MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
弁天ヶ丘線の夏

/☆Go Back☆/
すっかり夏になりました。当然ながら暑い日が続いていますが、ときどき、涼しい風が吹く爽やかな日があるものです。そんなチャンスを逃さず、30分の時間を見つけてすぐに遊べる、というのが庭園鉄道の最大のメリット。
それに、日が長いこの季節、早朝や夕暮れの一時も貴重な運行時間だということを発見しました。蚊の対策については、スキンガードと携帯蚊取りを組み合わせれば万全です。あとは団扇を持っていると完璧。なかなか風流ではありませんか。
しかし、乗って走れば、あれこれ小さな問題・課題を発見します。だから、ずっと長時間連続で乗っていられることはあまりなくて、見つけた問題を解決したくなり、ときには汗を流すことになるのです。ネジは必ず緩みますし、石はいつもレールの上に乗るのです。メンテナンスしましょう。常に整備、常に点検。
上の写真は、森の中を抜けてくる9号機プリムスの貨物列車。こうしてみると、ここの風景だけは以前とあまり変わりがありません。もちろん、路面が整備されたため、アップダウンがすべて緩やかになって、走りやすくはなっています。今回は、緑に映える、この赤いディーゼルの写真が多いです。
<2004年記念切符発行>

2004年の記念切符を発行しました。欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線として、これが4枚目の記念切符です。実物大のものが8月上旬発行の『ミニチュア庭園鉄道2 欠伸軽便鉄道弁天ヶ丘線の大躍進』に収録されています。この切符を持っていても、弁天ヶ丘線に乗れるというわけではありませんが、その他のことであれば、いろいろ用途を考えてご自由にご利用下さい。
<早朝営業>

日曜日の朝5時に目が覚めたので、プリムスを出動させました。山の上ですので、朝はとても涼しいのです。こんな時間に、すぐ運転ができる環境を、これまでこつこつと築き上げてきました。走行音は静かですが、それでもごろごろと車輪が転がる音はします。モータは2つですが、とても静かです。南庭園の石畳路線から西庭園へ入ってきます。
リバース線に入り、レンガサークルの横を通っていきます。平面クロスを通過しているところ。この近辺もいろいろ草が増えていますね。もう毎日は庭師さんが来なくなりましたので、ちゃんと水をやらなければ。

井戸には石の器がのっています。シダレモミジに合わせて、この近辺だけ多少和風です。その横を通過し、西本線に入りました。「4」というプレートが見えますが、これはポイントに付けたナンバです(後述)。
井戸は、電動ポンプをONにすると、石の器から水が溢れ出て水音が鳴りますが、早朝ですので、今はOFFになっています。レンガサークルからこちらへは、飛び石で近道が作られています。

このポイントは、引き込み線のもの。引き込み線は、真っ直ぐに丘へ向かっていて、トンネルの中へ消えています(実は、通り抜けはできません)。このポイントは本線の運行には無関係なので手動です(したがってナンバはなし)。
ポーチの横を通過し、カーブに入りました。レンガで半分囲われたコンクリートのハッチがあります。将来は何かストラクチャを立てたいポイントですね。

ぐるりとカーブを曲がって、木造橋まで来ました。とても色合いが綺麗です。橋の下にも芝が敷かれました。橋の脚が芝に埋もれています。
奥のアーチ橋の脚元や、小川の中の白い石の後ろにも草が植えられています。

西庭園駅を通過して、橋の下をくぐり抜けます。この渡り橋が、今回初登場のもの。これは、右手が丘、左手はレンガの階段で、それを渡るためのものです。つまり、人が渡る橋。駅のプラットホームですから、お客さんが渡ることになるのです。
ただし、列車に人が乗っている場合は、ここは通れません。そういうときは取り外せるようになっています。
<朝の水やり>

植えたばかりの草木が多いので水やりが大事です。水道は写真のガレージ前と、西庭園の奥の2箇所。こちらの蛇口からはホースを20m以上も伸ばして南庭園をカバーします。
蛇口のコックはカタツムリ。これって、修善寺のロムニィ鉄道にもありましたね。

