男と女の虚飾の駆け引き

合コン。

それは男と女の縁を結ぶもの。

これを機に彼氏彼女の関係になることも多いだろう。

しかし、その過程は、激しい心理戦である。

この尋常ならざる駆け引きに泣くものもいれば笑うものもいる。

合コン。

それはやはり戦いの場所なのである。

その日、戦いは、居酒屋の座敷で始まった…

なお、設定としては、ミキとユージがつきあいたてのカップルであり、

コースケがユージに頼んで、合コンをセッティングしてもらった、ということになっている。

ミキ

アヤコ

コースケ

ユージ

「こんばんわぁ」

きょうは、なに食べようかな〜。なんか、ユージの友達ってバカそうな顔してる(笑)。おもしろ〜い。あたしもよくバカそうな顔してるっていわれるけど、どっちが勝ってるかなぁ。そういえばあたし、きょうなんでかわかんないけど、カバンのなかにハンマーが入ってるのよね。なんでだろぉ?あ、そうだ、ハンカチ持ってくるつもりで思わずトンカチ持ってきちゃったんだっけ。あたしってボケボケだぁ。エヘヘ。あ〜なんか、幸せな気分になってきた。なんかお空のうえで日向ぼっこしてる気分だぁなんでこんなに気持ちがいいんだろう。なんか虹が見えてきた。まーんまる。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。エヘヘ。あ、白いゾウが見える白いゾウが見える白いゾウが見える白いゾウが見える白いゾウが見える白いゾウが見える白いゾウが見えるあ、今度はオブチ総理が飛んでるへんなの〜ついでにクリントンもぐるぐるまわってるぅ〜地球もまわってるぅ〜ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ〜るぐるでもなんで今の日本って不景気なんだろ。それって絶対戦後の一貫性のないGHQ政策が原因だとおもうの、あたし。だって戦後すぐは自由化だなんだっていってどんな労働活動もOKだったのに冷戦がはじまったとたん赤狩りとかいって労働運動をとりしまりはじめてさ、政策に一貫性がないっていうか、そんなかんじ?それがいまの経済に強く影響してるんじゃるんじゃるんじゃるんじゃないかしかしかしかしらららられれれろろろあばばばばべべべべ…

「こんばんは〜♪」

な〜に?この二人全然ダメじゃない。もーミキったら適当なの連れてきちゃってさ〜一人はバカそうな顔してるしミキの彼氏なんて言っちゃ悪いけど服のシュミ最悪。ケミカルウォッシュ?

「う〜ん、そんなに言われたことはないけど…。え? 誰かに似てる?」

自慢じゃないけどよく言われるのよね。“加藤あい”って♪ そうよ、あたしはカワイイの。だから学校でもいつもコクられて大変なんだもん。あたしってカワイイ?

「そう? ありがと。自分ではそんなに似てるとは思わないんだけどな」

「え? 歌出してたっけ。」

よく知ってるわね、こいつ。もしかしてアイドルオタク?

よく見たらコイツ、手首にミサンガつけてるよ。だっせー

「あ、ありがと。やさしいのね」

こいつ、バカじゃないの?

「え? いやだぁ、面白い。ふふふ」

つまんねっつの。

なんかしらないけど、ユージってやつが微笑んでる。キショ!

あ〜あ、なんかつまんないなあ。タクヤかケンジのケータイにでも電話して迎えにきてもらおうかな〜

凍!

凍!!

やめてよ、もう、凍死するかと思ったじゃない。

「ちわっす」

わお、アヤコちゃんめっちゃカワイイ。おれこのコに決めた!ミキってコ、顔がブスだな。ユージにはぴったりかもしれん。何だっけな。そうだ、ペガッサ星人そっくり(笑)

「アヤコちゃん? 誰か芸能人に似てるって言われない?」

え〜っと、誰だったっけな、そだそだ、あのCM。NTTのCMにもでてたっけ。

「キリンレモンのCMにでてた、ホラ、…加藤ナントカ!」

いや〜たしかにそっくりだな〜。今日はルンルンッ!!このコを『お持ち帰り』でっきるっかな♪

ところでさっきからミキちゃんさっきから口からヨダレたらして宙見つめてるけど大丈夫なのかな?

ま、いいや。おれの管轄じゃないし。

「おれなら、キミのこと幸せにできるよ」

ちょっとシリアス路線で攻めてみるか。いや、それともギャグのほうがいいのか?

どうやら、今のでハートをがっちり鷲掴みにできたようだ。さすがはオレ。

次はいくつかとっておきのシャレを連発してみようかな。

「小室哲也の爆笑コント。掴みはOK.だってグローブ」

「サンコンさんに兄と弟。それじゃ“サンコ3兄弟”!!」

いけてるやん、今日のおれ!

「ども。初めまして。」

あ。アヤコちゃん、かわいいなぁ。なんか、こうやって比べるとミキがかすんで見える…。っていうかなんかしらないが、宇宙人に見えるのは気のせいだろうか。

どうでもいいけど、ミキ、さっきから口あけたまま空中見つめてるけどどうしたんだ? また回路が飛んでるのか?

「そういえば、誰かに似てる気がするなぁ」

加藤…? 加藤茶?いやまさかね。あ!!加藤登紀子?! 

「歌うまいんだよね」

「ほら、宮崎駿の映画にも出てたじゃん」

そそそ。紅の豚だったっけ。

「あ、ビールがきた。あ、ままま、どうぞどうぞ」

あ、店員さんもミキちゃんのことヘンに思ってるぞ。

ま、いいや。いざとなったら置いていこう。だって、今日は深夜にエヴァンゲリオンの再放送があるから。それ見ないといけないし。レイちゃん待っててね♪

そうだ。明日はコミケがあるんだ。たくさんレイちゃんに会える♪

ところで部屋に置いてあるフィギュアいつ完成させよっかな。レイち〜ん。完成したら、下からスカートのぞいちゃおっかな(笑)。いやいや、そんなことしてたらオタクだ。

僕はオタクじゃないからね。

 

そしてその日の晩、3台の救急車と1台のパトカーがとある居酒屋に急行した。

若い女性が一人、脳の精密検査を受け、

一人の若い男性は、内臓破裂で病院に担ぎ込まれたのだ。

若い女性は、傷害罪で逮捕された。

彼女がいうには、「寒くて死にそうだった」とのことである。

残りの1台の救急車は、ついでであった。

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