MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
全線開通!

/☆Go Back☆/
7月に弁天ヶ丘線が本格運行したことは、かつてなかったはずです。もうすっかり夏ですね。日差しが厳しくて暑くて……。でも、木陰が沢山できました。緑に囲まれています。携帯蚊取り機を胸にぶら下げて、汗をかきながら活動していますが、それでも、日中はクーラの効いた工作室へ逃げ込みます。やっぱり早朝と夕暮れどきが良いです。
しかし、普段の仕事は、研究も執筆もいずれも座ったままで、指だけ動かす作業。これは非常に肉体的に楽です。土日は工作などで体力を使い、とても疲れます。疲れたら仕事をして躰を休めている、という毎日なのですね。ホント、趣味は躰に悪いけれど、ときどきは仕事をして健康を取り戻しましょうね、皆さん。
上の写真は、夕暮れ。西庭園が緑に再び覆われました。以前よりだいぶ綺麗な緑です。緑の中だと、この赤い電車が似合います。スイスの電車も赤いでしょう?(ごり押し)
『ミニチュア庭園鉄道2』の編集作業が佳境です。発行は8月10日頃の予定。前回よりも少しだけ薄くなりますが、安くなって、全ページフルカラーで、HPにはない書き下ろし部分もかなりありますので、楽しみにしている方はお楽しみに……。ちなみに、その次の『3』は2005年の春頃を予定しています。
さあ、待ちに待った3カ月半ぶりの全線開通です。非常に嬉しいです。日曜日に朝の5時頃から目が醒めてしまうくらい嬉しいです。長らく思い描いていた形が、現実になりました。うーん、まだ満喫するほど走り込んでおりませんが、ぼちぼちと少しずつ出し惜しみしながら楽しみましょう。今回のレポートは、やや写真が多いかも。
<路盤工事>

庭園工事の最終段階。線路の下の路盤を固めて均している様子。これはバラストを敷く直前です。この状態でしっかりと土を閉め固めます。微妙な勾配があるし、それが一番肝心な部分なので、杭の間に糸を張って、いつもレベルを確かめながら工事を進めました。

こちらは西庭園の母屋寄りところ。カーブの部分は、周囲よりも少し高くなりますので、路肩から斜めにしました。2枚目は引き込み線へのポイント。赤い線は、バラストを敷くための目印のスプレィです。

このようにバラストを敷きました。丸い石(玉砂利)は不向きで、砕石という、岩を砕いた尖った石が適します。大きめのものを先に敷き、ここでまた叩いて閉め固めます。この上に線路をのせ、さらに細かい砕石を撒いて、微調整をします。だいたい本物と同じ工程ですね。
<監督業務>

監督が朝の確認作業中。新しい土が入っているので匂いが気になってしかたがありません。1枚目でベニア板の上に乗っていますが、レンガを並べたので、セメントが固まるまでの養生です。左手には、芝を貼るまえの土の仕上げが終わった状態。
2枚目でレンガを並べているのは、コンクリートの排水口を埋めないための算段です。向こうに開いている穴は、樹を植えるためのもの。監督が歩いているところが、だいぶまえに完成した小径。玄関ポーチの付近です。

外されている線路が小径に積まれていました。監督は小川の匂いをチェック中。これだけ新しい砂が入ったら、猫が来るのではないか、とスバル氏は期待していましたが、残念ながら西庭園ではまだ目撃されていません。
アーチ橋の手前では、新しい木造橋のための基礎工事が行われていました(後述)。
<木造橋>

今回の庭園大工事の最後の難関と言われている木造橋の工事がいよいよ始まりました。まず、基礎をモルタルで作りました。橋の両サイドは、本物の枕木です。橋はすべてが直線ではなく、向こう側で最後に少しカーブが入ります。橋脚は5本で、手前が2本、向こうが3本。小川を渡るところがスパンが一番飛びます。
大工さんが作ってきた橋脚を取り付けたところが2枚目。線路の下に通る梁は3本にしました。非常に硬い木材で、持つとずっしりと重い材質のものです。かなり耐久性がありそうでした。構造的にも非常に頑丈です。数百kg程度ではびくともしません。

1日目はここまで。基礎部分には金具でボルト止め。梁と柱もL型金具を介してボルトで固定されています。

これが2日目で、完成したところ。既に基礎部分は土に埋まりました。小川を渡る部分だけ、梁背のあるサイドビームを取り付け、柱から斜め材の補強を渡してあります。土はこのあと、草を植える予定です。
<芝の庭園>

