「とんとんとん。碇君、入るよぉ」
 あたしは、部屋の住人である碇シンジ君の返事を待たず、ドアを開けた。
 「こんちゃ〜 …… うわあああああああぁぁ〜、きったな〜い。何? この散らかり様。大掃除したんじゃないの?」
 「夜中に大声出すなよ、綾波」
 「大声も出るわよ」
 「いーだろ。自分の部屋なんだから。ほっといてくれよ」
 「よくな〜い!部屋が汚いと、健康にも悪いんだから」
 碇君は今年の4月、ドイツからあたしの通う高校に編入してきた。小学校までは日本に住んでいたんだけど、お父さんの仕事の関係でずっとドイツに行ってたの。でも、大学は日本の大学に行きたいって言って、ご両親を説得し、この春、日本に来たの。そして、ただいま受験勉強中。日本で一番有名で、一番入るのが難しい、第3新東京大学を目指している。
 で、今、碇君はあたしの家に下宿している。碇君のお母さんとあたしのお母さんが親戚なんで、うちで預かることになったの。つまりあたしと碇君は、一つ屋根の下に暮らしてるって事!
 えへへ。てれてれ。
 でも、恋人どうしってわけじゃないのよ。友達以上、恋人未満ってとこかな? って勝手にあたしが思っているだけだけど。碇君、あたしのことどう思っているかわからないのよね。
 「あーまたタバコ吸ってる。未成年がいけないんだ」
 「いーの。もうすぐこーこー卒業すんだから」
 「何言ってんの。タバコは二十歳からよ。あんまり若いうちからタバコ吸っていると、のーみそ、真っ黒になっちゃうよ」
 「何言ってんだか ……。 ところで何か用?」
 「あっ!そうそう、年越し蕎麦作ったの。食べる?」
 「綾波が作ったの?」
 「そっ。な、なによ、その目はぁ」
 「いや、確かこの前、綾波からもらった弁当食って、食中りしたよな」
 「え、ええっ?そうだっけ?」
 「その前、朝食のサンドイッチ食ったときは下痢が止まんなかったし」
 「あ、あはは ……」
 「で、その前は ……」
 「も、もう、昔のことなんていいじゃない。今度は大丈夫よ」
 「ほんとかなぁ」
 「大丈夫だって」
 「綾波の分は?」
 「あっ、あたしもう食べたの」
 碇君の前で、蕎麦を「ずずっ」とすすって食べることなんて、出来るわけないじゃない。ただでさえ食べてるところ見られるの、恥ずかしいのに。乙女心は色々と大変なのだ。
 「さあぁ。早く食べて。伸びちゃうよぉ」
 「そお?それじゃ」
 いただきます、と言って、碇君はおそるおそる蕎麦を食べ始めた。
 「どう?」
 「うぐ」
 突然、碇君が胸を抑えてうずくまった。
 「う、うっそぉ」
 い、一応、今回は猫の"ぺんぺん"に毒見をさせて、大丈夫だったんだけど。って、自分は食べんのかい!という突っ込みは無し。
 「なんちゃって」
 碇君が、ちろっと舌を出す。
 「も、もう。びっくりしたぁ」
 あたしは、ちょっと涙目になる。
 「あはは、ごめん、ごめん」
 「ひどいなぁ」
 「いつも、ひどい目にあわせているのはどっちだ?」
 うぐ。
 あたしは返答に詰まった。碇君って、ちょっと意地悪だよね。でも、ホントのことだから何もいえないけど。
 しゅん、となっているあたしを尻目に碇君は、黙々と蕎麦を食べ続けた。
 「ご馳走様。おいしかったよ」
 「ホント?」
 「ああ」
 碇君が笑った。
 くう。
 この笑顔に今まで何人の女が泣いたのことか。本人は気づいてないみたいだけど、碇君の笑顔って、ある種の女の子にとって、ある意味凶器にもなり得るんだよね。この笑顔で迫られたら、絶対逆らえない。あたしは、ぽおっとなって碇君を眺めていたら、怪訝そうな顔をされた。いかん、いかん。あたしきっと今、すごいだらしない顔してたぞ。
 ぺしぺし、と両手で頬をたたき、気合を入れた。ちゃんと行動表どおりにしなければ。
 「ねえ、今日これから予定ある?」
 「予定?」
 「うん」
 「そうだなぁ、紅白見て、行く年来る年見て、寝る」
 「せっかくの大晦日なのに、テレビ見て年を越す気?」
 あたしは、あきれ顔を作った。内心では、やったぁ、予定はないんだぁ!とか言って喜んでいるけど。
 「ねえ、暇だったら初詣行こうよ」
 「初詣?」
 「そう、近くに神社があるじゃない。一緒に行こうよ」
 「でも、寒いよ」
 と言って、コタツの布団にくるまる。
 「ええい。"おっとこのこ"でしょう」
 「男だろうと女だろうと寒いものは寒い」
 「ドイツはもっと寒かったって言ってたじゃない」
 「日本には、こたつがあるからね。一度この快感を知ってしまったらもう抜け出すことができない」
 「何、甘ったれてんよ。早く出ろぉ」
 「いやだよぉ」
 「ああん、碇く〜ん。おねが〜い」
 そのとき玄関のチャイムが鳴った。
 「ほら、綾波。お客さんじゃない?」
 「え〜、気のせいよぉ」
 「でも、鳴ってるよ」
 「もう」
 あたしは、しぶしぶ碇君の部屋を後にし、ぷりぷりしながらリビングにあるインターホンを取った。
 「はぁ〜いぃ。どちら様ですかぁ」
 いかん。口調が投げやりになってる。
 「おっ、綾波。ワシや」
 「鈴原ぁ? 何よこんな夜中にぃ」
 「つれへんなぁ。せっかく初詣に行こ思うて誘ってやったのに」
 「げげっ、まさか?」
 「こんばんわ。綾波さん」
 「や、やっぱし、洞木さん。とゆ〜ことは ……」
 あたしは、画面から洞木さんの影に隠れて見える金色の髪に気が付いた。

