N. CHINA AND SOUTHEAST ASIA

N 中国 と 東南アジアの建築

神谷武夫

Liu Zhi-ping
"Chinese Islamic Architecture"

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CHINESE ARCHITECTURE : Laurence G. Liu, 1989, Academy Editions, London, 30 x 30cm-300pp. import 15,700yen.
中国建築史を 建築種別にしたがって叙述する1巻本。 図面も ある程度挿入されているが、カラー写真による美術書を本領とする。 イスラーム建築は 13ページのみ。

中国の建築 : 中国建築工業出版社・小学館共同編集, 鄧健吾・田中淡監修, 末房由美子訳, 1982, 小学館, 32.5cm-240pp. 20,000yen.
・ 中国建築史上の主要な建物を歴史順に配列した、カラー写真を主とする大型本。 イスラームは ごくわずか。

中国の建築と都市 : アンドリュー・ボイド, 田中淡訳, 1979, 鹿島出版会, 22cm-270pp. 2,900yen.
・ イギリスの建築家による簡略な中国建築論だが、時代の制約のゆえに現地を訪ねることなく書かれた書であった。 原書の出版は 1962年。

CHINESE ARCHIECTURE AND PLANNING IDEAS, METHODS, TECHNIQUES : Qinghua Guo, 2005, Edition Axel Menges, Stuttgart, 29cm-170pp. 6,300yen.
中国建築の特質を種々の局面から考察した 13の論考を一書にまとめたもの。 最後の3稿は満州とソウルの都市計画論。

東洋建築史[新訂建築学体系 4-II]: 村田治郎, 1972, 彰国社, A5-500pp. 3,600yen.
・ 中国建築史とインド建築史をあわせて1巻とする。 中国のイスラーム建築は 各時代にわずかの記述があるのみ。 図版は貧しい。

中国建築の歴史 : 中国建築史編集委員会(建築工程部建築科学研究院 建築理論および歴史研究室)編, 田中淡訳編, 1981, 平凡社, 30cm-400pp. 12,000yen.
・ 中国の大学教材用として編纂された通史で、原題は「中国建築簡史」。3冊から成る内の第1冊「中国古代建築簡史」で、近代以降を別巻とする。 日本語で読める最も詳しい中国建築史であるが、イスラーム建築についての記述は少ない。 図版はすべて複写のモノクロ。

中国歴史建築案内 : 楼慶西, 高村雅彦監修, 2008, TOTO出版, 25cm-400pp. 3,000yen.
・ 海外建築案内シリーズの 1冊だが、「インド建築案内」と一緒に企画がスタートしたにもかかわらず、ついに日本人の手によっては書かれず、中国の本からの翻訳となった。 また地理的配列ではなく、20項目の概説となっているのも 既刊書とは異なる。

図解中国古建築双書 : 王其釣・謝燕・邵松・淡一評, 2005, 中国水利水電出版社, Paperback 各 22 x 21.5cm-240pp. 1,300yen.
中国建築を カラーの写真と作図に基づいて解説を加えるシリーズ。 少数だがイスラーム建築も扱われている。古典園林、宗教建築、皇家建築、風格古建、民間住宅 の 5巻。

中國古建築大系 ISLAMIC BUILDING [Ancient Chinese Architecture] : Qiu Yulan, 2003, Springer, Wien , New York, 36.5cm-180pp. 11,300yen.
中国の古典建築と庭園を 種別ごとに巻を分けて全 10巻で出版するシリーズのイスラーム建築編(英訳版)。 中国における古いイスラーム建築を集成した大型カラー写真集の体裁。 巻末に図面集があるが、その内のいくつかは文化大革命で破壊されて現存しない。 原書は『伊斯蘭教建築 穆斯林礼拝清真寺 1993, 邱玉蘭, 中国建築工業出版社。

中国伊斯蘭教建築 : 劉致平, 1985, 新疆人民出版社, 烏魯木斉, paperback 26cm-260pp. antique 3,500yen. (sample page)
中国のイスラーム建築から 65の実例を抽出し、順次解説する。 1960年代前半に調査・執筆が行われたが 文化大革命で中断、出版にこぎつけたのは 1985年だった。 したがって調査された 200余の建物の中には破壊されて現存しないものも多い。 簡略ながら歴史と各種建築の概論をつける。 モノクロの写真と図面を多数挿入。

