「0系新幹線」

 

 

 あまりにも身近に感じて、その偉大さに気づかないでいることがある。いつまでもあるものと思って、ほとんど振り向きもしない大切なものがあったりする。0系新幹線はそんな車両である。

 雑誌の記事を見て驚いた。「本年度中にJR東海から全車引退。現在2往復に充当されている。」「2往復?」あの0系がたった2往復にまで縮小されていたのだ。驚いた。そして何も満足に記録していない自分に気がついた。どうにもならないことだが、このままでは納得がいかなかった。とりあえず、小田原に行ってみた。小田急NSEを撮ってから向かうと、松田を過ぎた頃からみるみる曇ってきた。(まただよ・・・。)帰ろうかと思ったが、仕事が忙しくなるためこれが最後になる予感がした。

 

 

 久しぶりに間近で見る0系。自分なりの構図を求めて見つめ続ける。

 

 

 オフィス街を抜ける姿も記録したかった。しかし、俯瞰できるビルがなかなかない。最近はこの手のビルは警備がうるさく、もめるのが厄介であまり強引なこと出来ないでいる。やっとオカマバーの前で撮る場所を見つけた。足まわりがもう少しでぬけるのだが、これ以上は立ち入り禁止であった。珍しく晴れた。

 

 

 正面から450ミリで捕らえた。少々アンダー気味にいい感じで撮れた。もっと撮りたくなった。自分と同じ頃生まれたデザイン。もしかするとこのデザインから私は鉄道にあこがれ、そして現在に至っているのではないだろうか。そう思うと今の自分のルーツなのかもしれない。あらためてじっと見つめてしまう。復興し成長し続ける日本を象徴した、すばらしいデザインである。

 

 

 

 

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