっ!このままじゃぁ、ただの貧乏旅行に終わってしまう!!。もうちょっとで忘れちゃうところでしたが、今回の旅のテーマは“リゾートをしよう”。
映画『グランブルー』の舞台になったタオルミーナ。リゾートには最適の場所じゃないですか。ホテルだってちゃんと日本から押さえてあります。星が4つついてます。部屋にクーラーだってついてます。プールだってあったりします。(こんなささやかなことで、すご〜く贅沢なことをしているように思っちゃう私達って・・・)。2,000円じゃクーラーはついてないからねぇ。し・しかし、お隣のホテルにはプライベートビーチがついている・・・。しまった。こういうところが小心者の贅沢なのね。もうちょっと、ランクアップしたらプライベートビーチだったのに。
映画『グランブルー』で、ジャン・レノがスパゲッティを食べていた洞窟(穴蔵?)のレストランがあります(憧れていたのに、宿泊客しか行けないらしいの)。だから、本当は、ホントはそこに泊まりたかったの。でも、いいんです。クーラーがついているだけで、部屋にシャワーがあるだけで、贅沢気分いっぱい、リゾートを満喫しちゃってる私達ですから。あそこに泊まるには、ジャン・レノ似の(いや、似てなくてもいいんですけど)王子様を見つけないといけませんね。
前日の宿泊地、シチリア島南側の“Agregento アグリジェント”を朝10時に出発。途中で1度乗り換えて、タオルミーナへ。鉄道の駅は海側。島の下の方にあります。市街は山の上。ロープウェイで登ります。ロープウエイは往復で4,000リラ(約240円、1995年)。登ったら降りなきゃ仕方ないので、「往復」売りなのかな?
ドゥオモ広場
Piaazza del Duomo
ドゥオモ広場
ギリシア劇場
Teatro Greco
ギリシア劇場
ホテルのプールでのんび〜りしたら、夕方からは町を散策に。高級リゾート地だぞ!!ってドキドキしながら、薄っぺらい財布を握りしめてやって来たのに、そんなに物価は高くありませんでした。むしろ安いくらい?
シチリアで2番目に大きいという“Teatro Greco ギリシア劇場”を見学。半円形の席から舞台を見下ろすと、背後に海が開けてすごくきれい。夏場だったので、劇が行われていました。が、日時は明日。私達は、明日の夜行列車でナポリへと戻らなければいけないので、泣く泣く諦めることに。知っていたら、予定を1日ずらしたのに。残念。その後、メインのストリート(といっても1本しかないんですけど。唯一の大きい通り。あとは路地ばっかり)をお散歩。それほど高くはない、色使いのとっても素敵なお皿を、どうやって持って帰ろうか・・・と思案しながらブラブラ。20分もしないうちに端っこに到着。仕方がないので、Uターンして反対側に向かってブラブラ。またもや端っこへ到着。もう1度Uターンして・・・。これぞリゾートの楽しみ方!!??
ソレント(ここもリゾート地です)でも感じたのですが、夕暮れになると、町中の人口密度が増えるのです。それも半端じゃないくらいの増え方。500%???くらいの増加率。昼間は、みなさんホテルのプールや海辺で寝転がってるんでしょうね。お店も閉まっているしね。暑い中汗をかきながら歩き回ってるのは、貧乏観光者の私達くらい??あぁ、私も優雅な旅がしたいなぁ。そして夜行性動物のように活発になった人々が、何をしているかというと、メインストリートをおしゃべりしながらフラフラ〜。端っこまで行くと、くるっとUターンしてフラフラ〜。またまた端っこに着くとくるっと・・・・・と、私には見えました。部屋でテレビでも見てりゃいいのに、なんて思ってしまいますが、道路は端が見えないくらいの人で埋め尽くされています。変なの、と思いながら私達も真似して(?)フラフラしましたが、2回くらいで飽きちゃって部屋に戻りました。
翌日。いざグランブルーの海へ!!!。でも、その日の夜行列車でナポリへ戻らなくっちゃいけないので、海は見るだけ。昨日プールで泳いだからいいんだもんね。海のそばで育ったとはいえ、私の生まれたところは港町なのでこんなにきれいな海を見たのは初めてです。友人が「グランブルーって変な映画、って思っていたけど、こんなにきれいなら潜りたくなる気持ち分かるわ」だって。泳げない私でも沖に出た〜い、の気持ちでいっぱいでした。
カプリより美しいという(?)洞窟
これが洞窟
ボート乗りのおじちゃんに声をかけられて、せっかくなので乗せてもらうことに。「あの別荘は○○という映画に出てきて・・・。女優の○○が住んでいて・・・。」説明してくれるんですけど、イタリア語なのでさっぱり分かりません。おじちゃん、私たちには分からない言葉を話しながら、ボートは洞窟の中へ。カプリ島に“青の洞窟”というのがあるのですが、それに負けないくらいのきれいな“AZURRA(ブルー)”。洞窟の外からの光が水に反射して、それはそれはきれいなブルーなんです。まったく知らずにやって来たのですごく得した気分。 その後、ペダルボートを借りたのでもう1度見に行ったのですが、光線の加減で午前中じゃないときれいじゃないみたい。午後はただの洞窟でした。
波打ち際に座って、のほほ〜んとひなたぼっこをしていると、タコを捕まえたおじさんが得意げに海から上がってきたり。こんなきれいな海が目の前にあるんだもの。せっかくやって来たんだから、水に浸からなきゃ。でも、私の水着はホテルに預けた荷物の中。泳がないって言ったくせに、裏切り者の友人はちゃっかり水着に着替えて準備万端。
この暑さならすぐに乾くよね。とTシャツのまま泳ぐことにしました。足下は砂じゃなくて岩場なので、ケガすると怖いよね、とサンダルは履いたままに。実は、私泳げなくて、平泳ぎしていても5mも進まないうちに沈んじゃうんです。服は着てるはサンダル履いてるは、その上あっぷあっぷしてる。グランブルーの海にはさぞかし似合わなかったでしょうね。でも、いいんです。リゾートですから。気分だけですから。ただ、問題は服はすぐに乾いたのだけど、この塩臭い服で列車に乗るとひんしゅくよね〜ってこと。悩んだあげく、幸運なことにタオルミーナをあとにする列車がガラガラ。トンネルに入った隙に着替えちゃいました。せめてトイレに行けば・・・とも考えたのですが、戻ってきて荷物がなくなっていたら大変ですしね。リゾートのはずだったのに、どうも高級、お上品にはなれなかった私達でした。
みんなお金を使いに来ているわけじゃなく、のんびりとした時間を過ごすために訪れているので、ホントに優雅でいいところでしたよ。お金をほとんど使わなくても(ホテルは高かったけど。でも1部屋25万リラ。当時で15,000円くらい。あっ、ナポリで泊まったホテルの5日分だ)充分楽しめちゃいます。ただ、夜行列車は大変でしたけどね。体力に自信のある方はどうぞ。(私はないので、次回は飛行機だぁ!!)

1995.07
ボートより浜を
 


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