中国伊斯蘭教建築 : 路秉杰・張広林, 2005, 上海三聯書店, 31cm-270pp. 12,000yen.
中国のイスラーム建築の総合的概説書。 写真はオールカラー。 著者は 東大の村松(貞)研に留学したという。 出典も書かずに 図面や写真を諸書から転載して本をつくっているのは、その教えか。

寧夏回族建築芸術[寧夏社会科学院文庫]: 劉偉, 2006, 寧夏人民出版社, 銀川, paperback 21cm-190pp. 500yen.
寧夏回族自治区のイスラーム建築を 網羅的に収集し、多面的に解説した案内書。 写真の質は高くないが オールカラー。

回族彫刻芸術 : 洪梅香・劉偉, 2008, 寧夏人民出版社, 銀川, paperback 23cm-190pp. 2,100yen.
中国内地の回族によるイスラーム彫刻をオールカラーの写真とともに概観する。 生きものの独立した彫刻というのはないので、ほとんどが磚・石・木による建築装飾になる。

北京清真寺文化 : 陳広元(顧問)李保群・張妙弟・馬中璞(主編), 2003, 中央民族大学出版社, paperback 28.5cm-100pp. 6,600yen.
北京にある多くのモスクの 安易なカラー写真集。

北京四合院建築 : 鳥炳堅編著, 1999, 天津大学出版社, 29cm-270pp. 2,700yen.
・ 北京でも失われつつある伝統的四合院住宅を豊富なカラー写真と図面により、配置形式からディテール、家具に至るまでを紹介する概説書。

廟宇 [郷土瑰宝系列] : 李秋香主編・陳志華選文, 2006, 生活・読書・新和三聠書店, Softcover 30.5cm-220pp. 1,200yen.
・ 中国各地の建築を種別に調査したシリーズの内の、廟建築編。 みごとな実測図を豊富に載せ、多数の写真(多くがカラー)を添える。

塼塔 (中国の陶芸建築) : 柴辻政彦, 2007, 鹿島出版会, ソフトカバー 22cm-190pp. 3,200yen.
・ イスラームではないが、中国の 塼(せん)による塔建築の随想的な紹介書。 カラーを含む写真の質は低い。

CHINESE HOUSES, The Architectural Heritage of a Nation : Ronald G. Knapp, 2005, Tuttle Publishing, Tokyo and Singapore, 31cm-290pp. 5,700yen.
中国の住居建築論に、各地の伝統的住居を 20軒選び、オールカラーの写真と解説で紹介する豪華本。 図面は多くない。

CHINESE BRIDGES, Living Architecture from China’s Past : Ronald G. Knapp, 2008, Tut-tle Publishing, Tokyo and Singapore, 31cm-270pp. 3,900yen.
上掲書の姉妹版で、風雨橋をはじめ 中国全土から 特徴的な木造ならびに石造の橋をピックアップし、建築的視点で捉えた書。 同じ A. Chester Ong のカラー写真も優れている。

中国建築英漢双解辞典, VISUAL DICTIONARY OF CHINESE ARCHITECTURE : Qinghua Guo, 2002, Images Publishing, Australia, Paperback 24cm-160pp. 2,600yen.
中国語と英語の2ヵ国語で記述した中国建築の用語辞典で、豊富な説明用 線画を挿入して理解を助ける。

中国伊斯蘭教百科全書 : 中国伊斯蘭教百科全書編集委員会編, 1994, 2nd ed. 2007, 27cm-930pp. 10,800yen.
・ 最も詳しい総合的な 中国イスラーム辞典。 ピンインのアルファベット順配列の 「引く辞典」 で、各項の執筆者署名入り。 多くの賞をとった出版。

伊斯蘭教小辞典[宗教小事典叢書]: 金宜久(主編), 2001, 上海辞書出版社, paperback 18.5cm-730pp. 1,500円yen.
・ 中国語によるイスラーム辞典で、清真寺関係の項では各地のモスクや廟もとりあげられている。

ISLAM IN CHINA : Mi Shoujiang & You Jia, Min Chang (translat.), 2004, China Intercon-tinental Press, Beijing, paperback 21cm-205pp. 720yen.
中国イスラームの歴史と現状を 簡潔に概説した書の英訳。

