オオセグロカモメ 幼鳥,若鳥,成鳥

オオセグロカモメは孵化してから成鳥になるまで4年かかるといわれています(6).孵化した時の羽衣から何度も換羽して成鳥の羽衣になります. 幼羽から成鳥までの羽衣を時系列で紹介します.野鳥の年齢は数え年で表しますので1歳を1cy(calendar year:暦年),2歳を2cyと表記します.


Ⅰ: 1cy 10月(幼羽)
 セグロカモメ類の幼羽とよく似ていますが,尾羽全体が黒褐色でセグロカモメ,モンゴルカモメと 識別することができます(写真の1).セグロカモメは尾先端部は帯状模様でT5,6の付け根部分は茶褐色の縞模様です.
モンゴルカモメはセグロカモメより幅が狭くなります.


Ⅱ: 2cy 2月(第一回冬羽)
セグロカモメ類の第一回冬羽と酷似していてフィールドで識別するのは困難です.
翼を広げたとき尾羽の模様で判断します(写真Ⅲの1).


Ⅲ: 2cy 2月(第一回冬羽)
翼をたたんだ状態で識別は難しいのですが,尾羽を広げたとき尾羽全体が茶褐色で覆われているので
セグロカモメ,モンゴルカモメと区別できます.上尾筒は黒褐色ではありません.


Ⅳ: 2cy 10月
第一回夏羽から第二回冬羽に移行中の羽衣で新しい濃い肩羽と古い褪色した肩羽が見えています.


Ⅴ: 3cy 2月(第二回冬羽)
Ⅳと比べると換羽がさらに進んで肩羽が濃い灰色になっています.
セグロカモメ類と比較して白黒のコントラストが強く,汚れた印象を受けます.


Ⅵ: 3cy 4月
Ⅴにくらべて肩羽の濃い灰色の部分が増えています.


Ⅶ: 4cy 2月
肩羽はほぼ灰色になっていますが,雨覆,三列風切はまだら模様で嘴先端は黒いバンドで色も淡い黄色です.


Ⅷ: 4cy 12月
ほぼ成鳥の羽衣になっていますが嘴の色と先端の赤と黒色の模様は成熟した成鳥の嘴とは違っています.

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