MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
雨上がり

/☆Go Back☆/
前回、記憶だけで曖昧なことを書きましたが、5インチの向心車軸の記事は、TMSのNo.682に掲載されている水町勇夫氏のものでした。また、3軸で急カーブ対応の試みをHOでされているのは、TMS名古屋特集NMRCスペシャルという本にある伊藤剛氏の記事でした。同氏は、どこだったか、ボギィ台車の簡易な三点支持についても書かれていたと記憶しています。こういったこと、5インチで貨車を作ったりすると、非常に参考になります。もっと急カーブを曲がれる技術を研究しましょう。庭園鉄道にはそれが当面の課題です。それから、三浦慶一氏の5インチのトラムの記事はNo.575だと、水町氏の記事の中にありました(手許になく確認していません)。
急カーブ対応といえば、前回お話しした三ツ矢明先生ですが、2年まえにお亡くなりになっていた、と知りました。非常に残念です。だから、プロジェクトの途中にもかかわらず、あの本を出されたのかな、と考えてしまいました。続編が出ることを楽しみにしていましたが、もう願いは叶いません。この技術は、引き継げる人がいないのでは、と思えるほどです。
さて、Onのパイク(小さいレイアウトのこと)を作り始めて、いろいろな材料が必要になりました。たとえば、紙粘土、角材、コルク、ライケンなどです。これらは、以前ならば、町の模型屋さんへ行けばたいてい買えたものです。それが、今ではなかなかそうもいきません。鉄道模型の専門店でさえ、こういった素材を置かなくなってしまったようです。Nゲージャには必要ないのかなぁ……。で、それに替わって、ホームセンタとか東急ハンズなどで買うことになるのです。特に、コルクとライケンは、あちこち探してなかったので、ハンズまで出かけていき、置いてあるものを買い占めてきました。これで10年はもつと思います。
ハンズもしかし、値段は高めだし、それにわざわざ行っても、これというものがないことが多いです。ようするに、店にすべてを揃えておくには種類が豊富すぎるわけですね。つまりは、どんどんネット販売へ移行する、ということでしょう。送料がかかっても、ずばり欲しいものが手に入ることは非常に重要です。ただ1つの難点は、通信販売だと、箱やクッションなど、余分なものが一緒に届くことで、このゴミの処理をなんとかしてくれたら完璧なんですけれどね。宅配の人が回収してくれるサービスが(有料でも)あると良いと思います(あちこちで書いていますが)。
上の絵ですが、アールヌボーでしょう? 実は、弁天ヶ丘線の2つめの記念ピンバッジの図案です。乗っているのはガチャピンではありません。まだ発注しただけで、実物はできていませんが……。
<芝を刈りました>

西庭園の芝刈りをしました。このようにすっきり綺麗に。このまま、冬になると茶色になって、また春になると緑になるわけです。これくらい草が短くなると、Gゲージの線路を敷いて遊びたくなります。天気が良ければ、ですけれど……。
<On30レイアウト>

庭園鉄道の季節ですが、残念なことに雨が多いため、外に出られません。前回に引き続き、On30のレイアウトを毎日少しずつ製作しています。
段ボールと発泡スチロールで作った山には、紙粘土を貼り付けました。上の写真は、それに半分ほど色を塗ったところです。

これがそのアップ。紙粘土は、今回は軽量タイプを使用。数百円のもの1袋で山のすべてをカバーできました。表面にはドライバなどで適当に傷というか筋を付け、それらしく造形します。乾いたら、プラカラーを塗っていきます。乾くまえに塗ると、せっかくの筋が消えてしまいます。
もう1枚は、コルクの皮を埋め込んだところ、まだ周囲と馴染んでいませんが、色を重ねるうちに、だんだんつながってきますし、この上に、植物を生やせば、地肌はほとんど隠れてしまったりします。

3色ほど適当に塗り重ねたあと、線路のレールと枕木を赤っぽい茶色で吹き付け塗装。そのとき、岩肌にもちょっとアクセントで吹き付けました。だんだん、それらしくなってきます。
線路の付近が染まってしまいましたが、あとで、バラストを撒くので大丈夫です。

谷の部分。谷といっても浅いものです。橋というほどのものではなく、簡単な木造の足場のような骨組み。いわゆる、Timber trestleの貧弱なやつですね。本物は、枕木がこんなふうではありませんが、今回は簡単にフレキシブル線路をそのままで使用。角材は3mm角で、細めです。HOスケールの車両が走ってもおかしくない、中庸を狙っているためです。
谷に置いてあるのは、石膏で作った岩の模型ですが、これは雰囲気を見ているだけ、もったいないので今回は使いません。

