MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
納涼列車

/☆Go Back☆/
小学5年生のときでした、それまでは自由気ままに工作をしていましたが、初めて、工作雑誌に載っている図面を見ながら、そのとおりに作ってみました。出来上がりは、なかなか素晴らしく、周囲からも褒められたのですが、どうも、それは自分のものではない、というふうに感じて満足ができませんでした。
ラジコン飛行機の場合も、キットは図面があって、そのとおりに作っていけば良いので難しくありません。一方、自分のオリジナルを作ろうとすると、1つ1つの寸法を自分で決めなくてはならない。また、その長さや形1つ1つに理由が必要になります。
キットではなくフルスクラッチする場合、スケールモデルではこういった悩みが比較的少ないといえます。実物を忠実にスケールダウンすることが、大いなる「理由」になるからです。何も考えず、ただ、割り算をして、できるかぎり実物の形になるように作れば良いのです。目標が単純明快なのですね。本当は、単にスケールダウンすることが本物らしさを作り出すか、というと、実は少し違いますけれど、とりあえずは「寸法がスケールどおりだ」という主張は客観的な説得力を有します。
それに比べると、フリーモデルというのは、理由を考えなければならない分だけ、スケールよりも難しいといえるのですが、もちろん、いろいろな障害のためスケールどおりにできない部分にぶつかるため「スケールは難しい」と一般には言われています。また、いい加減に作っておいて、「これで良い、フリーなんだから」と言い訳する方法もあって、これも、フリーがスケールより下、という印象を助長しているようです。
どちらがハイレベルか、などという議論は無意味です。各自が好きなように作れば良いのです。少なくとも僕の場合は、スケールの方がはるかに簡単に工作ができる、という印象を持っています。だって、最初からお手本となる図面があるのですからね。
模型人生も半ばを過ぎていますから、そろそろ自分のスタイルを確立して、オリジナリティを出していきたいと思います。これまでインプットが多かったですが、もうアウトプットし始めないとね。
と偉そうなことを書きましたが、別件で忙しく、最近は、工作の時間がほとんど取れません。ただ、毎日少しずつ何かをしていますし、3日に1度は、外に機関車を出して動かしています。夏なのに、とても珍しいことです。猛暑ですが、森家の庭は、例年に比べてはるかに涼しげです。それに、日も短くなり、朝夕も過ごしやすくなりました。もう暑さのピークは過ぎたのではないでしょうか。
もう10日ほどすると、『ミニチュア庭園鉄道2 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の大躍進』が発行になります。お楽しみに……。
<芝の緑>

芝を敷いてから、ほとんど雨らしい雨も降らず、炎天が続いています。朝と夕方に水をまいてやらないといけません。水やりは、西庭園の芝だけで30分ほどかかります。でも、努力の甲斐あって、すくすく育っている模様。緑が深くなってきました。1枚目が前回のレポートの頃、2枚目がその1週間後です。いずれも、ガレージの2階の書斎から撮影。

さらに1週間立ちました。雨が降りませんが、芝はこのとおり、とても綺麗です。どこかに穴を作ってパターゴルフでもしようか、とスバル氏がおっしゃっていました。

西庭園駅の端です。レンガの階段と丘の切り通しの壁の間を線路が抜けていきます。柱の1本は、ご覧のように丘に半面が埋もれています。こういう傾斜のところにも芝がちゃんと貼れるものなのですね。
<標識>

線路脇に幾つか標識(サイン)を立てました。全部で30個くらい作りました。作り方は、色のついた塩ビ板に、マスキングテープを全面に張り、そこにサインペンで書いた文字や記号をカッタナイフで切り抜き、その上から白や黒のスプレィを吹き付ける、という手順。写真の「×」は、この先にクロッシング(平面交差)があるので注意という意味です。ちなみに、マークは弁天ヶ丘線仕様なので、実際のものとは異なります。

「コーナで足許に注意しろ」という赤い標識。それから、この先は「下り勾配なのでゆっくりと」という青い標識。
正直に言いますと、自分一人で運転する分には標識なんかいらないわけです。では、どうしてこんなものを作っているのか、というと、第1の理由は、「飾り」です。沿線の風景が引き締まるから。それから、第2の理由は、自分以外の人に運転をしてもらうときに、少しでも役立つか、と考えてのこと。

