MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
刺激的な5月
/☆Go Back☆/
5月になって雨が多いですが、きっちりとその間を縫うようにして、大いに遊んでいます。どういうわけか、鉄道関係の大事な日には雨が降りません。不思議な力が作用しているとしか思えませんね。
工作は、やや停滞しています。暇を見つけて少しずつ進めてはいますが、かなりペースが遅いです。4月のスペシャル・オープンディ以降は、レディ・マドキャップの修理に少ない時間の大半を使っているためかもしれません。
今回のメインは、5/14に開催されたオープンディです。関東や関西はもちろん、遠方では新潟や広島から弁天ヶ丘線のためにゲストがいらっしゃいました。13人の参加者のうち、7人が初参加の方でした。6人はもう何度も来られている常連の方で、この頃では、皆さん、もちろん運転にも慣れ、庭園鉄道のカメラマンとしても撮影スポットを把握したベテランです。終わってみたら、500枚くらい写真をいただき、今回のレポートに使わせていただきました。選ぶのに困ったほどです。
それから、そのオープンディの数日後には、栃木のバンダイを訪問してきました。これは、星野氏のお誘いです。素晴らしいおもちゃのコレクションを見てきました。そのレポートも後ろの方に……。
さて、上の写真は、レディ・マドキャップ(Lady Madcap)が本線を走った(2回目)ときのもの。ハンスレットの典型的なプロポーションがよくわかりますね。まだ完全ではありませんけれど、走ることはできます。大変運転が楽な機関車だと感じます。弁天ヶ丘線のライブスチームでは最大ですが、大きいほど運転が楽だ、ということは聞いていたとおりです。
下のバナーの欠伸軽便鉄道の広報部から、「掲示板」と「広報部ブログ」へリンクしています。「掲示板」の方は、地道な日々の活動を写真でつづる欠伸軽便鉄道社長のブログです。一般の投稿もできますので、ご活用下さい。また、「広報部ブログ」は文字通り広報部長のブログです。最近、活発に書き込みをしているみたいです。それから、鉄分は少ないですが、社長が毎日書いている日記「MORI LOG ACADEMY」もあります。
<2006年記念乗車券発行>
ときどき忘れた頃に作る欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の記念乗車券です。非常にレアなものです(笑)。最近、切符に切れ込みをいれる改札ハサミがどこかへいってしまって、どうしても見つかりません。どうしましょう、このままでは、鉄道の運行に支障が……、全然なかったりして……。
<花>
欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の沿線の花模様です。4月はチューリップが綺麗でしたが、5月は、花の数は減っています。そのかわり、緑がとても綺麗になりました。
まだまだこれから、地面を覆うほど勢力を広げることでしょう。モルタルのストラクチャをもう1軒建設する計画がありますが、なかなか時間が取れません。作り出すと2週間くらいは優にかかりますからね……。もっと効率の良い工法を編み出さないといけないのかも。
<機関車製作工場>
1月から製作している電動の蒸気機関車(名前はまだない)です。順調に進んでいますが、今のところ未完。6月完成見込みです。
1枚目の写真は、前部のカップラ(連結器)を取り替えたあと。このカップラは、前回ご紹介した佐藤氏からいただいたものです。立派すぎると思ったのですが、着けてみたら、やはり引き締まりますね。佐藤氏が完全にフルスクラッチされたパーツです。バネも利いています。曲面の部品は、大きな鉄管から切り出したものだそうです。
横から見た写真も。ボイラの上や、タンク上面に載せた得体の知れないパーツをあれこれ見繕っているところです。まだキャブの横板ができていません。
塩ビ管の部品を適当に使って、怪しげなものを作りました。コンプレッサかポンプでしょうか。ちょっと大きくないか、と感じられると思いますが、こういったものはデフォルメした方が良いだろう、と考えました。奥の白い方は、発電機を想定して作ったものです。
