I. TURKEY AND EASTERN EUROPE

I トルコ と 東欧の建築

神谷武夫

Oktay Aslanapa
"Turkish Art and Architecture"

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TURKEY [A Phaidon Cultural Guide] : Marianne Mehling (ed.), 1989, Phaidon, London, 19.5cm-580pp.
ドイツで出版された文化史跡案内シリーズの英語版。 トルコ各地の史跡を地名のアルファベット順に配列し、豊富なカラー写真を添える。

EASTERN TURKEY, An Architectural and Archaeological Survey : T.A. Sinclair, 1987-90, Pindea Press, London, 4vols. 25cm-530+580+530+580pp.
アナトリアの古代遺跡から近世オスマン建築までを網羅的に調査した 浩瀚な報告書。

TURKISH ART AND ARCHITECTURE * : Oktay Aslanapa, 1971, Praeger Publishers, New York, 29cm-570pp. antique 5,800yen. (sample page)
トルコのイスラーム建築と美術の浩瀚な通史。 多数の平面図を挿図とし、写真を約 150ページ(カラー31葉)つける。

THE ART AND ARCHITECTURE OF TURKEY * : Ekrem Akurgal, 1980, Rizzoli, New York, 31cm-270pp. 9,000yen.
古代から近世までのトルコの美術と建築を手際よく概説した美術書。 LEO HILBER のカラーおよびモノクロの写真もよく、図面も多く収録している。

トルコ・イスラーム都市の空間文化 : 浅見泰司編, 2003, 山川出版社, 21cm-170pp. 2,800yen.
・ 12人の研究者が描く、イスラーム時代のトルコおよびその周辺の文化の種々相。

トルコ・イスラム建築:飯島英夫, 2010, 冨山房インターナショナル, 21cm-290pp, ソフトカバー, 2.800yen.
・高校勤務を定年退職したあとイスタンブルに留学してトルコ語と建築史を学び、トルコ中を旅した著者によるトルコ・イスラーム建築案内。現地の用語法と発音を尊重し、できるだけ正確にカタカナに置き換えようとしている。

THE MIRACLE OF DIVRIGI, An Essay on the Art of Islamic Ornamentation in Seljuks Times: Dogan Kuban, translated by Nancy F. Ozturk, 2001, Yepi Kredi Yaynlari, istanbul, 34cm-230pp. 12.700yen.
セルジューク朝時代のトルコ建築を代表する建築作品、ディヴリイのウル・ジャーミと病院の複合体を紹介し、その特異な装飾を論じる、30年来の研究をまとめた「ディヴリイの奇跡」と題する大型本。カラー写真多数に加えて 図面とスケッチを豊富に挿入。

オスマン帝国(イスラム世界の「柔らかい専制」): 鈴木薫, 1992, 講談社・現代選書, 17cm-250pp. 740yen.
・ トルコ人が作ったオスマン朝の大帝国の 誕生から終焉までの通史。

トルコ[世界の建築]: ウリヤ・フォークト・ギョクニル, 森洋子訳, 1967, 美術出版社, 21.5 x 21.5cm-190pp. 2,400yen.
・ OFFICE DU LIVRE 社の世界の建築シリーズの国際出版としての邦訳版。 モノクロだが美しい写真印刷とギョクニルの優れた本文で、オスマン時代のトルコ建築の歴史を描く。

A HISTORY OF OTTOMAN ARCHITECTURE * : Godfrey Goodwin, 1971, paperback ed. 1987, Thames and Hudson, London, 28.5cm-510pp. 5,760yen.
大部なオスマン・トルコ建築史の決定版で、今もなお版を重ねている。 記述の詳しさと正確さ、図面の豊富さ、適切な写真選択と、申し分ないが、カラーでないことだけが 現代のヴィジュアルな時代との齟齬か。 著者のグッドウィンは 2005年に 84歳で死去。