こちらは、S字カーブがあるための「徐行」。そして、その先にあるクロッシングの予告です。
2枚目の「R×R」の標識は自作したものではなく、実物の2分の1で作られた製品。RRというのは、鉄道(Railroad)のこと。

駅は、右が茶色の木の柵。左が白いプラスティックの柵、という不統一。出口の両側にレンガが積んでありますが、ここは、ゲートを将来作る予定で、今は雰囲気をいろいろ試しています。鋼製のアーチでも良いかな、とも考えています。
もう1枚は、南庭園から西庭園へ入るところで、やはりクロッシングの予告の黄色の標識。その下にある「YIELD」は、ようするに「譲れ」という意味ですね。日本でいうと「一旦停止」かな。安全が確認できているときでも、日本は一時停止しなければなりませんから、「譲れ」の方が数段、合理的な気がします。
<列車が走る>

涼しい風に誘われて、AB10の列車が出動です。庭園の草木も成長しています。もう少し雨が降れば、もっと綺麗になるでしょう。残念ながら、植物の名前はほとんど知りません。植物に限りませんけれど。
西庭園をのカーブは、スイスのベルニナ特急を思い出しますね。似ているのは、緑と赤のコントラストだけですが。

走りながら写真を撮りました。周囲の風景が動いて、良い感じです。しかし、スピードは速くありません。とてもゆっくりと走ります。急カーブということで、モデルニクスに薦められて、この機関車を2段減速仕様にしたことは本当に正解でした。
メインラインについては、何度も両方向へ走りましたが、勾配で問題となる箇所はありません。非常に走りやすくなりましたし、機関車が無理をするところもなくなったと思われます。

それにしても、いつの間にこんなに大きくなったのか、というくらい樹が枝を伸ばし葉を茂らせています。松があったときは、それが目立っていましたが、広葉樹で一番高いものも、そろそろ10mくらいにはなりそうです。樹木というのは、実物は凄く大きいものです。10mや20mなんて小さい方で、森林になる樹はもっともっと高いのです。HOスケール(87分の1)にしても、50cm以上は優にあるでしょう。6分の1に縮小して、だいたい、今この庭園にあるくらいの高さになる、ともいえます。ですから、これで、ほぼスケールどおりかも。
このところ、AB10はずっとこの編成です。運転しているのは、3両目のウェル・ワゴンの後ろのシート(赤いのが座るところ)。つまり、機関車の先頭から4mくらい後ろになります。人を乗せるときは、2両目の客車のボディを外して座ってもらいますから、運転者よりも前に乗客が座ることになります。前方の見晴らしが、その方が良いだろう、という気持ちです。
<他社からのおたより>

星野さんからのレポートです。写真は、千葉県大網の菅さん宅の庭園鉄道。自宅の周りを回る1周約90mのエンドレスとか。ゲージは3.5インチ(89mm)です。走っているのは技功舎の機関車でしょうか。
もう1枚の記念写真、雑誌などでお見かけしたことのある方が……。楽しそうですね。このまん中に写っている腕木信号機は、イギリスのメーカのもので、最初、紹介されたとき、森もこれを輸入しようかと思ったのです。なんとか、真似て作ってしまいましたが、きっとずっしりとした良い感じの製品なのでしょう。
ところで、信号機で1つ勘違いをしていました。腕木信号機の腕は、線路側ではなく、線路の外側に出るものなのですね。今までの弁天ヶ丘線の写真は全部反対ではありませんか。ストップが「通せんぼ」という意味だから、線路側に差し出されるものだとばかり思っていました。実物を見たことがないので、こういうミスをしてしまいます。
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青梅の加藤さんから、新型機関車の写真が届きました。ニイザキME製の超小型機関車の下回りを使った3.5インチのDLで、なんと、車体のサイズは長さ26cm、幅14cmだとか。ほとんどGゲージのサイズですね。車重は9kgで、こんなに小さくてもちゃんと大人を1人引いて走ることができるそうです。凄いですね。ボディはペーパ製だそうです。
乗用トレーラの台車が、技功舎のベアリングを使って自作されたもので、相当性能が良さそうです。弁天ヶ丘線の運材車と同じ車輪でしょうか。左右の車輪を軸に固定していないと、抵抗が減るようです。加藤さんは、この他、ターンテーブルも最近作られ、庭園鉄道、ますます発展しているようですね。
自宅の庭でプライベートに楽しむならば、本当は3.5インチがベストだと思います。人を大勢運ぶ必要もありませんし、小回りはきくし、ハンドリングも楽だし。ライブを作るときも、小さな旋盤でOKだし。もう少し、3.5インチの製品(特にナロー関係)が出ても良いのに、と思いますが・・。

