水木 徹というホスト






僕がバイトしているお店には、これまで紹介したオーナー、桜井主任、サトシ君以外にも多数のホストが存在する。

今日紹介するのはその数あるホストの中でも一流のダンスの上手なトオルさん。

年齢は僕より一つ上。

年齢が近い分ほかの人よりも話し掛けやすく、気兼ねなくしゃべれるスタッフの一人だ。

ある日のことだった。

まだお客さんの入る前のお店。

お客さんを待つあいだが僕らスタッフの会話する時間だ。

やはり僕らだけでしかできない会話だってある。

トオル「なあ、ちらっとウワサで聞いてんけど」

「ハイ?」

トオル「インターネットでホームページ持ってるんだって?」

「ハイ(汗)???」

どこから流れたのだろう?

僕が酔ったときに思わずもらしてしまったのだろうか。

それともこのサイトを見ているお客さんがいるのだろうか。

ここで書いていることは見られたらマズイ内容ばかりだ(苦笑)。

「いったいどこでそれを・・・?」

トオル「裏のルートがあってね(笑)」

どんなルートだ?

「で、もし仮に僕がそういうサイトを持ってたとして、・・・?」

トオル「オレの宣伝もしてくれる?」

エゴだよ、それは!

そういうサイトじゃないんだけどなあ・・・。

「はあ・・・。なんて書いておきましょうか_?」

そのときに彼から言われた内容は、

・ソシアルダンスがすばらしく上手だということ。

確かにジルバ、ルンバ、サンバ、ワルツ、タンゴなどほとんどの社交ダンスは素晴らしく上手い。

将来その道で先生として教室を開こうと考えているのも納得がいく。

・背が高い。180くらいはあるのだろうか。

・ルパン3世のモノマネができる。

・・・って、それだけ?

「それだけですか? 東野幸治に似てるとか、顔がちょっと長めだとか、モアイに似てるとかそういうことは書かないんですか?」

トオル「いらん。かっこよく書いておいてくれ。これでお客さんを掴みたい」

ちょっとあんたセコいよ(byクェス・パラヤ)

「はあ・・・。それで面白く書け、と・・・?」

トオル「これでオレ指名のお客さんが来なかったらオマエのせいだからな」

それはエゴだよ!

「はあ・・・。でもトオルさんのキャラがよくわかるようなエピソードとか書かないと指名しようにも、難しいですよ??」

トオル「じゃあ、トイレのドアノブの話でも書いておいてよ。それでOK」

トイレのドアノブの話。

そもそも男性用トイレの内側のドアノブは取り付けが甘く、ネジがどうしても緩んでしまうのだった。

だから使えば使うだけネジが緩んでいく。

そのせいである日突然ドアノブが落ちたりすることがあった。

ほとんどのスタッフが黙って自分が落としたのではないようにごまかしている一方で、トオルさんは正直に常務にドアノブが落ちたことを申し出た。

・・・ってそれだけ?

「はあ・・・。面白いんですか?その話」

トオル「面白く書け」

ムリです、多分。

「じゃあ、そのままアップしますし、僕打ち込んでいきますから載せたい文面しゃべっていってください」

*****

オレの名は水木 徹。

昭和49年生まれのホストだ。

自分で言うのもなんだが、オレは面白くてダンディーだ。

(※ 実際にはダンディーというよりハンディ持ってます、言語的に(笑))←ドラッグ

そうさ、みんなオレのことをトールと呼ぶがそれはオレが仲村トールに似ているからなのさ。

(※ どっちかってーと、モアイ像とか墓石に似てます)←ドラッグ

昨日の晩は忙しかった。

なんせオレ指名の客が5組も来てたからな。

(※ 実際には1組です)←ドラッグ

このホストクラブ、「CLUB / BELLAGIO」、テーブルの数が全部で10しかないのに、その半分をオレ指名の客で埋めてしまうなんて他のホストが迷惑しちまうなあ。

(※ どっちかってーと、今までそんなことなかったです)←ドラッグ

ま、オレがあまりにもかっこよくて歌も上手くてダンスも一流だから仕方ないんだけどね(苦笑)。

やるな、トオル!…ってカンジ?

(※ 6発のミサイルの中に核でもまざっていた?!)←ドラッグ

ああ、確かにオレはそのときちょっと酔ってたかもしれないね。

素敵な女性と一緒のテーブルで飲むお酒だけには、オレ、弱いから…。

(※ 実際、お酒弱いです)←ドラッグ

それでも、オレっていつも正直に正直に生きることを信条としてるんだ。

阪神の新庄ファンだから。

(※ それって笑うとこ?)←ドラッグ

ビールを多少飲みすぎたオレは、トイレに行ったんだ。

ちょっと扱いが乱雑だったのは仕方のないことなのかもしれない。

トイレに入って事を済ませ、外に出ようと思ってドアノブを掴んだんだ。

そのとき。

ドアノブが落ちたんだよ。

オレは閉じ込められたんだ。

一瞬、何が起こったのかわからなかったけど、

悲しいけどコレ、現実なのよね?

(※ ス、スレッガー・ロウ?!)←ドラッグ

オレは叫んだよ、

「ここから出してくれ〜」(本人:大爆笑、僕:苦笑)

(※ オチこれだけ?)←ドラッグ

*****

トオル「どんなカンジになった?」

「はあ…。なんとなくイイと思います。そこはかとなく…。」

僕はなんともいいようのない深い悲しみがワケもなく心を占めていたが、どうすることもできなかった。

もしこんなトオルさんに会いたいと思う人、おしゃべりしてみたいと思う人は、「CLUB / BExxxxxO」(075-551-2868)に電話して「トオルさんいますか?」とひとこと言ってみよう。このHPのことをひとこといえば「ああ〜、どうもどうも」と快く応じてくれるはずだ。

むしろそれは僕のためでもある。


教訓「そんなんムリやって」



 
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