はい、バラストを撒きました。本物は砂利ですが、これは砂です。細かいので、いらいらしてしまう作業ですが、NゲージやHOゲージに比べたら比較的楽です。砂を撒いたあと、木工用ボンドを水で薄めて、砂の間に流して接着。線路は塗装をしたあと、上面だけサンドペーパでこすって塗装を剥がします。もちろん、機関車がレールから集電するためです。そうなのです、ここが5インチと違うところ。このサイズの鉄道模型って、すべてレールから電気を取って走っているのです。
谷の付近も紙粘土で地肌を作りました。薄めのダークイエローを最初に塗ったところ。緑の草らしきものは、ライケンといって、苔の一種です。このようにジオラマで草木を表現するときに使います。写真は、まだ適当に置いて、感じを出しているだけで、本番ではありません。

48分の1のフィギュアをハンズで見つけたので、買ってきました。機関車に乗せたり、かたわらに置いてみると、俄然情景が生きてきますね。でも、振動でばたばたと倒れるので始末が悪いです。レイアウトが完成したら、接着した方が良いでしょう。

ビートのミニチュアカーも置いてみました。これ、特注というか、注文生産で作ってもらったもので、市販はされていません。
針金とライケンで作った樹が立っています。草はスポンジをちぎって貼り付けました。まだ、着色まえで、感じを見ながら作業を進めている非常に楽しい段階。絵を描いているのと同じで、ぼんやりとしたものが、だんだん、フォーカスが合ってくるのです。

谷のところも草木が生えました。小川はまだ泥が流れているみたいな状態。もう少し澄んだ水を流したいところです。木製橋も色を少しだけのせました。ここからさきが長いというか、1年くらい、ときどき色を足していく、という感じの作業になりそう。限りなく完成に近づくものの、けっして完成はしない、双曲線のグラフみたいなものですね(笑)。

ガレージや工作室は、北側にしか大きな窓がないため、昼間でも照明をつけて仕事をしています(そういう設計)。南に大きな窓を開けない主義だからです。さて、小さな天窓から、珍しく太陽光が差し込んで、レイアウトに光が当たりました。このチャンスに撮影したのがこの写真。レイアウトの正式な写真は、屋外に持ち出して自然光で撮影するのが常道です。川縁の崖の植物が増えています。まだまだ、これからですけれど……。
しかし、On30は、弁天ヶ丘線と比べると8分の1のサイズになりますから、逆に、このレイアウトを5インチで作ろうと思ったら、3.6m×7.2mのスペースがあればできるわけです。これはつまり、8畳間を2つ並べたサイズですから、狭いですよね。そんな狭いところに、5インチのこんなレイアウトを作ったら、楽しいでしょうね。人間が乗れなくても見ているだけで面白いかもしれません。今度家を建てたら、そういう16畳間を作ろうかな。しかし、周囲に見て歩くスペースか、吹き抜けにして上から眺めるところが必要でしょうね。山の中にデスクを置いて、工作室もトンネルの中にある、というデザインなんかどうでしょう(おお、これは真剣に検討しようかな……)。トンネルの外は中庭にしても良いかもしれませんけれど、雨が降ったらあちこち造形物が崩壊しそうです。ちなみに、カーブは半径1.6mになりますね。シェイなんか走れるはずもありません。
<備品>

模型の蒸気エンジンをいくつか持っていますが、この手前の緑のシリンダのものが一番最近手に入れたもの。日本のSAITO製ですが、かなり古いタイプ。2気筒で、逆転もできます。コンプレッサで回して遊ぶくらいですが、ラジコンの船に組み込むのが王道でしょうか。Gゲージサイズのシェイかクライマックスに利用できないこともないかも。
もう1枚はOゲージの駅と信号。レトロなおもちゃでHornbyのものとか。もちろん、Star Field経由の品です。写っていませんが、右にほんの少し見えるのが、前回ご紹介したスノープロゥ。駅にいるコックさんは関係ありません。ここ、書斎のデスクの上です。
<他社からのおたより>

木内氏からのレポートで、長野県白馬に完成した木村氏のレイアウトの写真です。自宅の敷地内に150mのレイアウトを建設されたとのこと。大型蒸気も走れるゆったりとしたレイアウトのようです。あそこ、夏は涼しいですよね。冬はスキーをするしかないような気もします(一度行ったことがあるだけで、いい加減なことを書いていますが)。沢山の機関車が集まったようで、他にも沢山ご紹介をいただきました。感謝。
<シェイ>

