MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
庭園大工事 part5

/☆Go Back☆/
機関車も出てこない、線路さえほとんど写っていない、というレポートがこのところ続いていましたので、いったい何の製作部か、不明確になりつつあるA&Bレポートです。今回は、珍しい晴れ間を見つけて、機関車を少しだけ運転しました。梅雨はまだなのでしょうか。「梅雨の走り」というのだそうですが、何か先見の明があって「さきがけ」ているわけでもないのですから、「走り」なんて言わずに、もう「梅雨だ」と宣言してしまっても良いように思いますが、余計なお世話ですね、きっと……。
雨が多く、また台風が接近するなど、もう夏? みたいな曖昧で不思議な季節ですが、緑はいつの間にか生い茂り、深みを増して、自分たちの世界を構築しています。雑草もぐんぐん伸びています。線路はすっかり見えなくなってしまいました。機関車たちはガレージからなかなか出ることができません。
しかし、線路工事はいよいよ佳境です。上の写真をご覧下さい。とうとうアーチ橋の工事に着手しました。待ちに待った大プロジェクトです。詳しくは、またのちほど……。
さて、6月号のTMS(鉄道模型趣味)で見つけた嬉しいニュース。平岡幸三氏の『ライブスチームのシェイを作ろう』が近々刊行になるとのこと。超有名な英語バージョンの本をいずれは買おうと思っていましたけれど、これは嬉しい。新しい内容なのでしょうか……。とても楽しみです。5インチの寸法も載っていたら良いなあ、とか妄想中。
それから、弁天ヶ丘線が4台導入したナベトロのメーカ、イギリスのRide on Railways LtdのサイトのNewsに、我が欠伸鉄道のことが書かれていました。一番興味を持たれたのは、やっぱりタミヤのウニモグだったみたいです(笑)。
<殺人現場か>

晴れ間が1週間ほど見られない、という天気予報でしたので、それに備えてテントを張って備えました。小雨程度ならば、仕事ができる、という環境作りです。これが功を奏して、雨続きの1週間(台風も接近)でしたが、結局1日も休むことなく作業が大いに捗りました。これまでは1週間に1日や2日は雨でお休みになっていましたから、それに比べると格段の効率アップ。自然環境に恵まれない地方ほど作業効率が高くなる、というエンジニアリングの歴史を証明したかのようです。
写真には、まだ機関庫が写っています。転轍機の陰になっていますが、トラス鉄橋もまだあります。テントのロープ止めの重りに、松の丸太が使われています(笑)。作業は、先週立てたレンガ柱の後方、新線の橋脚工事に入りました。

これがテントの中。1枚目の写真は、アーチ橋の両端部のレンガ壁です。向こうにもう1枚見えます。幅は約60cm。橋の長さは3mですが、中間に1つ脚が立ちます。
2枚目の写真は、半円形のベニア板。これがどのように関係するのか、想像してみましょう。

これが、デッキ側の壁。アーチ橋の一番右端になります。デッキの上部からは1m離れた位置に立てました。つまり、1mの短い鉄橋を渡ってから、アーチ橋の上に乗ることになります。

さて、同様の作業をさきに進めるため、アーチ橋に続く高架部の橋脚を、レンガで作りました。やはり幅は60cmですが、軸方向の厚さが20cmあります。線路のカーブに合わせて、それぞれ向きを変えます。全部で6本立てました。現在は、取り外した線路ものせてあるので、線路が2本のっています。
線路はこのように直接のせるわけではなく、L型鋼材の梁で補強を行う予定です。

テントの位置が日によって変わります。まだ機関庫がありますね。その左には土が盛られています。ここは小山になる予定で、このため後方に土留め壁を作ったのです。
しかし、こういった作業現場の雑然とした雰囲気って良いですよね。このまま模型にしたい、と感じたあなたはナローファンです。

少し接近して1枚。先日完成したコンクリートブロックの壁の部分です。これからどんなふうに変化していくのでしょうか。
<監督と備品>

噂の監督です。犬の姿をしていますが、実は○○君です。やはり、この場所が座り心地が良いようですね。コンクリートは最初はグレィですが、日が経つとどんどん白くなります。そうすると、洗い出しの部分が黒っぽく際立って、今よりもコントラストが鮮明になるでしょう。

300円のアルミシャーシを買ってきて、最近自作したトランジスタコントローラです。たぶん、12V、30Aくらい。5インチの機関車の運転用です。といって、方向とスピードしか変えられません。ブレーキもありません(弁天ヶ丘線はもともと低速運転のため、ブレーキがほとんど不要なのです)。変なところにヒートシンクを付けてみました。レトロなダイアルは、粗大ゴミの機械から外してきたものです。
もう1枚はSAITOの4サイクル3気筒エンジンですが、まえからある170(28ccくらい)と同型の90(15ccくらい)を入手しました。フォードのフライバという飛行機が大好きで、そのスケール機を製作するつもりなんですが、それに合うエンジンが欲しかったからです。これは飛行機製作部(現在半休業中)の話題でした。
<天気回復>

久しぶりの晴天です。まだあるまだあると書き続けてきた機関庫ですが、いよいよ本当にこれが最後の写真になります。さようなら。

はい、なくなりました。庭がぐんと広くなった感じです。レンガの柱の間をつなぐ壁もできています。さあ、これがどんな構造物になるのでしょう。丸太はまだ転がっています。これは大事です。
<アーチ橋の建設>

アーチ橋の工事です。既に両側に壁が立っています。位置決めのために、さきに作られました。下の地面も掘り下げられ、綺麗になりました。
上の方で写真があった半円形のベニア板に、薄いベニア板を曲げて打ち付け、カマボコの形の型枠を作りました。それをセットした写真が2枚目です。