OTTOMAN ARCHITECTURE : Doĝan Kuban, translated by Adair Mill, photo by Cemal Emden, 2007 Turkish ed, 2010 English ed. Antique Collector’s Book, 32cm-720pp. 8,500yen.
オスマン建築を集大成した記念碑的出版。トルコ語版 “OSMANLI MIMARISI” の英訳版。57章、720ページにわたって時代順にオスマン建築を総覧し、すべてハイレベルのカラー写真と図面を付して詳述する。重さが4キログラムもある大部の本だが、少しでもオスマン建築を知ろうとする人々にとって必須の書である。

Ottoman Architecture

EARLY OTTOMAN ART, The Legacy of the Emirates [Islamic Art in the Mediterranean] : Gonul Oney et al., 2002, Electa & Museum with no Frontiers, Vienna, paperback 21.5cm-250pp. 2,850yen.
トルコのオスマン朝の建築と美術の案内書。 後期であるイスタンブルは含まれない。 図版は小さいがオールカラー。 "INTERNATIONAL MUSEUM WITH NO FRONTIERS EXHIBITION CYCLESI" の 1冊。

EDIRNE SARAYI (SARAY-I CEDÎD-I ÂMIRE) [Kisa Bir Değerlendirme] : Mustafa Özer, 2014, Bahçeşehir Üniversitesi Yayinlari, Istanbul, paperback 21cm-105pp. 2,500yen.
コンスタンチノープルが陥落する以前にオスマン朝の首都であったエディルネの宮殿遺跡の概説書。現状のカラー写真と古写真、実測図を挿入。

CONSTANTINOPLE, Istanbul's Historical Heritage : Stephane Yerasimos, 2000, Engsish ed. 2005, Konemann, Tandem Verlag GmbH, 32cm-400pp. 4,300yen.
キリスト教時代のコンスタンチノープルおよびイスラーム時代のイスタンブルの、建築を中心とする文化遺産を歴史順にたどるオールカラーの豪華本なのに、値段が安い。

THE GARDEN OF THE MOSQUES, Hafiz Huseyin al-Ayvansarayi’s Guide to the Muslim Monuments of Ottoman Istanbul [Supplements to Muqarnas, Studies in Islamic Art and Architecture 8.] : Howard Crane (ed. & tr.) , 2000, Brill, Leiden, 28cm-660pp. 11,000yen.
題名がイスラーム庭園の本かと思わせるが そうではなく、オスマン朝下の 1780年に アイヴァンサライーが書き、19世紀にアリー・サティーが増補した ”Hadikat al-Cevami” (The Garden of Mosques) の英訳で、イスタンブルの 800以上のモスクと その付属施設の案内書である。 オスマン建築の最重要な文献資料であるが、図版は全くない。

イスタンブールを愛した人々(エピソードで綴る激動のトルコ): 松谷浩尚, 1998, 中公新書, 17cm-260pp. 740yen.
・ イスタンブルに多少とも関係のあった12人の人物をとりあげて、そのエピソードを糸口に 順次興味深くトルコ近代史を語る。 建築関係では伊東忠太と ブルーノ・タウトが登場する。

SOLIMAN ET L’ARCHITECTURE OTTOMANE : Henri Stierlin, Office du Livre, 1985, 25 x 25cm-220pp. import 13,750yen.
アンリ・スチールランの「大建設者の軌跡」シリーズの 1冊で、オスマン・トルコを絶頂に導いた皇帝スレイマンと、それを支えて幾多の名作を設計した建築家 シナンの歩みを 豊富なカラー写真と図面を添えながら叙述する。

SINAN, Architect of Ages & ARTS IN THE AGE OF SINAN : Metin Sozen and Sami Guner (photos), 1988, Ministry of Culture and Tourism of the Turkish Republic, 2vols, 30.5cm-410+360pp. antique 1set 22,000yen.
トルコ最大の建築家 シナンの没後 400年を記念して文化・観光省が出版した オールカラーの豪華写真集。 上巻は シナンの作品を年代順に並べ、下巻は シナンの時代の 美術・工芸を扱う。

