「鹿島鉄道 DD901」

 

 

 昭和31年日本車両製の機関車である。国鉄でDD42として試用された後返却され、関東鉄道へ来たという。常総線から鹿島へ転じ貨物運用に使用されていた。ロッド式機関車の愛らしい走りっぷりにとりこになったのは、この機関車を見てからだと思っている。

 ちょうど叔母の田舎が鉾田にあり、そこに向かう際、夕暮れの石岡駅に国鉄の電車が到着するというときだった、大きな丸い夕陽が沈むまさにその時で、このDD901が貨物を牽いて同時に石岡へ入ってきた。大きな車体ににあわず、ロッドをせわしなく回しながら走りゆく姿を、並走する電車から見とれていた。

 それからというものは、鹿島へ行くとこのDD901がごひいきであったが、写真はと言えば大したカットが残っていない。

 


 

 もうひとつ忘れられないのが、「パンダ号」である。通常はDD902の役目であったのだが、12系11両が入線の折、重連となった。もちろんその先頭にDD901がたつのを想像しながら、楽しみに早朝の石岡へ向かったが、あいにくの雨の上、DD901はロッドがぶれて先頭では危険ということで、往復とも次位となってしまった。とても残念であったが、あの時の編成は見事であった。今のように車があればもっと記録できたのにと思うと残念でならない。

 その後DD13が2台増備され、いつの間にかDD901も動かなくなってしまっていた。初めは石岡に留置されていたが、現在は常陸小川に移された。どんな状態にせよ、健在であるのはうれしい。鹿島へ行くと必ず常陸小川へ立ち寄ってしまう。かなり車体は痛んできた。プレートも盗難にあったのか外されている。ライトや窓ガラスはだれかが悪戯して割るのだろうか、破損している。腹立たしい。いつの日かまた復活することは不可能なのか。私は見守り続ける。たとえボロボロになろうとも、DD901の雄姿は私の記憶の中で生きている。その姿はとても雄々しい。

 

 

 

 

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