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中川五郎&真黒毛ぼっくす
「腰まで泥まみれ」
全6曲 1000円

中川五郎がピートシーガーの曲に訳詞をつけた「腰まで泥まみれ」。
1969年、URCから発売。フォークキャンプ等で多くの若者に熱く支持された。
2007年、かつてレコード盤で聴いた世代の真黒毛ぼっくすと新たにレコーディング。
時代は変わる。でも、僕らはいまだに腰まで泥まみれ。

1.船出ファンファーレ
2.トカゲ
3.腰まで泥まみれ
4.ビッグスカイ
5.岬で待つ女
6.バラ色の人生

*中川五郎さんボーカル参加曲は2、3、4です


まっくろけぼっくすのこと

川村恭子(音楽ライター)

まっくろけさんは最初、彼らだけでみたときには熱血フォーク青年のバンドなのかと思ったのでした。

はい、すぐに考えを改めました。

このCDを聴いてくださってもわかるように、
まっくろけぼっくすは、
直訳すればブラックボックスなのに、
ケムにまくのではなく、
自分たちが、子供の頃から好きで好きでしょうがなかった音楽を、
恩返しのように、きれいな化粧箱に入れて返してくれます。

それがたとえ、聴いていたまっくろけさんとはちがって、やっていた本人には「あれうまくいかなかったんだよね」と、自分の音楽の歴史の中で忘れていたとしても、それを忘れていた本人に、ほんっとにすてきな愛情というラッピングで返してくれるのです。

こういう恩返しをされて、唄うたいは、じっとしていられるわけがありません。
そういう一つの形がこのCDです。

そして、ただ愛情のコピーなのではなく、自分たちの地肉になって、聴いて好きになったその後の、自分たちの細胞の生き死に、成長とともに、その音楽すら成長させました。

このアルバムを聴くと、幸せになります。
なぜなら。
中川五郎という唄うたいとその楽曲があり。
それに感銘を受けて、長く自分の中で育てたまっくろけぼっくすがあり。
その上で、新しい音楽を生み出している。
そして、結果。
中川五郎がなんて素敵なんだろう、と、改めて教えてくれるのです。

まっくろけぼっくすは、ブラックボックスのように、と最初に書きました。
 ほんとにブラックボックスです。
けれど、それは、アーティスト本人にさえ、ああ、そうなのか、と新たに考えさせる黒箱なのです。

中川五郎のファンとして言います。
この腰まで泥まみれ、トカゲ、ほかの曲をありがとう。

こんなに大好きな五郎さんに、きれいなリボンをつけて、まっさらなプレゼントのような形にしてくれてありがとう。

2007年5月末日。


「腰まで泥まみれ」

ピート・シーガーがベトナム戦争時に書いた楽曲を中川五郎さんは訳して唄っていた。大槻が初めて聴いたのは「フォークキャンプ」のレコードだったかな。五郎さんと初めてご一緒することになり、最初に思いついたのはこの曲でした。

「ビッグスカイ」

ルーリードの曲に中川五郎さんが詞をつけました。
この映像は、下北沢の真黒毛ぼっくすライブのアンコールで五郎さんに飛び入りで参加してもらったもの。いやあ、懐かしいです。

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