MORI Hiroshi's Floating Factory
Model Railroad Workshop
<機関車製作部>
庭園大工事

/☆Go Back☆/
3月末に始まった庭園大工事は、工期2ヶ月ほどの予定。まずは南庭園の石畳の工事にかかりましたが、この石張りだけで3週間くらい優にかかりそうです(まだ半分もできていません)。今回のレポートはほとんどそれについてです。
工作の方は、いつもにもまして、毎日時間を多めにとって、体力も消耗しつつ進めましたが、とにかく、線路を切って、そしてつなぐという作業の繰り返しでした。これには4週間以上はかかったと思います。それでもまだ電動工具があったからこれだけ短期間でできた、もの凄く効率が良くなったから間に合った、という感じ。そして今はちょっと一息です。しかし、まだ西庭園のデッキへ上がるメインラインは線路がつながっていません。線路がつながっても、高さ調節があるので、開通までにはあと1カ月以上は必要でしょう。
ようやく、このところ、この機関車製作部が方々に認知されてきたというか、メールの数が増えてきました。その中には、以前から雑誌などで森が一方的に知っていた有名なモデラの方もいらっしゃって、各種の情報をお寄せいただき大変恐縮しています。どうもありがとうございます。この世界には、本当に良い人ばかりですね。皮肉ではありません。本当にそう思います。
そういった人脈ももちろんとても大切だと思います。しかし、ガリバー線の社長もおっしゃっていましたけれど、「どうも大勢いるところは苦手」、こっそり一人だけで楽しむ方が、森は向いているようです。わいわいがやがや大勢で楽しみたい人も、当然いらっしゃるでしょう。特に大型機関車が好きな方は、広い場所が必要ですから、なかなか一人ではできません。その点、庭園鉄道は、基本的にプライベートな楽しみだ、と考えてます。孤独の素敵さを感じることが、主目的というか……。
寒くもなく、暑くもない、良いシーズンですね。デッキでは桜が咲きました。庭園鉄道の季節です。さあ、頑張りましょう。
そうそう、上の写真の9号機プリムスですが、前回、6分の1スケールか、なんていい加減なことを書きましたが、5分の1の間違いでした。ちょっと背が高くないか、という印象でしたからね。
<南庭園大工事>

南庭園、ガレージ前です。地面を15cmほど掘り下げ、平らにして、今から砂利を敷こうとしているところです。

これが、西庭園から延びてきた線路の端。この木とブロック塀の間を抜けて、南庭園を横断するカーブへつながる予定です。この辺り、切り株があったり、地面が盛り上がっている難所でしたが、重機を使ってこのとおりすっかり平らになりました。
2枚目は、ガレージ前の反対(東)側。ここでは、線路がコンクリートの上から、石畳の中へ入っていきます。石張りの処理が難しいところです。どうなるのでしょう。木の枠は、コンクリートを打つときの境界です。

砂利を敷き詰めて、突き固めています。今までずっと、単なる土の地面だったので、雨の日はぬかるんだりしました。こうして均すと、(切り株がない分)けっこう広くて、自動車の切り返しもできるようになるでしょう。
鉄筋の網(メッシュ)を置いているところが次の写真。斜めに通っているのは電気配線を通すためのパイプです。庭の照明などに使います。
<線路工事同時進行>

さて、南庭園はもう左官屋さんと庭師さんにお任せして、そこ以外の線路工事を着々と進めています。まずは、西庭園の森の中。大木を避けるように、本線を微妙に変化させました(写真の木の右側の線路)。これだけのことで、ずっと通りやすくなるでしょう。これまで、文字どおり肩身の狭い思いをしていましたから……。左側のカーブが、新しい路線です。
それを逆側から撮ったものが、2枚目の写真。クロッシングで一度庭園の中に入り、ぐるりとループを描きます。この近辺の線路は既に仮固定されていて、長さの調節や位置決めはだいたい終わっています。

駅の線路工事もほぼ終わっています。あとは微調整を残すのみ。ホームは3線あって、真ん中の2番線は行き止まりです。両側1番線と3番線は、いずれへ行っても本線に接続されているので、どちらからも進入できます。ここで、列車の追い越しが可能になります。
さらに3番線から分岐した引込線にターンテーブルが設置されます(ここは線路がまだつながっていません)。蒸気機関車のためのピットも作る予定。ちゃんとした機関車庫を建てたいところです。
<コンクリート&石張り>

生コン車が来ました(スバル氏に撮ってもらった写真)。コンクリートを打設しているところです。生コン車は合計4台来ました。
石を張り始めたところの写真です。道路側から張っていきます。最初の1列が並んだときの様子です。

石畳を通過する線路の工事が近づいてきました。そのために、まず、枕木の両端をカットしました。庭師さんが持ってきた、高速カッタ(砥石で切断するタイプ)で作業中の写真と、もう1枚は、切断したあとの線路。石を近づけて並べるのに邪魔になるからです。