支那回教史 : 金吉堂, 外務省調査部訳, 1940, 生活社, 21.5cm-180pp. antique 2,500yen.
・ 河北省の北平成達師範学校の講義録を一書にまとめたもので、前半が回教史学論、後半が中国イスラーム通史。 原著出版は 1935年。

中国回教史[ユーラシア叢書 5.]: 傳統先, 井東憲訳, 1975, 原書房, 22cm-290pp. antique 4,000yen.
・ 戦前の1942年に岡倉書房から翻訳出版された「支那回教史」の復刻本。 中国イスラーム史の古典的書物で、原著は 1940年に上海の商務印書館から「中国文化叢書」の1冊として刊行された。

中国における回教の傳來とその弘通 : 田坂興道, 1964, 上下 2巻, 東洋文庫, 21cm-1,760pp. 非売品.
・ 1943年に著者 33歳にして書き上げ 東方文化学院に提出したが、出版は著者が 1957年に 46歳で病没した7 年後となった。 戦前における和漢洋の文献を博捜して成し遂げた、唐代から明末までの、実に浩瀚な中国イスラーム史。

回回民族の諸問題 [アジアを見る眼 40.]: 中田吉信, 1971, アジア経済研究所, paperback 17cm-200pp. 400yen.
・ 中国のイスラームと回族についての諸問題を 歴史的に考察した書。 的確な内容だが、文革以後は情報がなく 扱われていない。

中国回教史序説(その社会史的研究): 今永清二, 1966, 弘文堂, 21cm-200pp. antique 4,500yen.
・ 中国におけるイスラームの通史として書かれたものではなく、種々のテーマで論述して学術誌・紀要に発表した8論文を一書にまとめたもの。

回教から見た中国 (民族・宗教・国家): 張承志, 1993, 中央公論社・中公新書, 17cm-190pp. 680yen.
・ 東洋文庫の外国人研究者として来日していた「回族」出身の中国人文学者が 日本語で書いた 中国イスラーム史。特にジャフリーヤ教団について詳しい。

中華と対話するイスラーム:中西竜也,2013,京都大学学術出版会,22cm-426pp. 5,000yen.
・近世中国におけるイスラームの受容を中国語、ペルシア語、アラビア語文献を駆使して解明する。

中国のムスリムを知るための60章:中国ムスリム研究会,2012,明石書店,19cm-380pp. 2,000yen.

回族の清真寺(モスク)と中国共産党の宗教政策(中国寧夏回族自治区におけるイスラーム復興): 澤井充生, 2002, 富士ゼロックス小林節太郎記念基金, paperback 30cm-40pp. 非売品

中国清真寺総覧 : 呉建偉(主編), 1995, 寧夏人民出版社, 19cm-530pp. antique 4,500yen.
・ 中国全土の 1,000を超える清真寺(モスク)を省ごとに配列して簡易な解説をほどこした書。 建築書ではなく、また文化財調査でもない 寺院集成。 図版はわずか。

中国清真寺総覧 続編 : 呉建偉 (主編), 1998, 寧夏人民出版社, 19cm-330pp. 1,350yen.
・ 上掲書の補遺として約 750の清真寺を採りあげる。 図版はわずか。

中日・日中辞典[講談社パックス]: 相原茂編, 2008, 講談社, paperback 15.5cm-1,610pp. 3,200yen.
・ 文庫サイズのハンディな辞典だが、中国語の見出しが 52,000語、日本語が 41,000語と中辞典並み。 ピンイン音節順の配列を使いこなせるのは中国語学習者だが、そうでない者も部首と音訓の索引によって便利に使える。 総画数索引がないのは残念。 全体の 2/3が中日辞典で、1/3が日中辞典。

中国建築・名所案内 :中国建築工業出版社編, 1983, 彰国社, 19cm-380pp. 5,700yen.
・ 中国全土の中から名作を選んでガイドする。 少数ながらイスラーム建築がある。

西安とシルクロード[地球の歩き方 ’05-’06]:ダイヤモンド・ビッグ社, 第 10版 2005, 21cm-380pp. 1,680yen.
・ 中国の西域の最も詳しいガイドブックだが、イスラーム建築の情報は いまいち。


SOUTHEAST ASIA

THE PALACES OF SOUTH-EAST ASIA, Architecture and Customs* : Jaques Dumarcay, Michael Smithies (ed. and tr.), 1991, Oxford University Press, Oxford, New York, 26cm-140pp. 6,000yen.
東南アジア各国の代表的 インド系宮殿建築を ジャック・デュマルセが紹介する。カラー 16ページのほかは モノクロ図版多数。