数日まえにアメリカの森林鉄道のビデオを見て、そこに出てきたシェイが素晴らしかったので、作りかけのOnレイアウトに、バックマンのシェイを置いてみました。この機関車は残念ながら、このレイアウトの半径20cmのカーブは通過できませんので、直線部に置いて、ちょっと前後に動かす程度です。まあでも、やっぱり良いですね。レイアウトの方も、その後地道に草木が増していて、ディテールはさらに濃くなっております。

そうそう、そのビデオで、煙突からもうもうと真っ黒な煙が立ち上る様子を見ました。隣の山から見ても、どこに機関車がいるかわかるだろう、というくらいもの凄い量の煙です。フォトショップでちょっと描いてみましたが、実物はこの3倍くらい出ていました。あまり沢山描くと嘘っぽいので、これくらいに(せっかく作ったバックのシーナリィが見えなくなるし)。
シーナリィ関係は、だいたい下書きが終わったくらいの感じで、これからまだ細かい粉を振りかけていきます。色もまだまだ変わります。少し普通の手順とは違う独自の方法なので、時間がかかりますが、メリットは、作っている途中でいろいろな季節が楽しめる(笑)、ということでしょうか。

この機関車はシェイみたいですが、シェイではありません。向こう側にもシリンダがないのです。三ツ矢先生の本にもありましたが、ギルバート(Gilbert)式とか、ダンカーク(Dunkirk)と呼ばれているようです。エンジンはV型でキャブ内にあるようです。その点ではハイスラーに似ていますが、伝動系からクライマックスの原形、と紹介されていました。これはOn30ではなくHOスケールです(したがって、枕木が大きい)。
<雨上がりのパトロール>

ずっと雨が続いていました。本当によく降りましたね。台風も嫌というほど来ました(嫌といっても来ますけれど)。週末は雨でなかなか機関車が出せませんでしたが、ようやく台風一過の晴の日曜日。まずは、10号機となった単端で、線路の状況をチェックしながら走ります。ウッドデッキは、ますます緑っぽくなっています。まだ落ち葉はそれほどでもありません。
ローアングルから1枚。梯子を作ってから、カプラと干渉することがわかって、片側短く切り落としています。こういうところに、設計図のない行き当たりばったりのデザインの跡が見られるというものです。後ろの窓に、黒く見えるのが後方用カメラです。これは針穴式の小さなもの。カメラ本体からアンテナが伸びているのが見えます。

南庭園は、草が伸びすぎたので、線路を覆っている部分を取り除きました。被さっているだけなので簡単です。でも、これだけの量。ないときは、早く伸びないかな、と思い、伸びると、そんなに伸びるなよ、と思う、実に人間は勝手なものです。自然と人間の関係とは、つまるところ、このバランスかと。
西庭園はまったく問題がありませんでした。雨が降ると、地盤が沈下したりするのですが、弁天ヶ丘線は、実は、地面の上に直接のっている線路が、全体の2割もないのです。一番心配なのは、西庭園駅の木橋の下の辺り。あそこは土を盛っているからです。今回は大丈夫でした。写真は、井戸の付近を通過中。

森の中のクロッシングです。この付近ですね、地盤沈下が心配なのは。庭園工事以前は、自分で盛り土をしていたため、少しずつ下がっていました。
クロッシングが現在2つあります。今のところトラブルはなく、この部分で脱線したことはありません。

さて、午前中はまだときどき雨がぱらつきましたが、少し晴れ間が見えてきました。風も爽やかです。なにか新しい工作を始めましょうか。課題は山積みなので、どれから始めましょうか、という意味ですけれど……。
まずは、ウエスを洗って、ここに干す作業から始めましょう。そうなると、ちょっとみっともなくて写真になりません。この場所は、工作室のすぐ外側で、木を切ったり、ヤスリをかけたり、塗装をしたり、という作業スペースなのです。
<ノスタルジィ>