 

 

 

 「ほんとは、碇君と二人で行こうと思ったのに …… ぶつぶつ」
 「何、ぶつぶつ声出して、ぶつぶつ言っとんねん」
 「あ〜、鈍感な鈴原にはわっかんないわよ。複雑な乙女の心の内なんて」
 「お、乙女。誰が乙女やねん」
 「あ・た・しに決まってんでしょう!」
 「あ、綾波。そりゃ最高や。今年一番のギャグや」
 鈴原は、おなかを抱えて大げさに笑う。
 「むっかぁ〜。ちょ〜むかついたぁ!」
 「鈴原、いいかげんにしなさい。女の子をからかうなんてサイテーよ」
 「いいんちょ。からかったんやない。コミュニケーションや、コミュニケーション」
 「それのどこが、コミュニケーションよ。ところで相田は?」
 「あいつなら、今ごろ横須賀や。なんでも元旦になんとかいう空母が入港するとか言ってたで」
 「あいつも、あいかわらずねぇ」
 あたしは鈴原と、どつき漫才をやりながら、碇君と金髪の美女 ── 惣流さんの方を見た。
 惣流さんは、すでにドイツで大学を卒業しており、現在は第3新東京大学に通っている。なんでも形而上生物学っていう学科が、世界で第3新東京大学にしかなく、そこに通うためドイツからやってきたそうだ。彼女とは、大学受験の時、彼女が洞木さんの家にお世話になっている時に知り合いになった。(洞木さんのご両親と惣流さんのご両親は知り合いみたい)現在は一人暮らしをしてる。彼女は日本人とドイツ人のクオーターで、すっごい美人。なんと、碇君ともドイツで友人だったって言うし、あたしとしては、ちょっと気になる存在だったりする。でも、二人で出かけたって言う噂も聞かないし、関係ないのかな? それともドイツで付き合って、もうすでに別れているとか。
 あたしは、二人の会話に聞き耳を立てた。え? はしたないだって? いーじゃない。気になるんだもん。
 「ひさしぶり、シンジ」
 「ああ」
 「やあねぇ、相変わらず愛想がないわね」
 「そうかな?」
 「そうよ」
 「おべんきょ、がんばってる」
 「それなりに」
 「シンジなら大丈夫よ」
 「どうかな?」
 「大丈夫よ」
 「日本語、ブランクがあるし、やっぱ、こっちの勉強は難しいよ」
 「だから日常会話は、日本語でやってるんでしょ」
 「まあね」
 ああっ! なんかいい雰囲気が出来上がってしまっている。うるうるうる。碇君。あたしというものがありながら。
 「ああっ。出よった!」
 その時、鈴原が素っ頓狂な声をあげた。
 「何よ、鈴原、大声出して ……」
 そう言った洞木さんも絶句してる。
 「おや、みなさん。おそろいで」
 な、渚カヲル。こいつは第一高校の名物なのよ。とにかく美形で、女子にも人気があるんだけど、どこか言動が常識から外れている。今だって ……。
 「おまえ、なんちゅうかっこや」
 「これかい?これは由緒正しき、日本の伝統ある服装さ」
 渚カヲルは、和服をびしっと着ていた。それが半端ではなく、着物の素人のあたしから見ても、一部の隙もない、と言う感じで着こなしていたりするから、驚くと言うより、あきれてしまい、君は、いったいいくつ? とか言いたくなる。しかもこの寒空に、結構薄着だったりする。
 「今時、そんなもん着てるやつ、あらへんで」
 「渚家では、ハレの日は正装するのがしきたりなんだ」
 「決まりすぎていて、怖いわ」
 渚カヲルは、鈴原の揶揄には構わず、碇君の方に向かって言った。
 「やあ、シンジ君。出かける時から君に逢えるような気がしてたよ」
 碇君は、苦笑ともなんともつかないような顔をしているように見えた。
 「おおかた、待ち伏せでもしとったんやないか」
 鈴原が突っ込む。
 「ところで、この時間にお出かけとは、初詣かい?」
 「そうだよ」
 「奇遇だね。僕もこれから初詣なんだ。良かったらご一緒させてくれないかな」
 「ああ、いいよ」
 「あっ、除夜の鐘が鳴り始めたわよ」
 洞木さんが言った。