朝の監督は散歩に出かけるために気合い充分です。姿勢も目つきもきりっとしています。ビニル袋をくわえて、ポーチでスバル氏を待っているところ。口が新幹線の700系みたいになっています。
<周辺設備>

前回のレポートで未塗装だった腕木信号機が完成しました。色を塗って、あとは、梯子を作りました。真鍮のパイプに穴を開けて、ハンダ付けで組み立てたものです。駅に置いたところが1枚目。
もう1枚は、西庭園駅の手前のカーブに置いた場合。こういったストラクチャは、やはりビジュアル的に非常に効果があることがわかりました。1つといわず、もう1つなんとか作りましょう。

本線のポイントに付けられたナンバを示したプレート。これは運転手が持っている無線のコントローラで電動ポイントマシンを操作するために表示しました。プラバンに、数字を書いて(マスキングして数字を切り抜いて白を吹き付けて)作ったものです。この他にも、運行上必要な各種の表示をこれから作っていく予定。
そうそう、以前に紹介した風向風力計は、西庭園駅の上に取り付けられました。風でくるくるプロペラを回し、向きを変えています。
<夏の風景>

ストラクチャについて少し説明します。まず、西庭園駅ですが、レンガの柱の上、木の柱の根本のディテールが完成しました。蔦を這わせるため、既に植物は植えられていますが、パーゴラの上まで届くのはいつでしょう。小さなベンチくらい置いても良いかな、と考えています。
レンガのアーチ橋は、地面が芝で覆われたことと、草が植えられたこと、くらいの変化。こちらは、将来は背の低い手摺を作ろうと考えています。スケールっぽくなるでしょう。

木造橋は、設計段階よりもグレードが高いものになりました。大変立派です。この角度から見ると、軸方向の梁が3本だということがわかります。線路はここも固定されていません。のっているだけです。橋脚の基礎部は地面の下になりました。しかし、ボルトで固定されているので、いざとなればすべてを取り外すことも可能です。
もう1つの木橋が、最後に完成した駅の渡り通路。日頃はこのように渡した状態にしておいて、鉄道に乗るときだけ外します。これもがっちりとした構造で丈夫すぎるくらい。この上にのると、なかなかの眺めです。

渡り橋の上から撮ったショット。この庭にはモミジが沢山ありますね。今回も1本追加で植えていますし……。
<ワークディーゼルと監督>

1号機ワークディーゼルも走りました。運材車4両と、オレンジ色のショートカブースを牽引しています。運材車の前2両は、シートを被せて乗用台車になります。久しぶりですが、調子はまずまず。1枚目は森の中の切り通しを通過中。
2枚目は、西庭園から南庭園へ出てくるS字です。ちょうど、石畳の路線の境界が見えます。もともとは切り株があった荒野でしたね。ここが通れるようになるなんて、土木技術は凄いです。この近辺は土地が低いため、雨のあと水が溜まりやすいので、レールに切れ目を入れて排水の処理などを工夫しました。走る分にはまったく気になりませんが。

監督がスターマークで監視中でした。コンクリートはだいぶ白くなってきましたね。

夏毛のトーマ。黄色いバンドをしていますが、これは散歩用のもの。これに携帯蚊取り機を取り付けています。まさに社長待遇。
<ガーデンGゲージ>

Gゲージを庭で走らせるのも、今後の計画の一つです。今のところはライブスチームは工作室裏のデッキのエンドレスで我慢しています。1枚目の写真は最近加わったAccucraft製のMIMI。1B1のテンダで、ブタンガス仕様。
2枚目は、同じくAccucraft製のシェイ。ミシガン・カリフォルニア#2です。後方にキット組みの貨車を2両並べました。このシェイはライブスチームではなく電動なので、既にホビィルームでは活躍していますが、さすがに精密モデルだけあってLGBのカーブはちょっと無理です。半径1m以上は欲しいところでしょう。