晴天の日に走行試験をしました(別にそんなに必要ではないのですが)。トレーラを引かせ、そこに乗って運転しながらメインラインをゆっくりと一周。2段減速と全輪駆動、それに重量がかなりありますので、牽引力はまったく心配ありません。ホイルベースが170mmと短めなので、ボディをころころと揺らして走ります。
ボイラやドームの塗装をしました。黒です。艶のある黒とつや消しの黒を使い分けています。煙突もついに黒くなりました。
ボディの前後左右は、プラ板を張って、リベットを埋め込んでから塗装をするつもりです。2枚目の写真では、キャブのサイドが取り付けられています。乗り込むときの取っ手も付けました。
キャブ内です。ボイラが黒くなりました。石炭投入口にオレンジ色の発光ダイオードが並んでいます。これらがサウンドに合わせて(ドラフトに合わせて)明るくなったり暗くなったり脈動します。ボイラの右には、バルブ切り換えのレバー(ダミィです)。その手前には、塩ビ管で作ったブレーキを取り付けてあります。
2枚目はボイラとタンクの上面。煙突の後ろに発電機が付きました。ドームの上には2本の安全弁。そしてホイッスル。手前に、塩ビで作ったコンプレッサ。タンク上面は、仮に黒くしましたが、ここもプラ板を張る予定です。サーフェイサで目留めをするより、その方が簡単だからです。
オープンディのときにも、線路上を走行させました。煙突内に発煙装置(HOゲージ用)を付けたので、煙を出すことができます。この日は風が強かったので、写真ではちょっと見にくいですね。ボディは、前面だけプラ板が張られ、リベットが埋め込まれています(未塗装)。機関車らしくなってきました。あと1カ月で完成できるでしょうか。
<レディ・マドキャップ再挑戦>
まさかあっさりと動くとは、と嬉しい驚きだったレディ・マドキャップ(Lady Madcap)です。しかし、ボイラへ水を供給するシステムが現在は不調のため、スチームアップして、少し走らせたら、もう火を消さないといけません。インジェクタの調整が現在の最重要課題です。
それから、ずっとずっと懸案だった、最初にボイラへ水を入れる方法ですが、なんと、レギュレータ・レバーの後ろに、四角いナットがあって、ここから入れられることが判明しました。6年間、まったく気づきませんでしたね。
スペシャル・オープンディのあと、2回スチームアップを行っています。いずれも、インジェクタの作動テストが目的ですが、まだうまく作動していません。
水面計のガラス管が割れたり、細かいトラブルもあって、あちこち修理しながらチャレンジしています。でも、一度圧力が上がったら、本線を軽く3周くらいは走ってしまうので、この運転だけでも面白いわけです。インジェクタは2機ありますから、せめて片方だけでも作動してくれないか、と期待しているところです。もし両方駄目ならば、片方はハンドポンプに、もう片方はクロスヘッドで動かすポンプに改造する手が順当なところでしょうか。
運転しているときに撮影した動画がこちらとこちらとこちらにあります。1つめが北デッキへ上がったところ(上り坂)、2つめがアーチ橋やトラス橋を渡るところ(下り坂)、3つめは西庭園のポーチ横を通り抜けるとこと(最後が上り)です。上るときはドラフト音が大きくなります。
<ボール盤>
3月に購入した大きいボール盤ですが、ついにGWにセットしました。まず、そのままではやや低くて使いにくいので、スタンドをL型鋼材で作りました。写真は錆止め塗装をしたところ。
工作室にセットしました。非常に重いので、家族に手伝ってもらい、なんとか台の上にのせました。下のスタンドにボルトで固定。スタンドには、コンクリートブロックを4つ入れて、重心を下げています。モータは200Vで動きます。回してみたら、やっぱり全然フィーリングが違いますね。ちょっと穴を開けるだけで剛性が高いのがわかります。写真の左にあるのが、これまで10年間以上大活躍した小さいボール盤です。もちろん、こちらもまだ引退ではありません。2つあれば、なにかと便利でしょう。
<平常サービス>
サファイアを走らせました。今年もう4回めのスチームアップです。給水ポンプも調整がうまくいき、現在絶好調です。連続運転にも慣れましたし、蒸気を節約し、安全弁を吹かせることもなく、無駄なく走らせられるようになりました。
1枚目は薔薇駅ですが、左にクレマチスが咲いています。2枚目は玄関脇のカーブ。だいたい、このへんにいつもポットを置いておき、給水をします。
