#01
「ねぇ、ママ?パパって、ドコでもらえるの?」
「あら、パパが貰える処なんて、在るのかしらね?」
「ある、とおもうな。だって、となりのチサちゃんはもらわれてきたんでしょ?
こどもがもらえるなら、パパももらえないと、へんだもん。」
「ふふっ・・・リツコ博士、それはとても論理的ね・・・。
・・・リッちゃん?哀しいけど・・・ママには、何処に行けばパパを貰えるのか・・・判らないの・・・」
「わから・・・ないの?ママ、かがくしゃなのに?・・・とっても、とっても、おりこうなのに?」
「ゴメンね、リッちゃん・・・
ママは、リッちゃんにパパをあげられる程、お利口じゃ無かったの・・・」
「なかないで、ママ・・・ママをいじめようなんて、おもってなかったの・・・
リツコ、おりこうになるから・・・いっしょうけんめいおりこうになって、ママにパパをもらってくるから・・・」
「・・・ありがと、リッちゃん。・・・頑張ってお利口になって、ママにパパを頂戴ね?」
「うんっ!わたし、がんばるっ!」
#02
「リッちゃん、次は何に乗ろうか?」
「う・・・ん・・・」
「どうしたの、リッちゃん?今日は、リッちゃんが算数コンテストで優勝したご褒美なのよ?少しくらい我が侭言っても良いのよ?」
「うん・・・あのね、あの・・・ね?」
「なぁに?観覧車かな?それとも・・・わかった、ジェットコースターだ!」
「・・・かた・・・ぐるま。」
「・・・・・・えっ・・・」
「ううん、ちがうの、ちがうの!・・・わたしジェットコースターに・・・」
「リッちゃん・・・
ほら、足を開いて!・・・なにしてるの、ほ〜ら、は・や・くっ!」
「う・・・うんっ!」
「う〜ん、よいしょ!・・・っと・・・リッちゃん?」
「うふふっ・・・?なあに、おかあさん?」
「ふふっ・・・大きくなったのね・・・」
#03
「リツコッ!リツコッ!・・・ああ・・・リツコォ・・・」
「・・・・・・お母・・・さん・・・?」
「先生、リツコは・・・?」
「ええ。幸い、娘さんは門柱の影に居ましたので・・・若干の外傷の他には、別に問題ありませんよ。」
「ああ・・・リツコ・・・」
「お母さん・・・」
#04
「あら・・・いらっしゃい、リッちゃん。
研究室まで来てくれたのは、初めてじゃないかしら?」
「ええ。おじゃまします、母さん。」
「ふふ、何を遠慮してるのかしら?
・・・あ、紹介するわね?こちら、同僚の碇さん。」
「・・・どうも・・・碇です・・・」
「あっ、はい。はじめまして・・・」
「ごめんね、リッちゃん。・・・このヒト、人見知りするから。
う〜ん、もうちょっとで上がるから、先にロビーで待っててくれる?」
「そう、わかったわ、母さん。・・・じゃあ、どうも・・・」
「・・・・・・・・・」
・・・・・・
「母さん?まだ終わらないの、母さん?
・・・・・・失礼します・・・」
「あら・・・奥の部屋かしら?」
「・・・・・・あ、かあ・・・!!?・・・・・・」
「はっ、はっ、はっ・・・・・・
母さん・・・そう、そうよね・・・・・・」
「・・・オンナだもの・・・
・・・でも、あの人は・・・・・・」
「・・・・・・お父さんじゃ・・・ないのね・・・」
#05
「そんなっ?嘘でしょ!?・・・・・・
・・・母さんっ、母さんっ・・・・・・母さん・・・うっ・・・ひくっ・・・ううっ・・・・・・」
#06
「いやぁっ!やめっ・・・止めて下さいっ!!大声を出しますよっ・・・!?
・・・そんな・・・・・・?
・・・・・・・・・・・・・・・イヤアアアアアアアッ!!・・・・・・」
#07
「・・・司令・・・」
「ん?・・・・・・」
「あっ・・・んむっ・・・はっあぁぁ・・・・・・」
「・・・どうした、良くないか?」
「いえ・・・あの・・・
額に・・・その、おでこに、キス・・・して・・・貰えませんか・・・?」
「・・・?」
「・・・・・・君は、子供では無いのだろう?」
「・・・・・・はい・・・忘れて・・・下さい・・・・・・」
#08
「レイ・・・どうだ、調子は?」
「はい、問題ありません。」
「そうか。」
「・・・・・・くっ・・・」
#09
#10
#11
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#26
「・・・・・・うそつき・・・」
なおのコメント(^ー^)/
父の面影を追い、ゲンドウに父を重ねたリツコさんのお話。
そして……
しかし、このお話も、短編で終わらすには惜しい台題材ですね。