撮影の場所は、西庭園の丘の上。階段の下に5インチの引き込み線が見えます。Gゲージって、芝と相性ぴったりですよね。線路を置いただけで立派なレイアウトになってしまいそうです。
数あるシェイの中でも、このタイプが最も好み。T型の細いボイラと、低い重心。シャカシャカという音が聞こえてきそうです。
<サマーリゾート>

ガレージの書斎の窓からの風景。午後2時頃の日差しです。緑は鮮やかですが、日向は少し暑いかも。でも、今日は風が北から吹いていて涼しいようです。光が綺麗だし、ちょっとだけ運行してみましょうか。

引き込み線の木陰にプリムスの列車が待機しています。この木陰は涼しげですね。年中赤いシダレモミジの樹(の小さい方)の下です。
引き込み線は、貨車を待機しておくことが多いため、線路に勾配があると転がって動いてしまうので、このように枕木の上にのせて水平を出しました。後方はトンネルの中へ消えていますが、深さは1mくらいしかありません。背の高い車両は頭を打ちます。小径に椅子を置いて、車両の整備をするには良い場所です。

小川を渡ってから本線へ出ていきます。以前に比べると、バラストの量が多くて立派になりました。
踏切を渡り、ポーチの横を通過します。ここに新しい樹が植えられましたので、木陰ができました。

このカーブは上りになります。しかし、以前に比べると勾配は緩やかになりました。かなり走りやすくなっています。
もう一度踏切を渡ります。ここにも新しい樹が植わりました。石貼りの小径と並行して西庭園駅へ向かいます。アーチ橋は、この時間には半分は木陰に入ります。

木造橋を渡っているところ。シルエットが芝に落ちて、なかなか綺麗。まるで模型みたいですって、模型ですけど。

西庭園駅に到着しました。しかし、貨物列車なので、そのまま通過します。

ホームを出たところで、渡り橋の下をくぐります。丘の上から見るとこんなふう。
森へ出てきました。ここは芝もなく、草もありません。珍しく土が見える場所です。しかし、秋には落ち葉にすっかり覆われることでしょう。

渡り橋は、桁が2本と、その上にのる板部分の3分割で取り外せます。単に置いてあるだけなので、持ち上げれば外れます。列車はほとんど通れますが、AB10はパンタグラフがひっかかりますし、ビッグワークはもちろん通れません。
森の中にもクロスが1箇所あります。そこを通過しているところ。右手に草が植えられています。雑草が取り除かれたので、すっきりしていますが、いずれはまた鬱蒼とした雰囲気になるでしょうか。

逆から見た風景。森一番の大木の左を通過していきます。大木とのクリアランスも今回改善されました。沢山の枝が頭上に伸びていて、頭に当たらないように首を下げないといけない箇所が多々ありますが、それもまた面白さのうちでしょう。
<ガレージ待機>

開通した新線をまだ走っていない2台。8号機のサファイアと7号機のカトー7ton。蒸気機関車を走らせるには時間がないし、ガソリンエンジン機関車も、さすがに早朝は気が引けます。涼しくなったら、出られるでしょうか。
<夕涼み>

またも夕暮れ営業です。日没後、7時半くらい。急に暗くなる一時がベストですね。駅の腕木信号機が若干水平になっていませんが、これはネジが緩んでいる証拠。プリムスが本線を一周して戻ってきました(乗らずにぐるりと一週回すとけっこうスリルがあります)。
踏切には、ミニが。こうしてみると、ストラクチャを作ったときには是非とも照明をつけたい、という気持ちになります。

エンジンはかけていませんが、カトー7tonも駅まで出てきました。ヘッドライトは乾電池で点くようになっています。信号機の裏側の様子がわかるでしょうか。赤白の羽根の裏は白黒です。構内にスコップを持った作業員が2人くらいいてほしいところです。

この踏切はまだ警報機も遮断機もありません。危険です。せめて標識くらい立てないと……。

さあ、暑くなってきました。室内に待避して、工作にかかりましょう。
/☆Go Back☆/