ヘッドライトをアイボリィで塗りました。あらちこらちだいぶ汚れてきましたが、そこは年季が入ったという解釈でお願いします。
こちらは10号機の単端カメラボーイです。この頃は、映像を無線で飛ばして、室内で運転、ということはしていません。外に出られないほど暑くなったら、また試してみましょう。ボディにもう少しシールくらい貼って、ごちゃごちゃとした感じにした方が良いかな、と考えているところですが、元に戻せなくなるので、踏み切れません。
少しずつ植物の支配が広がっています。まだまだ本番はこれからでしょうか。
<駅長の仕事>
駅長は土木工事の研修中です。パワーショベルにまたがって、操作の練習をしています。この重機のおもちゃ、自走はしませんが、シャベルのアクションは電動で、実際に砂場ならば砂をすくえます。しかもサウンドも出るという、なかなかの優れもの。社長が買ったものではなく、社長夫人が発注されたという、珍しい備品です(4800円くらいだったとか)。
ヘルメットがちょっと気に入らないようですね。
<オープンディ>
5/14(日)のオープンディのスナップを沢山ご紹介しましょう。前半はやや曇り空でしたが、それでも爽やかな天気で、風も清々しく、屋外で遊ぶにはもってこいの日和でした。沢山の方々が遠路はるばる欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線にいらっしゃいました。
日々の技術開発の成果もあって、この頃は、電気機関車の列車は、初めての方でも運転をしていただけます。ただし、今年から、事前に「安全のための注意事項」という文章をお読みいただくことにしました。楽しむためには、常に事故に気をつけなければなりません。
最初の写真が、いきなり後ろ向き乗車ですが、これができる乗り手は限られます。少なくとも庭園鉄道の経験者クラスでなければ無理です。ですから、初心者は真似をしないように(写真の方は庭園鉄道を経営しているベテランの方です)。AB20とAB10の重連列車は、大人4人までは簡単に運ぶパワーがあります。これ以外の列車は基本的に1人(運転手のみ)で運行をしていますが、せいぜい大人2人が限界でしょう。
北デッキからの眺めも緑豊かになりました。綺麗ですね。このところ雨が続いていましたので、苔のためデッキの一部にうっすらと緑になっている箇所もあります。この重連の列車は、運転手は一番後ろの人です。乗客が先頭なので、前がよく見えて、パノラマ気分が味わえます。
このように、前に乗っている乗客は、カメラを構えて撮影に専念ができます。レンガアーチを渡る重連列車と、森の入口のコーナにさしかかる同じく重連列車。この両写真では、メインラインを走る方向が逆向きになっていますが、本線はリバースがあるため、ときどきメインラインを走る方向を逆にすることができるのです。
庭園鉄道の楽しさは、やはりコースと庭園の調和。走ることで流れる風景の変化にあります。逆回りが手軽にできれば、コースが倍になったのと同じくらい楽しいものです。
また、見通しが悪い方が乗っていて面白い、ということも確かです(逆に安全には注意が必要ですが)。庭園鉄道のレイアウトをデザインするときには、(特に軽便鉄道ならば)障害物を避け、くねくねと曲がった線路を設置することをおすすめします。直線よりも、S字カーブの方が面白いのです。カーブが急でも、ゆっくりしか走れなくても、大きな周回エンドレスにはない楽しさが、きっと見つかるでしょう。
初めてのお客様にも運転をしてもらいました。初心者に運転をしてもらうためには、それなりの工夫が必要です。たとえば、頭や足が障害物にぶつからないようにするとか、速度を落とすところに標識を立てるとか。本当は、コントローラにも、スピードを限定する回路(あるいは、レバーがそれ以上回らないようなストッパ)や、緊急停止ができるエマージェンシィ・スイッチなどが必要だと感じています。当鉄道でも今後の重要課題の1つです。
1枚目は1号機のワークディーゼル。これは高速の回路(車外の別バッテリィを用いる回路)を使っていないため、初心者向きの設定になっています。AB20+AB10の重連列車は、最も力が強くスピードが出るので、初心者には不向き。1人で乗っていても総重量は150kgにもなるので、急には止まれない、事故のときのダメージが大きい、などの欠点があります。長い列車を安全に走らせることは、けっこう難しいものです。
