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食後薬について

 病院から処方される薬は食後に飲むように書かれているものが多いです。どうして食後と指定してあるかというと、薬は副作用として胃腸症状が出るものが多いのですが、胃の中に食事がある時は比較的に胃を害しにくいと考えられていること(きちんと証明されているのかどうか私は知りません。)と食後と指定したほうが飲み忘れが少ないことがあるからです。お子さんが熱を出して病院へ行くと食後薬を処方されます。すると一般の人は食事を食べないと薬を飲んではいけないのだと考える人が多いのです。熱を出しているお子さんはたいてい食欲がありません。食事を食べないと薬が飲めないとお母さんは考え、薬を飲むために無理やりに食事を食べさせることがよくあります。これは絶対にしてはいけないことです。食欲のない時は食事を食べずに食後薬を飲ませてよいのです。
 病気になった時まず絶対にしなければいけないことは安静にすることです。安静にしなければたいていの病気は治りません。熱が出た時たいていの人は運動をしません。安静にしなければいけないことを知っているのです。ところが食事を食べないと栄養が足らなくなるとか、病気に勝つために力をつけなければならないとか考え、食欲がないのに、無理やり食べる人が多いのです。食事を食べれば、それを消化吸収するために内臓は動きます。つまり内臓を運動させているのです。病気になったからと手足の運動は少なくし安静にしているのに、内臓は運動させているのです。これでは病気は治りません。内臓も安静にしなければいけないのです。
 原始時代人類は何日も食べれないことがよくありました。そんな環境を生き抜くために、人類は栄養とカロリーを体に蓄えておく構造をつくりあげました。人類は数日食べなくても、一週間食べなくても、水さえ飲んでおれば平気なのです。この原始時代を生き抜いた構造は遺伝子によって現代人にも受け継がれています。現代人も数日食べなくても、水さえ飲んでおれば、何の問題もないのです。病気の時に食欲がなくなるのは、体が正常に反応している証拠です。体を修復するために内臓を休ませることが必要だから、食事を食べるなという指令が脳幹から出ているのです。この時は絶対に食べてはいけません。病気が回復すれば、おのずと食欲が出てきますから、この時に始めて食べればよいのです。食欲がないのに、食後薬を飲むために無理やり食べるというのは以ての外のことです。病気の回復を妨げるだけです。

 2006年5月29日作成

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