コンクリートが硬化したので(ちなみに、コンクリートは乾くのではありません)、線路を並べて、位置の最終確認をしているところ。ガレージ前の定位置に監督の姿が。
一方、道路側から張り進んできた石は、3日目でここまで来ました。ベニア板は、人が通るためのものです。なんか、できたばかりなのに、ずっと昔からあるみたいな風合いですよね。やっぱりアンティークの石にして良かったと思いました。
<9号機デッキへ>

線路工事のため、全線不通です。しかし、部分的に通れる路線もあって、ガレージ線の半分と北デッキ線はOKです。上の写真は、線路工事になるまえの西庭園の引込線で、今はここまでは機関車は行けません。4月中には、一部だけ開通する見込みですが、全体が回れるようになるのは5月末か、6月かもしれません。毎年、6月から9月は夏期休業としていますが、今年は6月は営業してしまいそうな予感。

これは4月10日の北デッキ線です。桜がほぼ満開です。とても暖かくて、雨の少ない4月ですね。

反対側から撮りました。デッキでコーヒーを飲んだり、雑誌を読んだり、ということが気持ち良い、ちょうど良い季候です。一年中こんな風だったら良いのに。
ところで、ナベトロの一番前の車両に、この写真のようにシートをのせ、そこに座って運転をしています。こんなことができるのは、ナベが傾かないようにストッパが付いているからです。下のベニア板は足置きです。この赤いシートは、運材車を乗用トレーラに使うときのパーツで、ナベトロの大きさに合ったのは偶然です。いろいろ互換性があって合理的ではありませんか。
<線路と石>

庭の工事が始まって10日目くらいです。石畳と線路の取り合わせが難しく、今回の工事の最大の難関。何が難しいかというと、線路は機関車がスリップしないように所定の勾配以内でなければなりませんが、一方の石畳は、雨の水が溜まらないように勾配が必要なのです。既設のコンクリート敷きや、周囲の地面、それに他の線路との連結など、辻褄を合わせる難しさ、があるわけです。もちろん、工事は左官屋さんがしてくれるので、見ているだけ……。早くできないかな、と心待ちです。
水の管でレベルを慎重に出して、糸を引き、線路の高さを決めました。コンクリートよりも数センチ上がっています。これが周囲の石の厚さになります。木片を敷いて、高さを調節しているところです。

線路の連結を確認して、いよいよモルタルで固定していきます。
もう1枚の写真は、張り始めて5日目の石張り工事の最前線。まだ全体の5分の1くらい。これが線路に到達するのに、あと1週間くらいでしょうか。

片側に石を並べて線路を固定していきます。線路の両側に石を並べることになっていますが、もう片側は、線路両側と石畳のエッジの取り合いがあるため、ちょっと複雑になりそうなので、まず内側で固定することになったようです。
なんか、片方に石が並んだだけで、とても良い感じ。これまでの弁天ヶ丘線にはなかった雰囲気が既に出ています。

カーブの半径は4m。一応、メインラインはすべて半径4mです。北デッキ線は半径3m(一部2m)で、やや過酷です。引込線や、ガレージ内のヤードは半径2mのところもあります。
石が並びました。今週の工事はここまです。早くここを通りたいものです。
<ポイント整備>

このところ、工場では毎晩、これを作っていました。ポイントの切換レバーです。以前、量産型として試作品を紹介しましたが、あれと同じものを5つ制作しました。大量生産は確かに効率が高く、5つ作る時間は、最初の1つを作る時間の2倍くらいでした。ドリルの刃とか交換する時間が短縮できるわけです。でも、まる1週間はかかりましたけれど。
これを実際にポイントに据え付けたところが2枚目の写真。ちなみに、赤い部分はタミヤのプラカラーの蓋ですが、もともと赤い塗料の蓋だったわけではなくて、赤く塗装をしています(そんなに赤ばかり減らない)。

ガレージ横の駅は現在こんなふうになっています。柵がありますが、これは仮に置いてみただけ。もとは西庭園にあったものです(たしか、ホームセンターで1つ280円だったかと)。駅の構内を囲う柵があって、ゲートがあると良いな、とは考えていて、これらは、いずれちゃんと作りましょう。
それから、2枚目には、駅構内に設置された5燈信号機が写っています(目立ちませんね)。工作室で脚の部分を作りましたが、出来上がったものを、ここまで運ぶのが1人では無理だったので、スバル氏にお願いして2人で運び出しました。倒れないように、上部でワイヤを張ってあります。それから、壁際の給水タンクの奥にある白い箱は、スイッチボックス(配電盤っていうのかな?)ですが、これまで機関車庫の横に置いてあった廃物品(以前はプールのポンプのための設備)です。今はただ置いてあるだけです。

メインラインのポイントは、電動切換機(ポイントマシン)がセットされました。一番クリティカルだったのは、写真のポイントで、木の根本がぎりぎりでしたが、なんとかセーフ。
ここは、西庭園から南庭園の石畳へ出ていく路線です。白いポイントマシンが見えています。何度も書きますが、大きな切り株があった荒れ地でしたね(しみじみ)。すっかり平らになりました。
<ちょっと休憩>