運転免許制度を設けて、脱線をさせないで何時間乗れたか、でレベルアップをするシステムにすることも考案中。レベルが上がれば運転できる機関車が多くなる、という感じですね。
しかし、自分で運転することの楽しさは、やはり味わってもらいたいところです。乗ってみないとわからない、という楽しさがあります。こればかりは、いくら想像しても不足ですし、またいくら文章で説明しても伝わらないと思います。
ハンドルがないのだから、ようはスピードのコントロールだけなのですが、たとえば、最低限、ほかの列車に追突しない、平面クロスで接触しない、など、気を遣う部分はありますし、勾配やカーブ、ポイント通過、負荷の変化など、ほかにも気をつけなければならないものが多く、そのうえ、乗客の安全に注意しながら運転する必要があるのです。今のところ、大きな事故はありませんが、小さな脱線事故は幾らか起きています。事故は、例外なく、運転手が慣れた頃に発生します。
樹の枝も伸びてきましたので、列車の運行に支障がないように、ときどき枝を切らなければならない部分があります。また、線路が草で覆われてしまうことも、これからの季節はあるでしょう。
今回は、西庭園のポーチ横やガレージ駅を中心に運行をしましたが、もう少し暑い季節になると、こちらの北デッキ駅が運行の中心になります。ここが涼しいからです。昨年末にポイントを設置し、島形配置にしましたので、列車の追い越しなどができます。例年、弁天ヶ丘線は6月〜9月の4ヶ月間は運休ですが、今年はどうでしょうか。
この写真は3人乗りをしているところです。人が増えるほど、運転が難しくなりますし、慎重さが要求されます。一番後ろに乗っている運転手は、欠伸軽便鉄道広報部長N倉氏で、社長に次ぐベテラン運転手です。前に乗っている乗客は、好きなときに機関車の警笛(AB10に装備された電子装置)を鳴らすことができます。
プリムスの貨物列車を運行する社長。この列車が、ガレージ線をあけるために、西庭園の引込み線に待機していました。これは、ガレージへ入るときの写真です。
AB20+AB10の重連列車が走っているところの動画(ちょっとだけ大きめ)がこちらにあります。
<他社からのおたより>
1枚めは星野氏からいただいた写真です。すっかりお馴染みの足立区鹿浜のレイアウトで、中野氏の新作電機、スイスFOの機関車です。同じ機関車をBEMO製(HOm)で社長も持っています。すっきりとしたデザインですが、下回りや屋根の工作には苦労されたのではないでしょうか。
2枚めは村本氏邸レイアウトを走る、佐藤氏の新作モータカー(後ろで赤いタンクを運転してるのは木内氏ですね)。木製で未塗装ですが、非常に合理的でバランスの良いスタイルをしていますし、安全性なども考慮されたデザインです。ボンネット前面のグリルやサイドの通風口の金具は、既成のパーツを利用されているようですし、ライトは自転車のものでしょうか。しかし、カップラの金具はオリジナルのようです。格好良いですね。後方に、木内氏製作の人力機関車が見えます。
その木内氏ですが、シェイの次に作っているのが、なんとグースです。製作途中の写真ですが、草刈り機のガソリン・エンジンで駆動するようです。先日のスペシャル・オープンディのときに、この後部の動力部だけは持ってこられ、既に弁天ヶ丘線を快走していかれました(笑)。
難しいのは、キャビンとボンネット。木内氏お得意のアルミ工作ではありますが、これからディテールに苦労が多いことと想像します。ドアの蝶番が見えますね。うーん、ドアを開けられるようにするなんて、大変じゃないかな、とか心配になります。こういう車両って、簡単そうで難しいんですよね。塗装とかも含めて……。
こちらは関根氏が製作中の3.5インチのシェイです。キャビンの中もほとんど出来上がっています。しかし、綺麗な作りですね。
関根さんのシェイは2004年の6/2のA&Bレポートが最初のご紹介でした。そのとき、「もう5年もかかっている」と聞きましたので、既に7年になるわけですね。この機関車、まったくのオリジナル設計だそうで、2004年の写真では、4トラックでしたが、その後、2トラックに変更されたそうです。ボイラは、平岡氏のシェイの図面を1.5倍(長さ方向に?)にして製作されたものだとか。
もう発電機も載っています(これは、星野氏経由で入手されたJCFCのパーツだとか)。あとは、もう安全弁と煙突があったら、走れそうですね。ああ、塗装作業が残っていますね。でも、走行は間近ということはまちがいないでしょう。ちなみに、撮影場所は、栃木のバンダイ・レイアウトです(後述)。