実は、このところ、4回ほど、ラジコン飛行機を飛ばしにいってきました。クラブの飛行場は三重県の員弁にあります。そのラジコン飛行場のすぐ近くを、この近鉄北勢線が走っているのです。もの凄く小さな電車で、線路の幅も60cmくらいしかありません。大変有名なナローなのです。でも、電化していて、写真のように3両編成の電車が走っています。ついこのまえまで、紫とオレンジの縦縞2色という派手なカラーリングでしたが、最近、黄色1色で「小さな山手線」みたいになりました。デジカメの望遠で撮った無人駅なんか、本当に模型のようです。バックの森林の大きさを見て下さい。ジオラマの樹がいかに小さいかわかると思います。

こちらは、茨城の小城さんのポッポハウスからの写真です。前回は、つくばエクスプレスの2両編成でしたが、今回は、スイスのRhBのペンデルツーク3両編成。イベント用の車両なので、ボディにパソコン出力のカバーを被せて模様替えができる設計とか。少なくとも6人は乗れるようですね。後方は3.5インチのポータですね。
<デキ3とプリムス>

ガレージ駅周辺は、夕方の涼しいとき、少しずつ工事をしていますが、まだ、どうするのかきっちりとは決めていません。デキ3が静かに発車していきます。引いているのは貨物と客車の混合列車。
デッキの上は、独特の走行音が響きます。機関車や、引いている車両によっても、それぞれに音が違います。編成を変えると、また違った音がします。雨が降ったあとのレールは、いつもと違う音がします。これは、サウンド装置が出しているわけではない、自然の音です。良いですね。

この駅があるところを、トーマが横切ります。ここが彼の通り道だったのです。新しいアプローチが、レンガサークルの方に作られたのに、かたくなに自分の道を通ろうとします。柵ができて通りにくくなっているのに、それでも通ろうとするのです。
この写真のときは、柵のところにレンガが並べてありました。その後、これは他の場所へ移動しています。玄関ポーチには、古いベンチがまだ置かれています。かなり老朽化していますが、軽量の人ならまだ座れます。万年紅葉のモミジも、この季節は半分は緑。

引き込み線に待機するプリムスの貨物列車。こちらのモミジも半分は緑です。同じ緑でもいろいろな緑があって、とても綺麗です。トンネルの中の暗闇も良い感じ。機関車のすぐ手前に小川があって、ここの橋は、まだこれから作る予定です(ほとんど見えませんけれど)。
<Gゲージ以下>

Gゲージのフラットカーを塗りました。紫色です。1枚目の写真はウェザリングをするまえ。2枚目の写真の奥にあるものが、ウェザリングをしている途中のもの。
手前に並んでるのは、Onの車両たち。カブースは昨年作ったもので、まだ塗っていません。他の3両はプラスティックのキットを組み立てたばかりのもので、これから色を塗ります。一番奥の白っぽいレジンが無蓋車。グレィの2両は、サイドダンプカーです。車輪が全然見えない腰の低さがグッドです。

グースはHOスケールばかりでしたが、これはGスケールの新製品。60cm半径もするすると、とても静かに走ります。できれば、庭園レイアウトで走らせたい車両です。
こちら、夜の駅長です。帽子が少し小さいのでご機嫌斜めかもしれません。
<ガレージ駅>

ガレージの西口です。このドアをかつてはメインラインが通っていましたが、今はガレージ駅の3番線が通過。もう1本の引き込み線の奥にターンテーブルが設置されています。一番右にあるのは、予備の線路で、置いてあるだけです。古い焼却炉もヤードの奥に置かれています。夏の間は、蚊が入るため、ドアを開けっ放しにしていませんので、ここは本格活用されていません。秋から整備をする予定です。
駅の入口には、可愛らしい白いゲートが立ちました。これ、何に使うものかしりませんが、オークションで見つけて購入。おあつらえ向きとは、このことです。ちょっと緑がかったウェザリングも効いていて、なかなかです。右手の白い柵も、レンガも、そしてゲートも、すべて仮のもので、置いてあるだけです。最終形は模索中。
<ラジコングース>