ART OF INDONESIA* : Tibor Bodrogi, translatedfrom Hungarian by Eva Racz, 1973, Academy Edition, London, 26cm-320pp. 11,000yen.
イスラーム以前の インドネシアの民俗芸術を扱う美術書。 カラー写真 16ページとモノクロ写真 160ページ。

THE TRADITIONAL ARCHITECTURE OF INDONESIA : Barry Dawson & John Gillow, 1994, Thames and Hudson, 26cm-190pp. 7,200yen.
これもイスラーム化以前のインドネシア各地の民族建築(住居)探訪。 カラー写真を約 100ページつける。

THE PAST IN THE PRESENT, ARCHITECTURE IN INDONESIA : Peter J.M. Nas (ed.), 2006, Nai Publishers, Rotterdam, 27.5cm-290pp. 3,450yen.
第1部でインドネシアのさまざまな建築伝統を 10人あまりの学者が概説し、第2部で オランダ建築協会が所蔵するコロニアル建築の写真と図面を、本書名の展覧会の図録として収録する。 "The Changing Contour of Mosques" by Johannes Widodo

INTRODUCTION TO BALINESE ARCHITECTURE : Julian Davison, 2003, Periplus Edi-tions, Hongkong, 24x23cm-80pp. 2,300yen.
図解・建築文化シリーズの1冊で、バリ島のヒンドゥ寺院建築を ヴィジュアルに解き明かす。

BANUA TORAJA, Changing Patterns in Architecture and Symbolism among the Sa’dan Toraja, Sulawesi, Indonesia : Jowa Imre Kis-Jovak & Hetty Nooy-Palam & Reimar Schefold & Ursula Schulz-Dornburg, 1988, Royal Tropical Institute, The Netherlands, Paper-back 30x30cm-140pp. 12,500yen.
スラウェシ島、タナ・トラジャの民家建築を詳細に探求した大型本。 写真はすべてモノクロだが美麗であり、実測図も多数載せる。

THE GREAT MOSQUE OF BANDA ACEH, Its History, Architecture and Relationship to the Development of Islam in Sumatra* : Wilhelmina Bouwsema-Raap, 2009, White Lotus Press, Bangkok, Paperback 21cm-130pp. 4,000yen.
インドネシアの北端 バンダ・アチェの大モスクを中心として、最も古くからの スマトラ島におけるイスラームの受容と展開を カナダ人著者が詳述する。

東方のイスラム : 今永清二, 1992, 風響社, 18.5cm-250pp. 2,600yen.
・ 東南アジア、東アジア各地のイスラーム社会についての講演集。

回教と蘭印群島 : ストュテルヘイム, 高村東介訳, 1941, 生活社, 19cm-240pp. 古書 1,800yen.
・ 原著はオランダの中学校用の「東インド文化史」の第3巻として1935年に出版された。 蘭印(オランダ領インド、すなわちインドネシア)への伝播と定着だけでなく、イスラームとは何かを教える初等教材でもあった。

インドネシア(展開するイスラーム) : 小林寧子, 2008, 名古屋大学出版会, 21.5cm-470pp. 6,600yen.
・ 世界最大の信徒数をかかえるインドネシアのイスラームの現状を 20年にわたる研究の集大成で論じた学術書。

インドネシア イスラーム主義のゆくえ : 見市建, 2004, 平凡社, 19.5cm-200pp. 2,200yen.
・ イスラーム復興の世界的潮流の中で 現代インドネシアのイスラームがどのように変化しているかを分析し 論じる。

中国人ムスリムの末裔 (雲南からミャンマーへ): やまもと くみこ, 2004, 小学館, 19cm-320pp. 1,400yen.
・ 19世紀に雲南からビルマに移住した パンデー(族)と呼ばれるイスラーム教徒社会を調査した、文化人類学者によるヴィヴィッドな記録。

インドネシア[宝島スーパーガイド・アジア 3.]: 1983, JICC出版局, Paperback 20.5cm-300pp. 1,400yen.
・ 読み物中心の観光ガイドブック。

INDONESIA [A Travel Survival Kit] : Ginny Brice et al., 1986, Lonely Planet, Australia, Paperback 18.5cm-770pp.
ロンリー・プラネットのインドネシア観光ガイドブック初版。

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