いつも素敵な写真をお送りいただいている塩飽氏のいなぎ軽便鉄道です。動力乗用トレーラを機関車に改造されている途中です。先頭の1号機の補機となりますが、2両目の機関車がそれです。実は先頭車は非動力で、後ろのボギィの乗用トレーラにも動力があります。ですから、重連というよりは、電車式かもしれません。この2つの動力で、勾配+急カーブを完全に克服できたそうです。マネージャ氏が気持ち良さそうに乗っていますね。
<栃木のバンダイ訪問>
栃木県の宇都宮の少し手前、石橋というところへ行ってきました。おもちゃメーカの工場、研究所が集まっているところ。でも、この頃は生産の拠点が海外へ移ったため、少し寂しい感じになっています。バンダイは、ここにトイ・ミュージアムを作ろうとしていて、来年4月のオープンを目指しているそうです。
さて、そこの広大な敷地のほんの一部に、全長300mの5インチのエンドレスが敷かれています。星野氏に誘われて、お邪魔しました。東京は朝から雨だったのに、何故かここだけ降っていません。さすが星野氏です。
ドイツ型のタンクはナローなので少し大きめで、大変好みのプロポーション。煙室サイドにドンキィ・ポンプを載せていて、それが作動しているところでしょうか。
星野氏製作のスピーディを運転させてもらいました。直線が100m以上続く高速コースです。どれだけでもスピードが出せてしまうので、怖いくらいですね。日頃低速運転に慣れているので、新鮮で面白かったです。
バンダイ所有のイギリスのコレクションは、もともとロンドンのトイ&モデル・ミュージアムにあったものですが、現在はそのほんの一部だけが軽井沢のワールドトイミュージアムで展示されていて、残りのすべては、ここ栃木にあるのです。こちらでも、ミュージアムをオープンさせるべく、このように展示スペースに既に整えられていました。うーん、お宝の山ですね。一つ一つをじっくり見ていたいところですが、どれだけ時間があっても足りません。
イギリスのコレクションは、乗物(鉄道、自動車、船、飛行機)とドールハウス、人形、などなど。作られた年代は、19世紀と20世紀初頭だと思います。ライブスチームあり、ゼンマイあり、モータあり。金属製、木製あり、でさまざま。整理するだけで大変な作業でしょう。
ミニカーのところにあった、大きな自動車の模型。6分の1くらいのサイズです。木製でした。これなら、木を削って自分でも作れるかな、と思って写真を撮りました。子供が紐で引いて遊ぶものだと思います。
正面玄関の前には、このスチーム・トラクタ(road locomotive)が置かれています。日本には馴染みがありませんが、線路ではなく、普通の道路を走る蒸気機関車です。馬の代わりに荷車を引っ張ったりしたのです。イギリスでは、今も沢山現物が残っているし、模型も盛んに作られているようです。バンダイは、これのプラモデルを出していたことがあるそうです。驚いたのは、ボイラのサイドに、中を覗ける窓が作られていたこと。人間の頭はちょっと無理かもしれませんが、腕くらいなら充分に入る大きさの穴で、内側へハッチが外れる仕組みでした。写真のベルト伝動は、前(左)にある発電機を回すためのものです。
展示されていないおもちゃたちが、倉庫で沢山眠っています。もの凄い量です。この棚は、2番(64mm)ゲージの貨車たち。木製のものが多いです。
ナローのBタンクは45mmゲージです。金属できっちりと作られていました。ディスプレィモデルだと思います。
これは、ロンドンのトイ&モデル・ミュージアムの庭にあったものでしょうか、大きなストラクチャ。古いものではありません。スケール的には、Gゲージの倍くらい。12分の1かな。10軒ほどもありました。2階建てで高さが1mくらい。こういうのを庭に置きたいものです。がんばりましょう。
再び、屋外のレイアウト。ブルーの機関車もナローらしくずんぐりとして可愛いです。これは電動なのです。運転をさせてもらいましたが、とてもパワーがありそうでした。
