PURNIMA

1.       Ohjyo-no-kyu Mood

2.       Kujyo-syakujyo

LOTUS：篳篥・声明

CHACO：笙・タンブーラ

大平　清：ウード

 今回は「雅楽」「声明」というモチーフから３曲を奏上しています。これらは「法楽」などといわれるように、自己表現のためではなく、神仏への捧げものとして演奏されてきました。

 私たちを圧倒する多くのワールドミュージックが成立し得た背景に“聖なるもの”を共有するコミュニティの存在があります。バリニーズにも、ピグミーにも,ネイティブ・アメリカンにもなりようのない私たちは、日本という国に咲いたこれらの花の秘密を祖先たちから聞き出してみたいのです。

まずは「雅楽」から２曲。

「Hyojyo-Netori」

「Ohjyo-no-Kyu Mood」

本来なら笙（しょう＝天から差し込む光を表す）・龍笛（りゅうてき＝天空へ舞立ち昇る龍を表す）・ 篳篥（ひちりき＝地上にこだまする人声を現す） の三管に加えて、琵琶・琴・太鼓・鞨鼓・鉦鼓などと合せて奏上されるのですが、ここでは笙・篳 篥の二管に、琵琶の親戚ともいえるウード（トルコ）を合わせてMoodとさせてもらっています。

つぎに、数ある天台宗の声明から「Kujyo-Shakujyo」をインドの代表的なドローン楽器タンブーラとウードを織り交ぜて独唱しています。中近東におけるクルアーンの詠唱やインドの声楽ドゥルパッドなど音の遺伝子を手繰りながら、心の中で絹の道を歩かせてもらいました。 

PURNIMAは日本人が練り上げたトランス感覚を 「音」を通じて追体験していく試みです。

      (LOTUS)