ワクチンの効果(1/5)

 2020年6月15日の分析にも記述していますが,今からおよそ100年前にスペイン風邪が流行し,日本では3年間で終息しています. 当時のデータを表4に示します.この値から年間の感染率88.6%,発症率43.4%,死亡率0.72%を算出しました.3年でほぼ全国民が感染しています.(パソコンで表計算ソフトを使っておられる方は簡単に算出できます.)
表4.スペイン風邪のデータ(大正7-10年)人口5,500万人(Wikipedia)
期間発症者[人]死者[人]
1918/8-1919/721,168,398257,363
1919/8-1920/72,412,097127,666
1920/8-1921/7224,1783,698
 大正時代はウイルスの存在は知られていず,ワクチンもなく今より医療能力は低いと考えられます.当時の医療条件で死亡率(死者数/感染者数)は0.72%です.
 ワクチンを接種したら感染しないと思っている方がおられるようですが,ワクチンの接種の有無にかかわらず患者(感染して体内にSARS-VoV-2を持っている人)と 接触すると感染します.  労働厚生省のSARS-CoV-2に対するワクチンの説明では発症予防効果は 95%となっています. 言い換えればワクチンを接種していれば 感染しても5%の人しか発症しないことになります. ワクチンの効果はワクチン投与前と後のデータを比較することで調べることができます.ワクチンがなければ発症率はスペイン風邪と同じ44%とすると ワクチンを接種した人の発症率は5%ですから発症者が減り死亡率[死者/感染者]もスペイン風邪の0.72%の1/9の0.08%に減るはずです
 SARS-CoV-2に対するワクチンは早い国では2020年12月から投与され始めています.WHOのリアルタイムのデータを2020年4月から保存していますので ワクチンが投与されていない2020年12月までのデータと2021年1月以降のデータを比較すると効果が確認できます.表5で世界のワクチンの効果を検証しています. 昨年の月別死亡率の平均値は0.6%でスペイン風邪の値0.7%に近い値になっています,標準偏差σは0.6です.2021年の上/下半期の死亡率と標準偏差σはそれぞれ2.29%/0.68,1.59%/0.14で2021年上/下半期の死亡率はワクチン投与前より3倍,2倍高くなっています. また,感染率もほとんど差はありません.世界全体でみるとワクチンの効果は無いと判断できます.

表5.世界の検査数,感染者数,治癒者,死者,患者の月別データ
検査数
[百万人]
感染者
[百万人]
治癒者
[百万人]
死者
[万人]
患者
[百万人]
感染率死亡率感染率死亡率
平均σ平均σ
6月160.04.62.914.73.82.83.26.782.420.600.60
7月97.97.25.416.95.47.32.4
8月104.77.96.817.26.27.52.2
9月206.88.57.516.46.64.11.9
10月173.712.78.118.79.67.31.5
11月182.816.810.226.814.79.21.6
12月220.120.215.335.117.69.21.7
2021年1月210.519.716.141.222.19.42.16.671.872.290.68
2月191.411.215.330.620.25.82.7
3月281.215.414.629.520.45.51.9
4月269.421.925.035.518.98.11.6
5月279.519.524.037.214.07.01.9
6月271.511.511.939.811.34.23.5
7月277.615.511.727.014.85.61.75.120.911.590.14
8月310.320.016.130.018.46.41.5
9月359.616.016.026.418.14.51.6
10月307.312.912.821.818.04.21.7
11月318.215.613.421.819.94.91.4

*2021年12月は12月20日までの値

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