わかりあえない人々
世の中にはどうがんばってもわかりあえない人々がいる。 Zガンダムではアースノイドとスペースノイドの狭間は開くばかりであった(笑)。 「話せばわかる」と言ったにもかかわらず、「問答無用!」と言い返されて、無残にも斬り捨てられた人もいる。 言葉の上のコミュニケーションでいくら意志の疎通を図ろうとしても、頑なに拒否されてしまったら、どうしようもないのである。 今回はそんなお話。 調理実習 小学校の時の話である。 家庭科の授業で、味噌汁をつくる、という調理実習の時間があった。 班ごとで味噌汁の作りかたを話し合って、おいしい味噌汁をつくろう、という授業だ。 うちの班には、3人の女子と3人の男子がいた。基本的な味噌汁の作り方は一緒かと思いきや、実は各家庭によって、味噌汁の作り方というのは違うのである。 そしてそれぞれが、「ウチの味噌汁が一番美味いはず」と思い込んでいるのだから、厄介だった。 しかし、何とか話し合いはまとまり、教科書に沿った作り方でみな納得したのだった。 しかし、実際作り始めてみると、「違うよ、それ、ダメだよ、カツオブシの味が消えちゃうよ」といって、ダシのカツオブシを引き上げるのを反対した男子がいた。 K君だ。彼の家では、どうやら、「カツオブシの浮いた味噌汁」を口にしているらしかった(笑)。 今から思えば、それはトロロ汁と勘違いしていたのではないかと推測されるが、真相は定かではない。 「え〜、だって、みんなでさっき決めたじゃん」 彼の耳にはその言葉は届いていなかった。 頑なに自分のやり方を通し、うちの班の味噌汁はカツオブシの浮いたものになってしまった。(涙) その後一週間ほど、彼の陰での名前は、「味噌汁キング」だった。 彼はきっとそのうち見事な鍋奉行になったことだろう。 「どうでもいいが、おまえは頑固すぎる」と言いたい。 異文化交流 海外からの高校生を一年間ホストして、お互いの文化を交流し、相互に刺激しあってよりよい文化を発展させようという趣旨の留学機関がある。 ここで聞いたエピソード。 あるアメリカ人(男)が、ちょっと旧いタイプの家にやってきた。 カリフォルニアの都会っ子と、旧いしきたりを守る旧家。 ちょっと過激な組み合わせかもしれない。 ある日、その村で、お祭りがあった。当然、そのアメリカ人も、その家の息子という扱いで、祭りに参加した。 ところで、一般に、旧家というのは、男尊女卑の色合いを強く残す傾向がある。 父や祖父、息子連中は一番いいところに陣取ってカラオケや酒宴。 しかしその裏では嫁や女が甲斐甲斐しく働いていた。 一方、アメリカのカリフォルニアというところでは、男女同権が一般化していて、男性が家事を行うことなんて当たり前のことである。 そこでこのアメリカ人、見るに見かねて働き出したところ、「じっとしてろ! 働かンでいい!!」との罵声が飛んだ。旧いしきたりに従えば、その行動は、見るに耐えられなかったのだろう。 アメリカ人は、びっくりして 「オーマイガッ!ノージョーキング!!」 と言ってしまったのだが、なぜかそこにいたジーサンが「おまえが覗き、とはどういうこっちゃ?」と首をかしげたそうだ。 彼らには、異文化交流しろよ、と言いたい。 バイト先の某社員 僕は、バー以外でもひとつアルバイトを持っていた。 とある小さな個人事務所である。そこでは人数が所長含めて6人しかいないのに、なぜか派閥がある(笑)。 いや、派閥ではなく、もはや仲違いの状態だ。僕が入る前は、5人しかおらず、所長を除くと社員は4人だった。 おおざっぱに言って、2対2で冷戦状態だったと思ってくれればいい。 所長もかわいそうだ(涙)。 僕は、自ずと一方のグループ(東)に組み込まれることになった。 なぜなら、グループ(西)のうち一人が、まったく口を聞いてくれなかったからだ。出勤初日からである。 なんも悪いこともしてないのである。 おのれはなにが気に食わないんじゃ!? ここのバイトは、毎朝の掃除から始まる。 ある日、僕はパソコン周りの掃除のついでに、みんなの机の上の掃除もしようと思った。 掃除といっても、紙類をまとめてぞうきんで机の上を拭くだけである。 冷戦状態とはいえ、差別するのはよくないので、その人の机も掃除したのであった。 しかし、彼は、僕をグッとにらむと、まとめた紙類を再び散らかしてしまったのである。 おれが何を悪いことしたっちゅうねん?! この人には、散らかしたままでもいいけど、何日もたったお菓子まで放っておくな、と言いたい。 だいたい、これらのケースを見るとわかるとおり、「わかりあえない人々」というのは、自分のやり方や習慣を何が何でも貫き通す頑固者に多いことがわかる。 あるいは、負け惜しみが強すぎて、違う意見を取り入れたくない人にも多い。こういう人々に僕は言いたい。 |
てめぇら、他人の話聞けよ、コラ。