古いおもちゃを入手しました。Oゲージのライブスチームです。燃料はアルコール。首振りエンジンで動く一人前の機関車。1930年代のものです。最近、45mmではなく、32mmのライブスチームが増えましたから、Oゲージの線路も考えないといけません。
もう1枚は、飛行機用のエンジンで、星形7気筒4サイクルエンジンです。かなりコンパクトで、直径は20cmほど。実用性は低いですが、回して遊ぶには良いでしょう。

こちらは、HOのレイアウトを走る自作のディーゼルカー。これはHOeでフリー(自由デザイン)です。10年ほどまえに紙と木で作ったもの。
<ペイント・デー>

日曜日は暖かい晴天。今日は一日ペンキ塗りです。新しく購入した線路の枕木の部分に焦茶色を塗る作業。スプレィではなくて、刷毛塗りです。延々とこれを続けました。切ったばかりの松の丸太が作業テーブルになっています。ときどき、自作のナベトロの黄色を吹いてやりました。昨年作ったあとの塗装が全然駄目だったので、ペーパをかけて塗り直しです。黄色って、難しいんですよね。10回以上塗り重ねないと、綺麗になりません。スプレィが安もの(1缶150円くらい)、ということもありますが。
塗られた線路は、このように方々に立て掛けられて乾燥を待ちます。今日だけで20本以上塗りました。この写真でお気づきかもしれませんが、先日切られた松が、2本とも撤去されました。それから、森の奥の笹の葉っぱ、綺麗だなんて喜んでいたましたが、庭師さんによると、これは、隣の敷地から進入したやっかいな代物らしく、なんとか対処をしないといけないそうです。森が竹林になってしまう、ということでしょうか……。

まだ不完全ですが、ようやく綺麗な発色になってきました。駅の構内でぴかぴかのナベトロです。弁天ヶ丘線では最小の車両です。
<メンテナンス&開発>

AB10は、以前は室内に仕舞うために、毎回バッテリィを外していたのですが、ガレージができたため、ずっとバッテリィも載せっぱなし。どうも最近、バッテリィの減りが早いな、と思っていたのです。今回も、やはりバッテリィが駄目になりました。なんと、2つのうちの1つが、極性が逆になっていて、しかも8Vもあるのです。びっくりしました。こういう現象が起こるのですね。もうどうにもならないようなので、新しいバッテリィをまた買いました。毎回1900円くらいの一番安いものを買っているから、すぐ駄目になるのでしょうか。
モデルニクスに相談したところ、動かさないときは、コントローラを外した方が良いとのこと。これはユニット式(コントローラ主回路とスイッチボックスが離れているタイプ)の特性で、リレーを使っているため微電流が流れるためのようです。
ずいぶんまえに作った機関車だったので、今回コネクタなどの配線をやり直しました。最初の頃はハンダ付けを多用していたのですが、耐久性の観点から、圧着端子に切り換えました。

いろいろ集めた電子パーツ。加塩氏のガリバー線の信号システムに刺激されて、弁天ヶ丘線も、なんとかデジタルのシステムを導入したいと考え、これから試作・開発に取りかかるつもりです(といっても、ほとんどガリバー線のコピィをするつもりですが……)。
1枚目の写真の手前に3列黒いものが並んでいますが、これがIC(集積回路)です。60個ほど買ってきました。1つ40円くらいで安いのです。でも、すぐに壊れるデリケートな部品。電子工作なんて、30年くらいまえにやっただけですから(一応、アマチュア無線技師)、トランジスタまでがせいぜいで、ICなんてさっぱりですので、これから勉強しなければ。
基板に部品をつけて、一番簡単な回路で実験中ですが、どうも思うとおりに動きません。一部わからない点があったので、加塩氏にメールで質問したところ、すぐにお返事が来て、しかも適切なアドバイスもいただけました。現在まだ完璧には作動しませんけれど、信号線の雑音が原因だと判明し、もうすぐ解決しそうです。加塩氏のメールには「対外的には、『それが、また楽しい』などと言っていますが、内心は『クソッ…、なんでだ?』と歯ぎしりをしています」とのお言葉が。まさにそのとおり。うーん、さすがにガリバー線の社長です。これは、「趣味道の神髄」ではないでしょうか(笑)。とにかく、そういうわけで、しばらく「なんでだ?」で楽しめそうです。
<石張り工事>

着工から2週間ですが、現在、南庭園の3分の1くらいに石が張れました。慌てないでゆっくり工事をしてもらった方が良いです。石畳を横断する線路の部分は、慎重に勾配を決めて、既に両側の石をモルタルで固めました。レールの内側は、のちほど、洗い出し仕上げにする予定。
西庭園の工事は連休後になる計画ですが、それまでに線路を切ってつなぎ、位置を確定する必要があります。先日、土地のレベル測量を庭師さんがしてくれて、それによると、最初の頃に比べて、一部の線路はずいぶん低くなっていることがわかりました。勾配が当初よりもきつくなっていたようです。今回は、ちゃんと設定し直す予定です。これは、また次回にレポートしましょう。
/☆Go Back☆/