デッキ側から撮影しました。奥の工事現場も見渡せます。小さくトラス鉄橋が見えますが、わかりますか。いつの間にか位置が移動していますね。
カマボコ型の型枠を2つ並べて、その上にレンガを積んでいきます。レンガが積まれ、モルタルが硬化したら、型枠を壊して外すわけです。

まだレンガが積まれていない方と、レンガを積み始めた方をアップでそれぞれ撮影。コンクリートのブロックは中央後方の壁になります。

ようするに眼鏡橋みたいな形になります。出来上がったら、弁天ヶ丘線の一番の名所になることでしょう。
<土木工事>

トラス鉄橋は、ここへ移設されました。レンガの柱や壁が立っているさらに奥、裏側になりますので、玄関や庭の中心部からは見えません。まえの位置だと、新しいアーチ橋と同じ視界に入るため重なってごちゃごちゃすることと、目立たないところに隠されているのも面白いかな、というデザインです。しかし、こうしてアンティークレンガの橋脚に支えられると、トラス鉄橋もずいぶん立派に見えますね。今までの雰囲気とはまるで違います。

森の手前に作られた小山です。土をどんどん運び入れて、盛り上がってきました。高さは1m弱くらいになる予定です。起伏をつけて、変化を出そうという意図。線路が見えなくなる効果もあります。
その土留めの様子が2枚目の写真。樹の幹が1m近く土に埋まってしまうため、幹の回りに金網を張り、その中に発泡性の粒を入れたみたいです。幹が呼吸できるように、という庭師さんの説明でした。幹を埋めても、枝や葉が出ていれば良いのでは、というのが素人考えでしたが、そうではないようです。

線路は切り通しのカーブを抜けていくことになります。板をガイドにして、上面の仕上げモルタルが塗られています。
側面もモルタルの仕上げが終わった写真が2枚目です。ざらざらの手触りに仕上げてもらいました。綺麗な曲面です。
<ナローのディテール>

ディテールをちょっとだけ大きくご紹介しておきましょう。こういう線路際の雰囲気がOスケールくらいのレイアウトで出せると素敵ですね。きっと接触不良になるでしょうけれど……。
<デッキの線路工事>

雨が降らない週末は久しぶりです。現在、列車を運行できるのは、南庭園線とデッキ線のみ。そのデッキで、線路工事をするため、工具や資材を載せて作業列車が向かいました。既に監督が現場で待っています。どんよりとした曇り空でしたが、蒸し暑い日。監督の口が開いています。笑っているのではありません。

線路は、単に置いてあるだけ。高さや傾き調節などをまったくしていません。木材ですから、反ったり、多少の変形があって、凸凹していますので、線路はところどころわずかに浮いていますが、車両が通るときは重さで接地します。いいかげんですが、脱線したことは一度もありません。
奥に見える大木が桜です。スバル氏は、この桜の樹を物干しにしているのです(6/6発行の『ラピタ』をご覧下さい)。

まず、北西コーナのカーブの線路取り替え工事です。半径2mを半径3mのカーブに変更しました。建物のコーナぎりぎりまで線路が近づきますが、一応、弁天ヶ丘線の建築限界(そんなものがあったのか)をクリアしています。
2枚目の写真で、手摺に立て掛けてあるのが、今までの半径2mのカーブ線路。

次に、少し戻って、北デッキの東寄りの地点に、4番ポイントを設置しました。引き込み線の増設です。北デッキの中央部が駅になりますので、ここに列車を1編成停めておけるようにするためです。ゆくゆくはもう1機ポイントを増やして島形の線路配置にして、両側から来た列車がすれ違えるようにする計画ですが、一人で遊んでいる分には、その必要はありません。これで充分でしょう。
<夏はデッキでコーヒーを>

工事といっても、とにかくスタッフが怠け者ですので、休憩が多いのです。少し作業が進むと、すぐにコーヒータイムになり、しげしげと線路を眺める、あるいは、試運転を繰り返す、という案配です。デッキの腰掛けにコーヒーカップがのっています。ここをビュッフェにして、庭を一週回るごとに停車してお茶を飲む、というような運転形態を想像しつつ工事を続けます。

6分の1の人形を立てて写真を撮ろうと思い、いろいろな人形を探しましたが、どうも、どれも頭が小さい!(笑)。機関車がそもそも頭でっかちのナローですから、それに合った、プレィモビルのようなフィギュアが似合うと思います。もっと、スコップやツルハシが似合う人形も欲しいのですが、なかなか適当なものが見つかりません。
<夜のガレージ>

雨の日曜日は久しぶりに東急ハンズへ出かけてきました。そこで調達したもので簡単に作った表札。シェルティの顔が800円しました。それから、入れ物の缶が可愛かったので思わず買ってしまったボッシュのハンドドライバ。リチウム電池っていうのが、ウリのようです。線路工事のときの、ナット回しに使えたら良いな、と思いますが、どうでしょうか。

夜は照明をつけてトラム(HOe)を走らせます。市電の模型は昔はもの凄く欲しかったのですが、なかなかありませんでした。一頃ブームになったためか、今は沢山のモデルが出ていますけれど、どうも、長くなっていたり、くねくねする奴だったり、好みの車両がありません。2軸で短くて中央に大きなヘッドライトがあるものが良いのですが……。
<アーチ橋工事つづく>

ちゃくちゃくと工事が進みます。形ができてくると嬉しいですね。ほぼ、外側のレンガは積み終わりました。中身はモルタルと、少しだけ鉄筋を入れます。もう一段、レンガを並べて完成のはず。次回のレポートでは完成した姿を!
/☆Go Back☆/