数年まえに遊んだタミヤのポルシェ。学生たちとレースをして優勝したことがあります。この無線装置をそっくり取り出して、弁天ヶ丘線で活かそう、という試みです。
バッテリィは7.2Vのニッカド。受信機とアンプも取り出しました。この木製の箱みたいなのは、グースのボディの中。空っぽですが、ウェイトの目的でレンガが3つ入れてあります。アンテナもちゃんと立てました。
いつもは12Vのバッテリィで駆動しているわけですから、7.2Vでは全然不足ですが、低速で動かすくらいならできるのでは、と試してみました。

一応成功です。なかなか快調に動きました。でも、ぐるっと1周して、2周目になったら、電池切れでストップ。やはり容量が多少不足している感じです(バッテリィの充電不足かも)。スロットルは3分の1くらいで、まったくの低速の範囲です。スロットルを上げることは恐くてできません。グースの手前に送信機が置いてあります。12Vが使えるラジコン飛行機用のアンプを使うか、それとも、7.2Vのバッテリィを並列にして、容量をアップするか……。
とにかく、ラジコンによる無人運転のメドがつきました。グースはこのままいつでもラジコン運転ができる両用とし、それとは別に、ラジコン専用の新しい車両を作り始めています。2枚目の写真が工作中の下回り。さて、どんな車両になるでしょうか……。
<沿線イベント>

デッキでバーベキューをしました。ライブスチームの石炭焚きに比べれば簡単なものです。テーブルとコンロを新調しましたが、これらは弁天ヶ丘線の車両がここへ運び込みました(ホームセンタから運んだのはスバル氏のミニですが)。
デッキは耳掃除をされる場所なので、滅多に出てこない監督も、さすがに匂いに誘われて登場。熱いのに間近まで接近して待機しています。こういうときは、まるでペットみたい。

食事が済んだあと、納涼列車が運行しました(いつもどおりでどこも変化はありませんが)。午後7時、ヘッドライトを点灯させています。写真ではちょっとわかりませんね。初めて、3人乗ってメインラインを一周しましたが、問題なく走ることが確認できました。
<納涼運転>

別の日の午後6時半くらいの西庭園です。そろそろ、納涼列車が運行する時刻です。芝がますます深くなっています。

タイミング良く訪れた某出版社の編集担当者2名を前に乗せて(その後ろに運転手が乗って)走っているところ。乗客には1人1つずつ携帯蚊取り機を付けてもらいます。ゆっくりですけれど快調に走りました。大人3人乗りが、現在の路線で、AB10のほぼ限界かな、と思います。勾配だけのところはOKですが、勾配とカーブが重なると多少苦しそうなモータ音が聞こえます(その音が良い、という見方もありますが)。もっと強力な機関車をそろそろ製作しなくては。
あっという間に暗くなって、ヘッドライトを点灯。ミツ目が通るトレイン! いやあ、今日も夜風が涼しいですね。
<車両工場>

さきほど写真をご覧に入れた新車の下回りを裏返したところです。モータで1軸をチェーン駆動。グースと同じパーツですが、車輪径が76mmで小さめです。ホイルベースは260mmにしました。230mmくらいにしたかったのですが、チェーンを切るのが面倒でしたので……。モデルニクスの76mm径車輪は、最近、軸径が変更になって太くなっています。ピローベアリングが大きくなりました。その向こうに、ハーゲンダッツのアイスクリームがありますね(笑)。
2枚目の写真は、コントロールのツマミをサーボモータで動かそうとしているところ。つまり、ラジコンのとき、アンプを使うのではなく、モデルニクスのコントローラをダイレクトに動かそうという最も単純で確実な方式に変更しました。

工作室は、ボール盤がフライス盤の隣に来ています。庭園大工事のとき、ボール盤を車両に乗せて屋外へ出して使っていたのですが、帰ってきたら、もう工作台の上にボール盤が乗るスペースがありませんでした。
このシールドバッテリィは、ポイントマシンに使っているものです。1度充電すると2カ月くらい遊べます。モデルニクスのポイントマシンですが、ちょっとした不具合があるごとに、メーカがすぐに対策を講じてくれて、既に数回細かいバージョンアップをしています。素晴らしいサービスですし、こういうのが「技術力」だと思いました。今は、受信感度を上げるための改造をしてもらっているところで、それで、ここにバッテリィだけがある、というわけでした。
今日は台風のおかげで雨が降りました。水やりをしなくても良かったので、その分、工作が進んだかな……。
/☆Go Back☆/