「世界で最も美しい」町、といわれたギリシア遺跡が残る“Ａｇｒｉｇｅｎｔｏ　アグリジェント”。シチリア島北側の“Ｐａｌｅｒｍｏ　パレルモ”から、島の南側のアグリジェントまで列車で約２時間。 ガイドブックに「神殿が見えるホテル」が載っていて、そこを狙っていたのですが鉄道の駅から遠く、荷物の多い私たちは断念して駅前のホテルに落ち着くことに。夕日＆朝日に照らされた神殿。見てみたかったな。 私たちが泊まったホテルは、ツインルーム１泊５万５千リラ。ひとり当たり２，０００円（１９９５年）しませんでした。南に来れば来るほど物価は安くなってきています。で、南に来れば来るほど英語が通じなくなってきています。パレルモでは通じたのに・・・。でも、イタリア語がさっぱり分からなくても何とかなるものですね。身振り手振りで難なく今夜の宿は確保。アグリジェントでは、今日の半日しか滞在時間が取れないので、早速、遺跡巡りに出発！！。

駅前からバスに乗り“Ｖａｌｌｅ　ｄｅｉ　Ｔｅｍｐｌｉ　神殿の谷”へ向かいます。町の中心から約３ｋｍ。１，０００リラ、約６０円でした（１９９５年）。 運転手さんに「着いたら教えてね」とお願いして、な〜んにもないところで降ろしてもらいました。神殿の目の前で降ろしてもらえるとばかり思っていたので目が点。行けば分かるよねぇと地図も持っていないし、右も左も何も見えない。目の前に広がるのは荒野（？）ばかり。でも、バスの乗客はほとんどここで下車。とりあえず、ぞろぞろと後をついていくことに。 神殿の“谷”というだけあってバスが着いたのは谷底。どこへ向かっているのか分からないまま、急斜面をぜいぜいと登ると・・・、見えたっっっ！目の前に大〜きな神殿が。私にとって、生まれて初めて見たギリシア遺跡（ローマにあるのを除いて）。写真やテレビではよく見ているけど、目の前にすると、やっぱりすごい。この土地が繁栄していて、神殿として使われていたときは本当にすごかったんだろうな。

Ｔｅｍｐｉｏ　ｄｅｉ　Ｄｉｏｓｃｕｒｉ（ｄｉ　Ｃａｓｔｏｒｅ　ｅ　Ｐｏｌｌｕｃｅ） ディオースクリ神殿（カストール・ポルックス） 紀元前５世紀の神殿の跡

Ｔｅｌａｍｏｎｅ　テラモーネ

友人の「すごいのがあるー！」という声に走っていくと、これは何？人！？。ドでかい人のようなものが横たわっています。ガイドブックをめくると、ジョーヴェ神殿にあった“Ｔｅｌａｍｏｎｅ　テラモーネ”。高さ７．７５ｍで神殿の柱だったとか。これが、この大きさが何人（？）も立っていたとは。驚き。 でも、ここに寝ているのは複製なんですって。本物は国立考古学博物館にあるそうです。私たちは、時間の都合で行けず残念。アグリジェントなんてもう２度と来ることがないかもしれないのに・・・。 １９９５．０７

Ｔｅｍｐｉｏ　ｄｅｌｌａ　Ｃｏｎｃｏｒｄｉａ コンコルディア神殿 紀元前４５０〜４４０年に建てられたシチリア最大のもの