 

 

 

 「わっわっ。もう並んでるよぉ。早く早くぅ」
 「ちょ、ちょっと待ってよ。綾波」
 「いくつになっても子供やな、綾波は」
 「小さい神社なのに、結構人が集まっているのね」
 「ここは小さい頃から来ているけど、年々参拝する人が多くなるね」
 「日本的で、ちょっと雰囲気いいわね」
 「そっか、アスカは日本のお正月は初めてなのよね」
 あたし達は、参拝の列の最後尾についた。並んでいる人は、2、30人位で、すぐにでも順番が回ってきそうだった。でも、先頭の人はちっとも参拝をしている気配はなかった。
 「ねえ、何故進まないの?」
 「新年になるまで、先頭の人が参拝を始めんのや」
 「昔、友達と別の所、行ったことあるけど、0時にならないのにどんどん進んでたよ。あたし達、11時くらいにお参り終わっちゃって、なんかすっごく拍子抜けって感じだったけど」
 「そこって、でっかいところやろ? ここは、ええのや。参拝客も少ないし、だれも怒るやつはおらへん」
 「ふーん」
 「シンジ君。君と一緒に新年を迎えられるなんて、僕は幸せ者だよ」
 と、いいながら渚カヲルは碇君の手をとって、自分の両手で包んだ。
 「こ、こらぁ、このホモ男!気安く碇君の手を握らないで!」
 「綾波君。根拠のない言いがかりはやめてもらいたいな」
 「こ、根拠なんておおありじゃない。普通、男同士で手なんかつながないわよ」
 「手をつないだからと言って、そうとはかぎらないだろ」
 「世間では、あんたみたいなやつのことをホモって言うのよ」
 「それを言いがかりと言うんだよ」
 「な、何度も言ってやるわよ。この、ホモ、ホモ、ホモ、ホモ、ホモ、ホモ!」
 「あ、綾波さん」
 洞木さんがあたしを制した。
 「え、な、なあに?」
 「みんな、見てるよ」
 あたしはあたりを見回した。参拝客があたしを見ている。
 「あ、あ、ははは ……」
 あたしの乾いた笑いが響いた。気まずい……。
 「いよいよ新年だよ」
 「え?」
 碇君の声に、あたしは慌てて腕時計を見る。あと、きっかり1分で新年だ。どこからともなく、カウントダウンが始まる。
 「ええもんやな、この雰囲気」
 あたしは、わくわくした。いつのまにか行列は100人くらいになっていた。碇君が紅白を見終わった人が来たんだろうって言った。
 「10秒前や!」
 鈴原もちょっと興奮気味に言う。
 「5」
 「4」
 「3」
 「2」
 「1」
 「0!」

