沖縄独自のスピリッツ・泡盛 瑞泉おもろ10年古酒
久々の更新となってしまいましたが、今回は沖縄県の特産であり、
日本独自のスピリッツでもある泡盛を取り上げたいと思います。
沖縄は他の地域とは違った文化と歴史を持っています。泡盛もその独自の
文化から15世紀までさかのぼって形成されてきたものになり、
その起源はタイの蒸留酒、ラオ・ロンにあるとされています。
15世紀当時の沖縄は琉球王国と呼ばれ、東南アジアの国々と交易していました。
この時、蒸留の技術が伝わり、その後九州、本州と伝わっていったようです
(本格焼酎が九州を中心に発展しているのも沖縄からの蒸留技術伝来の
影響が強かったためだと思われます)。
※なお、泡盛の源流には中国の蒸留酒(マオタイ酒)の影響が強く出ているという説も有力になってきています。
海外から伝わった蒸留技術を元に泡盛は独自の発展をします。
中でも特徴的なものは黒麹菌です。焼酎では白麹菌(沖縄から渡った黒麹菌が
白く変わったものです)が使われていますが、
泡盛には沖縄原産の黒麹菌が用いられています。
黒麹菌はクエン酸を多く出すため、高温多湿の沖縄風土の中でももろみを
腐敗させずに仕込が出来るという事で泡盛つくりには欠かせません。
また、もう一つの特徴は使用している米にあります。
現在泡盛で使われている米はタイ米(インディカ米)です。
これも日本の米を使っている他の焼酎とは違った泡盛の大きな特徴になります。
※以前は沖縄の米や粟も原料として使われていたようです。
原料に特徴のある泡盛は仕込み直後の新酒の時は多少の癖がありますが、
かめで熟成する事によってその癖が消え、まろやかになってきます。
そして3年以上たったものを古酒(クース)と呼んでいます。
今回紹介するものは10年寝かした古酒になります。
"おもろ"を作っている瑞泉酒造は沖縄県那覇市の首里にあります。
首里はかつて琉球王国の時代に「焼酎職」と呼ばれる専門の職人が置かれていた場所です。
また、"おもろ"の意味はその箱に記されており、沖縄の方言で「思う」というものです。
琉球古代に神事・宮廷祝宴等で歌われた神・労働・恋愛と多岐にわたる抒情詩、
「おもろ草紙」がこの焼酎、おもろの由来になっています。
味わいですが、まず酸味がかったにおいが特徴的です。
実際に飲んでみるとまろやかでウイスキーのようでもあり、またグラッパの
ようでもあり、それでいて米の香味も感じられるという独特な味わいを
持っています。泡盛を使ったカクテルや水割り、お湯割りという
飲み方もありますが、この10年古酒に関してはストレートかロックで、
食後酒として飲むのがぴったりではないかと思います。
瑞泉おもろ10年古酒は、大体2500円前後で入手できるようです。
泡盛鑑評会で最高の賞である県知事賞を受賞した
この泡盛、オンライン通販で取り扱っているところも多いようですので、
一度試してみてはいかがでしょうか?