僕が出会った奇妙な読者




 

9月22日(金)

今日、和菓子屋に行った。りょうさん、むうさんという人妻二人、そして巨体を揺らすかずやん荷物持ちの男が一緒だ。

どうやらこの和菓子屋さんには以前の人妻オフのときに参加したまりこちゃんという読者の一人が働いているらしいのだ。

そこでまりこちゃんを知るむうさんから一つのアドバイスが。

むう「ねえ、紳士さん、まりこちゃん彼氏いないしちょっとがんばってみたら?」

イギリス「ええっ?! マジですか? 彼氏いないしカワイイんですか? そしたらがんばってみてもOKですか?」

そしてまりこちゃん登場。

まりこ「あの、ご注文は?」

ここではお約束ネタであのコのハートをゲットだ!

イギリス「葛もちと、・・・キミ(笑)」

いや、しかしなんかヘンだ。反応が。

周囲のみんなが笑ってる。

イギリス「あれ? 彼氏、いるの?」

まりこ「え? あ、ハイ。」

僕はちょっとだまされたらしい。

イギリスケッ!!

彼女がいない僕をからかって楽しいですか?

*****

9月23日(土)

今日は大阪の梅田でオフ会があった。

僕はちょっと書かなくてはいけないレポートがあったのでかなり遅れての参加だ。

というよりほとんど二次会からの参加予定だった。

そして再び僕の視界に入ったまりこちゃんは、JDさんワラビさんという外道&変態コンビにつかまって部屋の隅で囲まれていた。

ああ! 助け出さなければ!!


大丈夫、僕が守ってあげるから
(イメージ図)

僕は凶悪なコンビに立ち向かうために日本酒1合を一気飲みして間を割って入った。

イギリス「こら、キミたち、かよわい乙女になにをしているんだ?!」

僕はそのとき、ヒーローになっていた。

そのときである。

ちょうど視線があった先にいたのは、弟子の一人、葵ちゃんであった。

「ちょっと支社長!!」

僕が普段更新していないことを叱るつもりなのだろう。

「ちょっとそこに正座。手はおひざ!」

何をコイツはフザケているのだ?

キミは僕の下でHPとはなんたるかを勉強している弟子ではないか。

その弟子の一人が師匠たる僕に対して敬語を使わないどころか土下座をさせる?

言ってやらねばなるまい。

イギリスハイ・・・

気がつくと、仁王立ちする葵ちゃんの前で僕は震えながら土下座をしていた。


土下座する僕と嘲笑する周囲の人々
(イメージ図)

大人のおもちゃでもこんなに震えないのではないか。

これって師匠イジメですか?

*****

9月25日(月)

酔いつぶれた僕は一体なにをしたのだろうか。

そればかり気になった週末の日曜日であるが、一通のメールを受けて僕は安心した。

「先日は宴会のさなか、助けていただいてありがとうございました。是非そのときのお礼がしたいので、一度河原町まで足をお運びいただけないでしょうか。 まりこ」

僕はたとえ酔っていたとしても「紳士的」な姿勢を崩すことなく毅然としていたらしい。

その日僕はホストクラブのバイトだったのだが、少しウチを早めに出て、30分ばかりお話をすることにした。

ああ、そうだ。普通こういうとき「紳士」は小さな花束でも持っていくのだけど、バイクで行くからそれはムリだな。

確か香港のおみやげが残ってたし、それでも持っていこうか・・・。

呼び出されて行った先の喫茶店では彼女がすでに先に来ていたらしく、3枚の皿を空にしていた。

僕がテーブルにつき、ウェイターが注文を取りに来ると、彼女は大阪のオバチャンもびっくり、というくらいの大きな声で、

まりこちゃんこ丼と豚汁!

と注文した。

あなたはどこかの相撲部屋に所属していらっしゃるのですか?

もうこれ以上カロリーは要らないじゃん、と言いそうになったが、後で寄り倒しとかされたらコワイので僕は黙っておくことにした。

下手にツッコんで「頭からバリバリ食べられて」しまったら僕の人生台無しだし。

っていうか、そんなような雰囲気バリバリ出てたし。

なんだろう? オフ会のときと今日のこの差は???

彼女は突如キッと僕をにらみつけると、こう言った。

まりこ「せっかく鴨くんとJDとワラビを手玉に取ろうとしてたのに、よくも邪魔してくれたわね」

そういうと彼女は手許にあったナイフで僕のわき腹を2〜3回刺し、ついでにこねあげて、出ていった。

きっと内臓がいくつかヤられているに違いない。

僕はここに来てまだ何も注文してないのに、あんたが食ったこれら全部僕が払うのか?

っていうか、これって傷害罪?

命からがら逃げ帰った僕は、あの奇妙な行動をするまりこという読者からのメールは今後一切受けつけないように、アウトルックのブラックリストに登録したのだった。

読者はコワイ。

僕はその夜、ミザリーというビデオを借りて観た。

怖かった。

有名な作家がストーカー的な読者に監禁されて話の続きを書かされる、というお話である。







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