THE AGE OF SINAN, Architectural Culture in the Ottoman Empire* : Gülru Necipoglu, 2005, Princeton University Press, Princeton and Oxford, 29cm-592pp. 11,500yen.
シナンの作品を単に芸術的達成としてだけでなく、オスマン朝の皇帝をはじめとする諸パトロンの要請にしたがって機能的、社会的、経済的に実現した軌跡を、パトロンごとに分けて、膨大な文書を参照しつつ探求した、トルコの G・ネジポールによる浩瀚な著作。 挿入された大量の写真(Reha Günay)や平面図、アクソメ図も質が高く 充実している。

The Age of Sinan

SINAN’S AUTOBIOGRAPHIES, Five Sixteenth-Century Texts [Supplements to Muqarnas, Studies in Islamic Art and Architecture 11.] : Howard Crane and Esra Arkin, Gulru Necipoglu (ed.), 2006, Brill, Leiden, 28cm-670pp. 12,800yen.
シナンが最晩年に口述した自伝的回想が 5種残っている。 それらを比較考証した学術書で、原本のファクシミリと英訳、注釈、研究論文を収める。

SINAN : Arthur Stratton, 1972, Charles Scribner's Sons, New York, 23.5cm-310pp. antique 2,450yen.
ジャーナリストが書いた シナンの伝記。

シナン : 夢枕獏, 2004, 中央公論新社, 2vols, 20cm-410, 440pp. 各 1,800yen. 中公文庫版 2007 各 720yen.
・ 日本の小説家が描いたシナンの伝記。

トプカプ宮殿の光と影 : N.M.ベンザー, 岩永博訳, 1992, 法政大学出版局, りぶらりあ選書, 19.5cm-475pp. 3,800yen.
・ 原著は 1937年と古いが、トプカプ宮殿の諸施設から ハレムの生活にいたるまで詳述する。

TOPKAPI PALACE, An Illustrated Guide to its Life and Personalities : Godfrey Goodwin, 1999, Saqui Books, London, 24.5cm-220pp. 4,100yen.
G-160の著者グッドウィンが書いた トプカプ宮殿の詳細な案内書。 第1の門から一番奥のバグダード殿まで順次解説するが、図版は写真も印刷も低レベルなのが難。 図面は無い。

ARCHITECTURE, CEREMONIAL AND POWER, The Topkapi palace in the Fifteenth and Sixteenth Centuries* : Gulru Necipoglu, 1991, MIT Press, Cambridge, 26cm-360pp. 7,900yen.
トプカプ宮殿の建設経緯に関する文書を博捜して、その歴史を再構成した浩瀚な書。 ハーヴァード大学において O・グラバールの指導を受けた G・ネジポールの1986年の博士論文をもとにする。 図版はすべてモノクロだが、考証つきの古図が多く集められている。

TRADITION OF THE TURKISH HOUSE AND SAFRANBOLU HOUSES : Reha Gunay, 1998, Yapi-Endustri Merkei Yayinlari, paper 30cm-360pp. 3,500yen.
ユネスコ世界遺産に登録されている サフランボルの町の木造民家を研究した美麗な本。 カラーを含む図版多数。

トルコの旋舞教団[聖域行 4.]: 那谷敏郎, 1979, 平凡社カラー新書, 17cm-145pp. 550yen.
・ デルヴィーシュの一派で、13世紀にルーミーが始めたメヴレヴィー教団(旋舞教団とも)をコンヤその他に探訪した書。 写真は大村次郷。

TYPICAL COMMERCIAL BUILDINGS OF THE OTTOMAN CLASSICAL PERIOD AND THE OTTOMAN CONSTRUCTION SYSTEM : Mustafa Cezar, 1983, Turkiye Is Bankasi Cultural Publications, Istanbul, 28cm-360pp. antique 5,000yen.
オスマントルコ各地の商業施設、交易施設の浩瀚な研究書。 印刷は悪いが豊富な図版。 カラー写真 40ページ、ブルサの折込地図、折込 17世紀のイスタンブルの絵を添える。