このほか、発明王エジソンに関するコレクションや、ウルトラマンや怪獣、NゲージやHOゲージの大きなジオラマ、懐かしいゲームマシン(ゲームセンタにある大型のもの)、などなど楽しいおもちゃがいっぱいでした。ただ、すべて古くて、壊れているものも多いので、それなりに修理・復元が必要です。また、展示するには、整理・分類をしなければならないでしょう。それらの労力は極めて膨大なものと予想されます。一般公開は今はされていません。もう少し、待ちましょう。
広報部長が同行しましたので、彼女のブログに別の写真が紹介されることと思います。
<古いおもちゃを直す>
この鉄道のおもちゃは、小学校低学年のとき(40年まえ)にもの凄く遊んだもので、幼稚園のときのプラレールを覗けば、動力付きという意味で、おそらく鉄道遊びのルーツ、すなわち欠伸軽便鉄道のスタート、といえるものです。自分のおもちゃはことごとく壊す子供だったので、今は残っていません。しかし、幸運にも(6年以上待ちましたが)オークションで同じものを手に入れることができました。
届いたその夜から、11時間ほどかけてレストア。スイッチが完全に壊れていたので、最初はタミヤの逆転スイッチを組み込む改造をしましたが、少々無理があることがわかり、元のパーツの金具を利用し、プラスティック再製する方針に切り換えました。車輪のゴムも劣化していたので、輪ゴムをタイヤに貼り付け、坂を上れるように直しました。
結果的にうまく動くようにはなったのですが、このおもちゃには構造的に欠陥があり、走っているときは問題ないのですが、停止状態でプラスとマイナスがショートしやすいのです。毎回乾電池を取り外せば問題ありませんが、それを忘れると、ときどき熱くなっていてびっくりします。
動作としては、チンチンと音を鳴らしながら、機関車がナベトロを連れてスイッチバックの路線を往復します。ナベトロの中身をホッパにあけ、また下でそれを受け取る、という作業を繰り返します。ポイントを自動的に切り換えたり、すべてメカニカルに作動するのです。
ところで、栃木のバンダイにこれと同じおもちゃがありました(というか、なんでもある)。ただ、そちらは、機関車の色が違っているし、機関車のサイドに別のON/OFFスイッチが付いていました。やはり、確実に電源が切れるように改造されたのでしょう。つまり、そちらが改良版だったのです。こちらのオレンジの方が古いことになりますね。
<井上昭雄氏から>
4月のスペシャル・オープンディのとき、制作中の(電気式)機関車を井上氏に見てもらったのですが、モデルニクス製のコントローラがパルス幅を変えるチョッパ式で、低速のときにモータがキーンと高い音を出すのが、「蒸気機関車としてちょっと残念」というお話をしたら、「周波数を人間の耳に聞こえない領域にすれば簡単に解決できるよ」とおっしゃっていたのです。なんと、そのパーツが(ほとんど完成状態で)届きました。丁寧なマニュアル(図解、回路図、解説、応用例付き)も付属。井上氏は、いつもこのようにドキュメントを丁寧に作られていて、本当にきっちりした方なのだと頭が下がる一方です。さっそく使わせていただきます。感謝。
こちらの赤い小さな自転車の写真が、井上氏の新作らしいです。ついこのまえ電動スクータを改造したレール・バイクを作られたばかりですが、今度はさらに小さい自転車を改造されたようです(改造というレベルでは既にありませんが)。これは乗れる人が限定されると思いますが、楽しいでしょうね。
こちらの写真は、上記のコントローラのマニュアルの付録として一緒に綴じられていた記事。緑の機関車は、南筑軌道の石油発動車の5インチモデルです。井上さん、こんなのも作られていたのですね。電動ですが、煙が出るようにもされていて、「うーん、なにもかも既に全部やられているな」という感じ。もともと、この機関車のために開発されたコントローラが、「音のしないチョッパ式」だったのです。
以前に拝見したことのあるオットー・ドイッツと重連運転ができるように設計されています。バッテリィでもOK、貨車に載せたエンジン発電機を使ってもOKなど、コントロール系がシステマティックにデザインされているのです。こういうのこそ、本当のテクノロジィだなあ、そして井上さんは根っからのエンジニアだなあ、と大変感心しました。
<気合い充実>
4月のスペシャル・オープンディの余韻がまだありますが、5月もなにかと刺激が多かったと思います。ですから、工作に対する気合いは充実しているのですが、仕事がけっこう忙しく、思うように製作が進んでいません。しかし、焦らずに、ぼちぼちと(でも着実に)前進しましょう。
/☆Go Back☆/