ハチクマ
Pernis ptilorhyncus orientalis
9月23日(2023年)に福岡の油山片江展望台で1503羽のハチクマが観察されていましたので,25日に冷水岳展望台に
出かけました.8時半に着くとすでに一人の観察者がおられました.様子を伺うと,「今,展望台下に止まっていた
ハチクマが飛び立ったところ」とのことで,すぐに4羽のハチクマを見ることができました.すぐその後から南側の海の方から
次々に数羽の群れが飛び上がり10時少し前までにおよそ200羽がすぐそばから飛び上がってくれました. |
♂成鳥:目,蝋膜は暗色,次列風切上下面の暗色の帯は2本で後縁は太い,
尾羽の帯は太く3本 (上の写真2枚は同一個体)
♀成鳥:目は黄色,蝋膜は暗色,次列風切下面の暗色の帯は3本で上面は見えない
尾羽の帯は3本で,♂に比べて細い. (上の写真2枚は同一個体)
♂若鳥:目は暗色,蝋膜は黄色,次列風切下面の暗色は不鮮明な2本,上面は一様な濃い茶色
(上の写真2枚は同一個体)
幼鳥:目は暗色,蝋膜は黄色,次列風切下面の茶色の線は7本.
2016年9月23日撮影
野鳥は孵化して成鳥になるまで何度も換羽します.ムシクイなどの小さな小鳥は1年で成鳥羽になりますが.
カモメやタカなどの中型の鳥は数年かかります.チュウヒは全長43-54cmでトビ(58-66cm)より少し小さいですが5年かかります.
ハチクマは全長54-65cmでトビとほゞ同じ大きさです.したがって成鳥羽になるまで風切羽は5回以上換羽すると推測できます. ハチクマの成鳥♂♀は目の色と次列風切の模様が違います.上の写真でわかるように幼鳥は次列風切下面の茶色の縞模様が7本あります. ♂は2本,♀は3本で♂の後縁は幅広く,♀は狭くなっています.2~5cyまでの♂♀の次列風切の模様はそれぞれ2本と3本に向かって 変化していくと推定されます.渡りの時期に翼下面の鮮明な写真を集めると成鳥になるまでの各年齢の次列風切の模様がわかると考えられます. |