呉エイジ師匠に捧ぐ



巷では奇妙なうわさが流れている。それは、『呉エイジ、30歳の誕生日に嫁からHP中止宣言?!』というものだ。そしてそのXデーたる30歳の誕生日は5月27日。

これを書いているのが25日なのであと二日ほどである。僕は弟子として、是非師匠の価値ある行ないを嫁さんに知ってもらい、中止宣言を撤回してもらいたいと思う。これが師匠の援護になれば幸いだ。だから巨乳(88・C)の嫁さんにも是非読んでもらいたい。


僕がそのホームページにたどり着いたのは単なる偶然だった。ネットサーフィンなんてそんなもんである。メールを交換していた友達がHPを作り、そしてそこに『テキスト王』さんがあって、そしてそこのリンク先にあったURL。それが『Kure's Home Page』だった。ごめんなさい、工藤さん(笑)。

去年の10月くらいのことで、ちょうど4万アクセスのまとめレスが載っていたときだった。惜しくもそのときの掲示板は見逃してしまったのである。そしてこれもまた惜しいことに、バカペラCDの応募も見逃してしまったのである。この場でひとこと言わせてもらいたい。
『つぎのバカペラ2は弟子優先に下さい』

本題に戻ろう。その後しばらく読むだけだったのだが、ある日思いたってメールを出してみることにした。それはちょうどザボーガーの4コマが追加されたときのことだった。早速丁寧なメールが来てびっくりした。実をいうと、HPクリエイターの人にメールを出したのはそのときが初めてで、ビジネスライクなインターネットしか知らなかった僕には驚きだった。
「まじめにレス返ってくるんやん」

次に僕がメールを出したのはイスタンブールのゲームについてだった。それは8bitNOWの京都編・投稿スペシャルに載っている。イギリスの1ファンという名前になっているはずだ。当時はまだ自分のHNを持っていなかった(笑)。

そしてまたしばらく読むだけの日々が続いていたある日、弟子がいるということを知った。それは『弟子からの贈り物』によってだった。はまださんと金杉さんいう弟子がいるのか。

そしてそこに行ってみると、呉師匠の影響を強く受けた金杉氏によって作られたパワーのスパークしているHPがあった。今となっては書き込んだ内容こそ覚えていないが、ここのBBS(布団部屋)に書きこむときに適当に考えた名前が『イギリス紳士』だったのだ。

なんも後のことは深く考えていなかった。毎日書き込みにいくようになるなんて思ってなかったし、ましてや自分でHPを持つなんて考えてなかったのだ。ハンドルネームを変えるというのは結構めんどうなことなので、あのときもっと考えた名前をつければよかった。

本題に戻ろう。っていうか、戻りたい。ここで深く感じたことは、「この一見おちゃらけた演芸ページの向こうに、このHPクリエイターの夢が見える」ということだった。呉氏のHPの各所から、それにまつわる部分を引用したいとおもう。

いいか。今の世の中すさんでいるじゃないか。豊かなようでちっとも豊かじゃないんだ。この国は。金も心もな。例えばだ、今の娯楽消費文化、一つの番組から、やれCDだ、やれ声優の写真集だ、設定資料集だ、豪華LD-BOXだ、売って売って売りまくり。そうして次の年には新しい番組に飛びついて、昨日まであんなに楽しませてくれた番組の事なんか振り向きもせず中古屋行きだ。
皆求めてばかりなんだよ。だから俺はホームページを通して同じ趣味や笑いを共有し情報を発信したいんだ。そうしてもっと頑張って「ホームページつくりたいなぁ」とか「ホームページやっとできた!」って人たちを応援していきたいんだ。素敵じゃないか。
己をスパークさせている人というのは。そうして互いにリンクを張り、励ましあい、本当の自分を見つける旅に旅立つのだ。そのほんの手助けになれれば…。それが俺の夢であり、大望なんだ。後に続く若い力の為に俺は続けなければならないのだ。
(「我が妻との闘争」アクト15より引用)

最近の若い人から受ける私の印象。「もっと俺を認めてくれ。もっと俺にかまってくれ。かまってくれないから女の後をつけた。シカトしたから刺した」全部が全部じゃないですが、どうも”受け身的”な感じがするんです。ですから私は「HPの星」のコーナーで、自らが発光する喜び。隣にいる人を喜ばせたい衝動の素晴らしさを訴えていきたいんです。ジョンレノンは「イマジン」で”国境のない世界を想像してごらん”と言いました。私はホームページ活動で今後も自ら輝こうとしている人を全面的にバックアップしていきたい。そうして隣にいる人を喜ばせようとする人が少しづつ増えていけば、このピリピリした世紀末も、少しは穏やかになるんじゃないか…ってね。(10万アクセス記念掲示板まとめレスより)

 
おちゃらけたことを考えてるだけじゃなくて、その奥に、この人はこんな理想を抱えてるんだ、と感動したのである。

インターネットは仮面舞踏会のようなものだと思う。別にそこでは実生活の素顔をバラさなくても、自分の好きなダンスを踊ることができる。普段抱えてる社会的なストレスやステイタス、責任や義務から開放されて、好きな自分を演出することができるのだ。

自分の好きなダンス、というのはその人の内面そのものだと思う。仮面をつけているからむしろ自由に踊れるし、ほんとの個性を表に出せるのかもしれない。そう考えればむしろ、ステイタスやら学歴、肩書きで着飾って自分にウソをついている実生活のほうが仮面舞踏会といえるのかもしれない。

個性の演出というのは、別の考えによっても正当化することができる。それは経済学の部屋の「求められる人材」にも書いたのだが、今後の世の中では、『自分にしかないもの』をアピールしていくことが求められていく時代だと思う。

何も創造しないで、ただ与えられるのを待つような傾向は、もはや捨てないといけない。そうしたことを考えていた僕は、この師匠の言葉に共感した。そんでそう考えてるなら自分もやろうとおもった。偉そうなこと言っておきながらやらないのは卑怯かもしれない。外国にいるのにできるのか?と思ったが、インターネットに国境はなかった。

そして、師匠から激励のメールが届いた。「ホームページ作れる環境があるならいますぐにでも作るべきです」。この言葉を信じて、三月三日、そう何の縁か師匠の10万アクセスの裏でひっそりとスタートしたのだった。

そして昨日の夜、3/18から秘密裏に計画が進行した『電脳披露宴』が開催された。インターネット上ではかつてないことだと思う。そしてそれに参加できたことがとてもうれしい。そうなんだ。こうやって自分たちで何か素晴らしいことを創りあげていくということがインターネットでは可能なんだ。そう再確認させてくれたイベントでもあった。いまは呉師匠には感謝の気持ちで一杯だ。

そんな師匠にひとこと言いたい。

「お茶漬け一番、電話は二番」



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