Typical Commercial Buildings of the Ottoman

MODERN TURKISH ARCHITECTURE 1900-1980, Renata Holod et al (eds.), ARCHITECTURE IN TURKEY AROUND 2000, Tansel Korkmaz (ed.), 2000, Chamber of Architects of Turkey, 2vols 24 x 24cm-190+175pp. 1set 9,500yen.
1982年に出版された トルコ近代建築史を復刊し、続編として 80年代、90年代のトルコの都市・環境・建築を 10人あまりが論じたものを刊行した。 上巻はモノクロ図版、下巻はカラー図版。

SEDAD ELDEM, Architect in Turkey : Sibeld Bozdogan, Suha Ozkan and Engin Yenal, 1987, Concept Media, Singapore, 27cm-170pp. 5,500yen.
ミマルが出版していた第三世界の建築家シリーズの1冊で、トルコの現代建築家 セダッド・エルデムの作品集。 ハンス・ホラインが序文を寄せる。

トルコ人 : デヴィッド・ホサム, 護雅夫訳, 1983, みすず書房, 20cm-330pp. 3,150yen.

遠くて近い国トルコ : 大島直正, 1968, 中央公論社・中公新書, 19cm-190pp. 700yen.

わたしの名は紅(あか): オルハン・パムク, 和久井路子訳, 2004, 藤原書店, 19cm-630pp. 3,700yen.
・ 2006年にノーベル文学賞を受賞したトルコの文学者の代表作。 1591年のイスタンブルを舞台に 細密画家たちをめぐるミステリーに 東西文化論をからませた小説。

イスタンブールとトルコの大地[地球の歩き方 ’06-’07]: ダイヤモンド・ビッグ社, 改訂 17版 2006, 21cm-500pp. 1,780yen.
・ オールカラーのよくできたガイドブックだが、ロンプラに比べて アナトリア地方が弱い。

トルコ [個人旅行 35.]: 小杉久美子他, 1999, 昭文社, 21cm-400pp. 1,800yen.
・ トルコのオールカラーの優れた旅行ガイドブック。

TURKEY : Tom Brosnahan and Pat Yale, 6th ed. 1999, Lonely Planet, Australia, 18.5cm-820pp. 3,500yen.
最も詳しいロンプラ・旅行ガイド・シリーズのトルコ編。 2004年に日本語訳がメディアファクトリーから出版された。730pp. 2,500yen.


EASTERN EUROPE

A GUIDE TO OTTOMAN BULGARIA : Dimana Trankova, Anthony Georgieff, Hristo Matanov, 2011, Vagabond Media, 21.5 x 23.5cm-192pp. 4,750yen.
ブルガリアにおけるオスマン・トルコ時代のイスラーム建築の遺産をオールカラーの写真と解説で紹介する美麗な本。分布地図つき。

IN THE FOOTSTEPS OF THE OTTOMANS, A Search for Sacred Spaces & Architectural Monuments in Northren Greece : Heath W. Lowry, 2009, Bahcesehir University Press, Istanbul, Soft Cover, 29.5cm-232pp. 4,700yen.
ギリシアにおけるオスマン・トルコ時代のイスラーム建築の遺産についての、オールカラーの写真と解説による報告書。

ブルガリア・ルーマニア '11~'12[地球の歩き方 ’06-’07]: ダイヤモンド・ビッグ社, 改訂 8版 2011, 21cm-300pp.1,700yen.
・ オールカラーのガイドブックだが、イスラーム建築について詳しくはない。

The Rough Guide to BULGARIA : Tom Brosnahan and Pat Yale, 6th ed. 2008, Rough Guides, Ney York, London, Delhi, 20cm-502pp. 1,500yen.
ブルガリアの最も詳しいガイドブック。 イスラーム建築の情報も豊か。

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