初公開かもしれませんが、ガレージの2階のコーナです。ここは昼寝用のスペースで、本を読みながら、うとうととする、というくつろぎの場所。夏は暑いから駄目ですが、この季節からは使用できます。この頃は、模型の船の設計図を眺めているので、図面が沢山ちらかっている状態です。
かなりレアだと思いますが、ライブスチームで世界的に有名な日本のAsterがその昔に発売していたタグボートのキットです。もちろん、Aster製の蒸気エンジンを動力として、ラジコンで走らせます。他にも、Saitoのヘラクレスなんかも、まだキットを温存しているので(笑)、もう老後の蓄えは充分です。今後なにも買わず、模型三昧で作り続けても、絶対に作るキットが不足することはありません。このAsterのボートは、船体も金属製で、これは珍しいでしょう。塗装済みです。

懐かしいキットついでで、こちらは「模型とラジオ」に連載した渡辺精一先生の2B1ですが、シャーシと動輪、エンジン、ボイラなどのパーツを揃えました。記事のコピィもあるので、いつか作ろうと楽しみにしています。
どうして、こんな懐かしいものが出てきたのか、というと、探しものをしたからで、Oスケールのストラクチャのキットを探しているのですが、まだ見つかりません。温存したまま行方知れずになるキットが沢山あって困ります。捨ててないから、どこかにはあるはずなのですが……。でも、そういうのは、まだまし。酷いのは、買ったこと、持っていることさえ忘れてしまうケースです。でも、偶然見つけたときは、「わ、持っていたんだ、これ」とか「買った夢を見たと思っていたら……」なんて感じで、もの凄く嬉しいですから、それはそれでけっこうな状況かと。
<充電中>

さあ、そろそろ秋らしいからっとした天気になってほしいですね。ガレージの片隅で、AB10が充電中です。だいたい、1回の充電で、1カ月くらい遊べます。以前は2カ月くらいもちましたが、やはり路線が長くなったせいでしょう。現在、充電器は2台使用しています。単端の後ろにいる青い蒸気機関車もそろそろ面倒をみてやらなくては……。これ、レールモータという名前の機関車だと、星野氏に教えていただきました。まさか、そんなちゃんとした機関車だと思いませんでしたので、今までほったらかしです。
中央手前は、コッペル。ただ今、シリンダの修正加工を待っているところ。右の方にフォークリフトがいます。なんとなく忙しそうな雰囲気です。
<秋晴>

翌日は、朝方大雨でしたが、すぐに晴れました。高い空が秋らしい晴天です。日差しが眩しく、日向は暑いくらい。でも木陰は涼しい。本当に良い季節になりました。AB10の列車が、10月になって初めて、久しぶりに出動です。ずっとこの編成なのは、気に入っている証拠でしょうか。ガレージの東側から出てきました。
南庭園の石畳をゆっくりと走ります。一頃に比べると、緑の勢いは衰えました。枯れている草も多いです。

こちらは西庭園。芝を刈ってから1週間ほど経ちますが、ずっと雨でした。でも、少しまた緑になった気もします。今のうちだけでしょう。冬にはすべて茶色になるはず。このカーブは、母屋の大屋根から雨が沢山落ちるため、いつも保線に苦労をしていましたが、今のところまったく大丈夫です。ちなみに、母屋には雨樋がないのです。雨樋があっても、こんな樹の多い場所ではすぐに枯葉で詰まってしまうから、という理由のようです。

西庭園駅の渡り橋なんですが、少し重くて、外すのが大変なので、いつも外しっぱなしになっていました。今回、ちょっと両側に積み木をして、15cmほど高くしてセット。これだと、頭を下げると通過することができます。自分一人で遊ぶには、この方が楽しいので、しばらくこうしておきましょう。もちろん、ぐらぐらなので、上は渡れません。お客さんがいるときは、安全のため外した方が良いと思われますが……。

楽しいですね。何周もしてしまいました。ゆっくり走ると、1周に5分ほどかかります。まだ、ガレージ線を使っていません。もう少し寒くなって、虫がいなくなったら、ガレージの戸を解放します。そうなると、ダブルリバースを活かして、走り続けながら、逆回りに切り換えることができるようになりますので、それが、この冬の楽しみです。
おや、工作室では、また新たな車両の製作が始まっています。どうやら、動力車ではなさそうですね。どんなふうになるのでしょうか……。
<正式開業>

例年は10月から開業していました。これからがシーズン本番だということ。この秋から冬にかけて、弁天ヶ丘線はけっこう忙しいです。雑誌の取材を1つ受けます。それから、パーティ的なオープンディを数回開催する予定。さらに12月は、弁天ヶ丘線の株主総会なるものが、東京で開催されます(これはつまり、講演会です。定員300名)。別分野で少々忙しくて、工事をサボっていますが、なんとか取り戻しましょう。
/☆Go Back☆/