 だれかが、花火を打ち上げたみたい。小さい花火が5、6発、夜空に舞った。
 「あけましておめでとう!」
 「おめでとう」
 「おめでとさん」
 わー、新しい年になったんだ。なんか、さっきのわくわく感とは違った、充実感が沸いてくる。
 「ね、碇君 ……」
 あたしは碇君に向かって話始めようととした時、すでに、惣流さんが碇君に話し掛けていた。う、先を越されるとは ……。
 「Shinji. Frohes neues jahr.
 ええっ〜!
 碇君と、そ、惣流さんが、抱き合って、そ、そのう、キ、キ、キ、キスをした〜!
 あたしは、頭の中が真っ白になって、呆然としていた。 遠くの方で、洞木さんは「不潔」とか言ってるし、鈴原ははやし立てるし、もうどうなってるの?
 「そうか。外国では新年になった時、誰にでもキスをして良いと言う風習があるってことを聞いたことがある」
 渚カヲル!何、冷静に状況を分析しているのよ!
 「と言うことは、僕もシンジ君にキスをして良いということだね。さあ、シンジ君。僕と、新年を祝う熱い接吻をしよう!」
 ごい〜ん。
 と鈍い音がして、渚カヲルはその場に倒れた。
 「何言ってんの!このナルシスホモ男!」
 あたしは、どこからか出したかわからないが「10t」と書かれたハンマーを持っていた。そのハンマーには渚カヲルのであろう赤い血が、べっとりとついていた。

 

 

 

 参拝した(碇君と惣流さんがキスしたことで、あたしはショックを受け、あまり覚えていないんだけど)あと、あたしはみんなと分かれて碇君と家路についた。
 「しくしくしく、しくしくしく」
 「綾波、いいかげん泣くのやめようよ」
 「しくしくしく、しくしくしく」
 「あんまり泣いていると、目が溶けちゃうぞ」
 「しくしくしく、しくしくしく」
 碇君はため息をつくと、あたしに向かって言った。
 「そんなに、ショックだった?」
 「しくしくしく。そうよ」
 「キスなんて、ドイツでは挨拶代わりなんだよ」
 「で、でも、く、唇を合わせたわ」
 「あ、あれは、きっと、アスカが新年でめでたい気分になって ……。ちょっとしたはずみだよ」
 「はずみで、マウス・トゥ・マウスなんて ……」
 「僕もちょっと驚いたけどさ」
 と、言って照れくさそうに鼻の頭をかいた。
 「い、い、い、碇君!」
 「はい?」
 「碇君は、惣流さんと、つきあってるの?」
 あたしはキスのショックで、普段だったら絶対聞けないようなことを聞いてしまった。言ってからしまったと思った。だって、本当に付き合っていたら、やっぱショックじゃない。
 「ええっ?」
 「つきあっているの? どうなの?」
 ここまで来たら後には引けないわ。あたしは、ずずっと碇君に迫った。
 「どうなの?」
 「つ、つきあってないよ」
 碇君は、あたしの迫力に鼻白んで答えた。
 「ほんと?」
 「あ、ああ」
 あたしは、安堵のため息を漏らした。
 「つきあってないなら、何故キスしたの?」
 「あ、あれは、まさか、そのう、えっと、「ここ」に来るとは思わなかったからさ ……」
 碇君は「ここ」と言って、自分の唇を指差した。
 「い、碇君は、惣流さんのこと好きなの?」
 「い、いや、す、好きって ……、な、なんでそんなこと綾波にいわなきゃならないんだよ」
 「好きでもない人とキスするなんて。しくしくしく」
 「だから、あれは挨拶代わりだって」
 「しくしくしく。碇君がプレイボーだったなんて。しくしくしく」
 「別に、そうじゃないったら」
 碇君は、ため息をついた。
 やばい。あんまりぐちぐち言うと、あきれられるかもしれない。あたしはとっさに判断し、泣きまねを止めて、碇君の方に向き直った。
 「あ、挨拶って言ったわよね」
 「う、うん」
 「し、新年の挨拶よね」
 「うん」
 「あ、あけましておめでとう、よね」
 「そ、そうだと思うけど」
 「じゃ、じゃあ、あたしにも、あ、あ、あ、あ、あ、」
 「あ、あ、あ?」
 あたしは壊れたレコードみたいに、どもった。
 「あ、あ、あ、あけましておめでとう、ってして」
 あたし、今日はどこか頭のヒューズが飛んじゃったのかもしれない。女の子から、えっと、そのう、キ、キス をして、なんて言うなんて、よっぽどさっきのことがショックだったのね。
 「え?」
 碇君も、ちょっとびっくりした顔をしていた。
 「で、でも」
 「あけましておめでとう、でしょ?」
 「え? う、うん」
 「惣流さんにだけ、あけましておめでとうっていって、あたしにはしてくれないの?」
 あたしは、無茶苦茶な言い分を展開した。
 「うわ〜ん。不公平だぁ!」
 「わ、わかった。わかったから」
 「ほ、本当?」
 「う、うん」
 あ、あたしったら、やっぱ、かなり大胆なことを言っているような気がする。
 碇君がまじめな顔で、あたしの方を向き、大きな手であたしの両方の肩をしっかりとつかんだ。その手の強さに碇君の男の子を感じ、心のどこかが、きゅんと鳴ったような気がした。
 だんだんと、碇君の顔が近づいてくる。
 ああ、とうとう碇君と結ばれるんだわ。心臓の音が「ばくばく」いっているのがわかる。本当に、のどから心臓が飛び出そうよ。
 あたしは、あと20cmというところで、目を閉じ、唇と突き出した。そしてその時を待った。目を閉じていても碇君を感じることが出来る。
 そう、もう少しで一つになれるわ。

