「上田陶石のGL」

 

 

 

 当HPが縁で知り合った北海道の I 氏の情報でこの保存を知った。氏のHPにかなりボロボロの機関車が載っていて、「BUICH」という珍しい機関車であるということも手伝って、是非見てみたいと思いだした。早速詳細をお伺いすると、丁寧に説明いただき、長崎に仕事が入ったことで、訪問する機会をうかがった。

 

 

 何とか仕事を片づけ、長崎から船に乗り、バスに乗る。バスの本数は少なく1時間待った。TAXIだと4〜5千円かかりそうだ。「高浜」というバス停で降りると、目指す会社はすぐであった。

 あらかじめ電話を入れておいたので、交渉はスムーズに進み倉庫の鍵を開けてもらって、緊張の対面。電話では「かなり状態が悪いんで、いらしていただいてもがっかりなさるのではと・・・。」としきりにおっしゃっていたので、東鷲宮の酒井を連想したが、こちらはまだ何とか形をとどめていた。 

 倉庫内は電球もなく暗い、正面などはAFカメラだからいいようなものの、MFだったらピントを合わせられなかっただろう。

 

 

 フリクションドライブとか言う、変速機がよく見えた。説明によると、ここから5〜6キロ先の山から、焼き物に使う土を運ぶための軌道用に購入したらしいが、実際は脱線等トラブルが多発し、あまり成果は芳しくなかったらしい。使用は短期にとどまったとかで、活躍時の写真も会社には残っていないそうである。

 

 

 トロッコも機関車の後ろに1台連結され、機関車の脇にもう1台転がっていた。一通り撮影を終え、お礼を言って後にした。静かな敷地にまるでタイムカプセルのように、時を越えて歴史を守ってきた木造の倉庫。その姿にほれぼれしながら感謝し、帰りのバス停へと向かった。

 

 

 

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