香港で人がもっとも多いのはモンコック周辺ではないだろうか。 ビジネス街は香港島に近い九龍半島の先にあるし、観光地も香港島にある。 このモンコック周辺がファッションや飲食の中心地のようだった。 僕は旅行に行ったときは、電車やバスは使わず、とことん歩き回ることを旨としている。 それら交通機関を使うと乗り場所と降り場所の二地点しか見れないからだ。 歩けば一次元ではなく二次元でその地域を見ることができる。 だからもし誰か連れがいたとしても一緒に行動することはためらわれるだろう。歩きすぎで誰もついてこれないに違いない。 モンコックをブラブラしていたとき、二人のかわいい女の子がこれまたあてもなく歩いているのを見かけた。 一人は僕好み。そしてもう一人はむしろワラビさん好みのムッチリした女の子だった。 (のちに名前は前者『YOYO』、後者は『YUMI』と判明。中国系の若い人はほとんど、自分で英語名をつけるらしい。なぜなら欧米系の人にとって、中国名は発音しにくいからである。イギリスの学校にもキャサリンという名前の女のコがいたが、よく見てみると鼻の穴が上を向いたシンガポール出身のオバサンであった) 観光客作戦決行!!
僕「あの、すみません、英語できますか?」 YUMI「チョットダケ、デキマス」 ものすごくたどたどしい英語であった。 こういうとき、日本人には『筆談』という強い武器がある。 高校のときに漢文を少しでもかじっておけば、なんとかコミュニケーションはとれるものなのだ。 僕「僕、日本人なんですけど昨日香港についたばっかりでここらへんのことがよくわかんないんですよ。」(英語) YUMI&YOYO「ハヤクテワカリマセン」 このときはちょっと人選を誤ったと思った(笑)。 どうやら香港は英国領だったにも関わらず、中国語だけで生活できるらしく、あまり英語は浸透していないらしかった。 二人は互いに顔を見合わせて笑いながら困っていた。 そりゃそうだろう。 僕だって京都でモンゴル人に道を聞かれたら困るに違いない。 容姿が似てるのに会話ができないというのは奇妙なものだ。 紙とペンでなんとか『ヒマなんだよー』ということは伝わったようだった。 そして近くのマクドナルドへ。 香港は沖縄よりも南にある都市国家だ。 暑い上に高層ビルに囲まれて熱がこもる構造になっていて、とても暑い。 カンボジアにも行ってきたのだが、カンボジアには高いビルがない分、風があり、日差しこそつよかったもののこもる暑さはなかったのだ。 だからアイスコーヒーも軽く2杯は飲めるというものである。 内容の薄いマシンガントークに一区切りついたところで僕は二杯めを買いに席をたった。 彼女らのバニラアイスを買うのも忘れない(笑)。
ん? だれだ? カウンターから帰ってきたときのことだ。 二人の男が彼女らに話し掛けていた。こういうとき中国語がわからないというのはもどかしいものだ。 しかしちょっと様子を見ていると、どうやらナンパしていたわけではないらしい。 二人の男は礼儀正しく頭をさげて去っていった。 僕「知ってる人?」 YOYO「シラナイヒト」 僕は数分後に驚くべき真実を知ることになった。 彼女ら二人はどうやら香港のアイドルだったらしいのだ。 人生で二回目の芸能人ナンパであった。 僕「ええ!? 芸能人?」 たしかにそれくらいはカワイイのかもしれない。 自分の眼が正しかったことは証明されたのはよかったのかもしれないが、芸能人はどうも自由がききにくいという印象があるので、ちょっとしぼんでしまった。 僕は残る香港の滞在期間、香港を案内してもらおうと思っていたのだ。アイドルでそれはむずかしいに違いない。 それでもサインと写真をおねだりする僕。ミーハー(笑)? (左がYumiで右がYoyo。ちなみにそれぞれ右側に僕がいる(笑)) 僕「へー、テレビの仕事してるんだ?」 YOYO「今日ノ新聞ニモ載ッテルヨ」 (ワラビさん好みか?) 話によるとどうやら最近デビューした数人のグループのメンバーらしい。 日本でいうところのモーニング娘。あるいはチェキっ娘といったところだろうか。 かなりいい雰囲気で楽しい時間をすごせたのだが、会話は筆談込みであった。 彼女らはあまり英語が得意ではないらしい。 僕も中国語はまったくできない。 住所と携帯電話の番号をもらったのだが、どうすればいいのだろう? 誰かおせーて。 |