10年後の私                  

2001年1月23日

 長女が生まれた時、我が子がこんなに可愛いものだとは思ってもみなかった。同時に子育てがこんなに大変とは・・・

家事と育児に追われ気が付くと一日が終わっている。結婚前、24時間自分の時間だった脳天気な生活とは180度変わった。

特に初めての子どもは親にとって未知との遭遇、悪戦苦闘の毎日。

気晴らしに子どもを連れて外出してもそれはそれで大騒ぎである、気晴らしどころか疲労困憊で早々に帰宅するはめになる。

こうなると外出がおっくうになり、一日中子どもと狭い家の中で過ごす、気が滅入ることもしばしばだった。

「どうでもいいから、早く大きくなってくれ〜。」と願いう日々。

でも、こんなことは母となった人なら誰しも経験があることだろう。

自分の時間が欲しいという気持ちが子育て中の母親にとって一番の願いなんじゃないかな。

私も育児以外の何かをしたいという思いから、近所の印刷屋さんからもらった、イラストやデザインの仕事をしたり、

子ども服作りに熱中したり、友人数人と幼稚園ガイドなる小冊子を発行してみたり、etc・・・

寝る時間を削って自分の時間なるものを作っていた。(現在もそうだけど)

でも、いつも「こんなことしたいんじゃないんだけどな・・・」と、物足りなさを感じた。

そんな折、次女も生まれ少しずつ気が付いてきた、「今は自分の時間なんて欲しいと思っても絶対手に入らないんだ!」

いや、分かっていたんだ。分かっていたから、イライラし焦っていた。

その頃から私は10年後の自分を思い浮かべるようになっていった。10年後私はどうありたいかを考えるようになった。

そして、長女は今年で12歳になる。10年前に思い描いていた自分と今の自分を比べるとどうだろう。

けっこういい線いってるな?と思う。私は収入は別として一生できる何かをしたかった。

その一つがこのアトリエ ポケットとして私の中に出来上がった。

それから、一番予想外だったのは三人目を出産したこと。長女との年齢差はちょうど10年。次女とは8年。

久し振りに触れる赤ちゃんの肌はこの世の物とは思えないくらい、柔らかで愛おしい。歯のない口が何とも言えなかった。

白い歯が見え始めた時など夫と二人で「え〜、もう歯がはえちゃうの〜」

ハイハイし始めたら「まだ、寝てていいのに〜」立って歩き始めたら「かんべんしてくれ〜」

残念がっている自分がとても可笑しい。長女の時とは全く反対の思いである。

時間の概念が変わったことがこんなことでもよく分かる。

子どもは成長する、物凄いスピードで、それに気が付くのに親は時間がかかる。

気が付いた時には子どもは親の手から離れていく準備に取りかかっている。

「もっとだっこしてあげればよかった・・・」

私の身長にどんどん近付いてくる長女を見て思う。

10年後、三女は今の長女と同じ年齢になり、

長女はもう成人になっている。

私はどうだろう、どうなっているだろう・・・

どうなっていたいだろう・・・。

 

戻る