 ちゅっ

 へ?

 なんか、期待と違うところにされたような。あたしは拍子抜けして、碇君がキスをしてくれた、おでこに手をやった。
 「あけましておめでと」
 目を開けると、そこには碇君の笑顔があった。
 だめだよぉ、そんな笑顔は卑怯だゾ。あ、顔がにやけてしまうじゃないかぁ。
 唇じゃなかったのは残念だけど、キスしてくれたのは事実よね。うん。碇君とはじめてのキス。はじめてのキス。
 はじめての、キス?
 うわあ!
 あたしの心の中では「はじめてのキス」と言う旗を持った天使達が大勢飛び交って、手にラッパをもち、ファンファーレを奏でていた。
 うわあ、はじめてのキス、なんだぁ!
 あたしの顔は前よりも一層赤くなり、まるでゆでだこの様になっているに違いない。

 まあいいや。
 今日は、お預けだったけど、いつかね。
 唇にしてもらうんだ。
 そう。
 惣流さんがいようと、ナルシスホモがいようと。
 絶対、負けないんだから!

 

 

 

 

Fine


Postilla

 ミレニアム大晦日記念 『いつか、もうすぐ』お届けします。
 前作でアスカを書いたので、今度はレイを主人公にしてみました。

 レイの性格はオリジナルとだいぶ違くなってます。
 TV版の最終話ででてきた、元気なレイちゃんが成長した姿でしょうか?
 それにしては、こっちの方がすごく幼く感じますが。(笑)

 それにしても、サイズが 20k にもなってしまいました。
 本当は、もっとさらっと行くはずだったのですが。おかしいですね。(汗)

 皆様からの、感想メールをお待ちしております。
 ぜひ、お願いしますね。

 

 今年は、個人的にいろいろありました。
 と言っても、ほとんどがエヴァ関連だったんですけどね。
 去年と比べ、生活と心理状態が、全くと言っていいほど変わってしまいました。

 今年はじめにインターネットのエヴァサイトを見始めて、とりあえず10月に『Luna Blu』のサイトを立ち上げ、11月下旬に初公開。第弐話を公開したのが12月。
 その他に本作を含め、読みきりも2作も書けたし、僕としては上出来な方かなぁ。

 それと、それと、念願の感想メールももらえましたし。(やったぁ!)
 感想メールをもらう前と後では、心の状態が全く違いますね。
 もらえない時は、すっごく寂しかったりして。(笑)

 

 今年の更新は、これで終わりです。(日記は更新しますが(笑))
 読みきりが2作続いたので、次はいよいよ『Luna Blu』です。

 それでわ、来年も『Luna Blu』をよろしくお願いします。
 みなさん、良いお年を!

 

1999.12.30
nao


ご意見・ご感想はこちらまでおねがいします。
簡単に感想が送れるフォームもあります。
nao@an.email.ne.jp