芝を貼り始めました。1日でここまで進みました。早いですね。穴が開いていたところには、樹が立ちました。線路のカーブが綺麗に見えます。
2日目には、さらに芝が広がりました。あともう少しです。右にぎりぎり見える丘も芝で覆われました。
<西庭園駅>

さあ、新設の西庭園駅の構内です。木造橋を渡って、列車が初めてここまでやってきました。このようにプラットホームは位置が高いです。ここはかつては高架線だったところですからね。機関車のメンテナンスを行うには、この高さが便利なのです。
もう少し引いて撮ったのが2枚目。木造橋が見えます。その手前に階段状の石貼り歩道。そして、アーチ橋の上面を渡る線路、奥にはトラス鉄橋も見えます。この位置からの眺めは、ほぼ完成した絵といえます。

駅は正面から見るとこんなふう。左には丘の斜面が迫っています。芝が広がっています。上屋の木構造は、実は一部未完です。
<メインライン開通!>

庭園工事はまだ1週間ほど作業を残していますが、線路工事は終了しました。ようやくぐるりとエンドレスで走れるようになったのです。まずは、AB10の列車でゆっくりと1周し、少しずつスピードを上げて試します。幸い、脱線はありませんでした。線路はしばらくぶりだったため、表面に砂が付着したりしているため、摩擦が大きくなって、カーブでキーキーと音が鳴りましたので、CRCをところどころに吹き付けました。これでぐんと静かになります。

最初はバラストがときどき車輪に当たりますが、走り込むと良くなってきます。滑らかになってきました。スピードを上げても大丈夫。
何周かしたのち、ガレージ駅へ向かいます。レンガサークルの前の踏切を通過しているところ。以前の雑草ばかりの荒れ地だったところが、こんなに綺麗になりました。

最初は、この樹の左側を線路が通る、という図面だったのですが、どうしてもうまく収まらないので、右を通る配置に変更したのですが、このため、レンガサークルと駅がゆったりとしたスペースになって、良い感じになりました。
駅の構内はまだ工事中です。茶色の柵から手前が駅です。左には今回の工事で植えられた樹があります。
<ポーチの踏切>

西庭園から南庭園へ抜けていく緩やかなS字カーブ。途中から石畳になります。樹やブロック塀を避けて、綺麗なカーブで収まりました。白く見えているのは、ポイントマシンです。
レンガサークルの手前にできた踏切のアップ。ここは日頃、人が一番頻繁に通る場所になりますので、線路をモルタルで固定し、レンガをレールの間に張りました。
<ロングラン>

とにかく、かつてなかったロングランが可能になりました。1周回るのに時間がかかるし、風景も変わってとても楽しいです。1枚目の写真は、西庭園の母屋寄りのカーブ。やや上りです。レンガのアーチ橋を見ながら、線路は木造橋を渡ります。
この近辺は、芝がまだ完成していません。木造橋を渡ると、西庭園のステーションに到着です。

駅を出発して、最初のカーブは切り通し。左にモルタルの壁が迫ります。この左が今回できた丘になります。

西庭園を後に、南庭園へ出てきました。石畳の上で走行音が変わります。右手は鬱蒼とした緑。緩やかにカーブして東を向いて、一時停止。
このあたりが一番ゲートに近いので、荷物やお客さんを乗せることもあります。向こうにダルマ転轍機が見えています。
<腕木信号機>

腕木信号機を試作してみました。いつものごとくスケールには拘っていませんが、だいたい4分の1で製作しました。車両に合わせるならば6分の1ですが、それでは小さすぎます。なにしろ、乗っている人間が1分の1なのですから。表示設備は4分の1か3分の1、ときには2分の1が適切かな、という気がしています。
羽根とメガネの部分はベニア板を糸鋸で切り出したもの。サーフェイサとサンドペーパでつるつるにしました。2枚目は、未塗装なのに、外で立てて使ってみたときのもの。ポリカーボを裏にネジ止めしたのですが、透明の赤がホームセンタで売っていなかったため、オレンジ(というか黄色)です。赤を見つけたら変えるつもり。ポールは塩ビ管です。

駅に仮設置しました。色が塗られていないのでピンときませんが、でも感じは良いです。今のところ手動です。柱の根本にレバーがあって、カウンタバランスも付けました。ライトは、人間が頭に付けるタイプの懐中電灯(まさにヘッドライト)で、電池も内蔵式、防水タイプです。発光ダイオードなので、かなり省エネみたいです。非常に明るいのでびっくり。このライトが一番高い部品でした。全部で4000円くらい材料費がかかっているでしょうか。
<グース保線活動>

久しぶりです。箒を付けたグースが出てきました。レールの上の掃除をします。
弁天ヶ丘線の中では、このグースが最も非力です。1軸しか駆動しませんので、乗っているとき、体重のかけ方によって走りが変わります。また、サスペンションがなく、リジッドの4軸なので、線路の捻れに対して弱く、一番脱線しやすい車両といえます。だから、これがうまく走れば、線路状態は大丈夫、という判断ができるのです。

木造橋も恐る恐る渡ってみました。大丈夫のようです。この橋に一番似合うのはグースでしょうか。

アーチ橋の上もOKでした。このアングルは良いですね。そういえば、知らないうちにステッカが増えていませんか。
<デキ3周回>

次はデキ3です。バッテリを後続の無蓋車にのせて走ります。客車の部分が、乗用シートです。駅の茶色の柵は、まだ仮のものです。手前に新しい植物が植えられました。
駅の構内は玉砂利を敷いています。柵の内側に並んだレンガも、柵を支えているだけで、仮のものです。駅のディテールについては、涼しくなってから、いろいろ作りたいと考えています。

南庭園線は、初めてのデキ3です。この機関車はもともとドイツのデザインですから、こういった風景にはすんなりと溶け込みますね。少なくとも、カトー7tonよりは似合うと思います。。
2枚目で、列車が停止しているところが、南庭園駅です(今決めました)。

西庭園へ入ってきました。南国の雰囲気になりますね。ジャングルというか、トロピカルというか。路線はダブルリバースなので、どちらへも走りながら向きを変えることができます。
2枚目は、アーチ橋の上を通過中のショットです。

この角度をもう一度。良いですね。ごとんごとんという音が聞こえてきそうでしょう?
<弁天ヶ丘線の夕べ>

7/4の日曜日。夕暮れは風が吹いて涼しいです(台風のせい?)。監督はスターマークの定位置にいます。暗くなると、庭のライトが自動的に点灯します。
転轍機の表示燈は、こちら向きはブルーです。AB10もヘッドライトをつけました。弁天ヶ丘線では、電池がもったいないので、機関車は昼間は点灯していません。しかし、暗くなると、ヘッドライトなしでは走れないくらい暗くなります。したがって、ホーンはなくてもヘッドライトは必須なのです。

ガレージ駅で、仮設置の腕木信号機のテストです。腕が上がると停止、下がると進めです。待機しているのは、デキ3です。隣の引き込み線には何故かナベトロが。
右に眩しく光っているのは、レンガサークルの照明で、これは40W。非常に明るいので、これで、暗くなっても後片づけが楽にできます。

では、信号が青になったので出発です。デキ3のヘッドライトは、12Vの電球で、走行用のバッテリィと共有です。赤いテールライトも可愛いのですが、見えません。

あっという間に暗くなってきました。いつまでも遊んでいたいですね。
<シーナリィ>

庭園工事はまだ完成ではありませんが、もう劇的に変化するところはないといえます。1枚目は、ポーチのそばにある引き込み線へのポイント。ここは手動レバーです。緑の芝にレバーの赤が映えます(と思っているのは、誰かだけ)。
2枚目の写真が、上の写真であった排水口の処理のレンガ部分。こういうふうになりました。こういった処理があった方が、風景が面白くなります。ポーチに丸太が転がっていますね。どこへ置こうかな……、と悩み中。

丘も芝で覆われました。枕木階段の横にあるトンネル。そこまでの線路は、枕木の上にのっています(この近辺は未完成)。
南庭園から、レンガサークルを通って、ポーチへ、というアプローチが、なかなかのパースペクティブになりました。いやあ、長かったですね、工事。お疲れさまでした(まだ終わっていませんが……)。
<夏の旅立ち>

昨年の夏といえば、工作室に籠もって、あれやこれやと製作に励んでいましたね。今年も頑張らなくては。夏休みも間近です。いつまでも、どこまでも、作り続けましょう。
/☆Go Back☆/